カスタマーハラスメント
対策が、
すべての会社の
義務になる。

改正労働施策総合推進法が施行されます。労働者を雇うすべての事業主に、
方針の明確化から相談窓口の整備まで、10項目の措置が求められます。

10月1日に、変わること

これまで 望ましい取組

指針で推奨されていた取組。やるかどうかは、それぞれの会社の判断でした。

これから 雇用管理上の措置義務

労働施策総合推進法 第33条。10項目を講じなければならないものになります。

なぜ、義務になるのか

相談は増え続け、
対策は半分の会社で止まっている。

顧客や取引先からの暴言、脅し、過剰な要求。
ハラスメントの中で、カスハラだけが増えています。

27.9

相談があった会社

過去3年間に、顧客等からの著しい迷惑行為について相談があった会社。前回調査から8.4ポイント増えました。6種類のハラスメントで、増加が減少を上回ったのはこれだけです。

55.8

対策が「特にない」会社

カスハラへの取組を聞いたときの、最も多い答え。判定基準を持たない会社も3割を超えています。

10.8

受けたと答えた働き手

過去3年間に、勤務先で受けたと答えた働き手。接客の頻度が高いほど、割合は上がります。

受けたと答えた働き手の割合が高い業種

  • 16.6生活関連サービス業、娯楽業
  • 16.0卸売業、小売業
  • 16.0宿泊業、飲食サービス業

会社側で相談が多いのは「医療、福祉」「宿泊業、飲食サービス業」「不動産業、物品賃貸業」。

厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」。企業調査 n=7,775。8.4ポイントの比較は政府広報オンラインによります。

事業主が講ずべき措置

決めること、置くこと、残すこと。
ぜんぶで10項目。

方針を決める。相談を受ける場所をつくる。起きたあとに動く。
悪質な事案を止める。相談した人を守る。この5つに、10項目。

対象労働者を雇うすべての事業主。パートタイム労働者・契約社員も「労働者」に含まれ、派遣労働者については派遣先も同じ措置を講じます。

分類 No. 講ずべき措置 決めること
方針と周知 01 カスタマーハラスメントには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発する 社内報や社内ホームページに書いて配る。トップメッセージとして出す方法も指針にあります。
02 カスタマーハラスメントの内容及びあらかじめ定めた対処の内容を、労働者に周知する 管理監督者に指示を仰ぐ。一人で対応させない。録音・録画する。繰り返しが続けば退店を求める、電話を切る。犯罪に該当し得る言動は警察へ通報する。
相談窓口 03 相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知する 担当者を決める、制度を設ける、外部へ委託する。ほかのハラスメントの窓口と一体でも構いません。
04 相談窓口担当者が、適切に対応できるようにする マニュアルと研修、関係部門との連携。該当するか微妙な場合も広く受けます。
事後の対応 05 事実関係を迅速かつ正確に確認する 相談者と、必要なら周囲からも聞き取る。録音・録画を確認する。顧客の個人情報の扱いに注意します。
06 被害者に対する配慮のための措置を適正に行う 管理監督者が代わる。担当を替える。複数人で対応する。産業保健スタッフにつなぐ。
07 再発防止に向けた措置を講ずる 方針を改めて周知し、原因になった説明の不足そのものを直します。事実が確認できなかった場合も同じです。
悪質事案の抑止 08 特に悪質と考えられるカスタマーハラスメントへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備する 通報、警告文、販売やサービスの停止、出入禁止、仮処分の申立て。どこまでやるかを先に決め、決裁の経路も用意します。
相談者の保護 09 相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、労働者に周知する 扱い方をマニュアルに定め、担当者に研修します。機微な個人情報も対象です。
10 相談したこと等を理由として不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発する 就業規則などの服務規律に書いて周知します。派遣労働者も対象です。

措置を講じない事業主は、助言・指導・勧告の対象になります。勧告に従わないときは公表されます(労働施策総合推進法第42条)。

苦情との境目

苦情のすべてが、
カスハラではない。

対策を進めるうえでの課題の1位は、正当なクレームとの区別が難しいこと。25.9%の会社が挙げています。

  1. 1

    職場において行われる、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動であって、

  2. 2

    その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、

  3. 3

    当該労働者の就業環境が害されること。

この3つをすべて満たすものだけが、法律上のカスタマーハラスメントです。店頭だけでなく、電話やSNSなどインターネット上のものも含みます。

超えていると判断されうるもの

言動の内容

  • そもそも要求に理由がない、又は商品・サービス等と全く関係のない要求
  • 契約等により想定しているサービスを著しく超える要求
  • 対応が著しく困難な、又は対応が不可能な要求
  • 不当な損害賠償要求

手段や態様

  • 身体的な攻撃(暴行、傷害等)
  • 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言、土下座の強要等)
  • 威圧的な言動
  • 継続的、執拗な言動
  • 拘束的な言動(不退去、居座り、監禁)

当たらないもの

  • 客観的にみて、社会通念上許容される範囲で行われた申入れ
  • 商品・サービス・接客への不満そのもの。業務改善や新しい商品につながるもの
  • 障害を理由とする不当な差別的取扱いをしないよう求めること
  • 社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示

判断は、目的、経緯、業種、頻度、行為者との関係性などを総合して行います。「言動の内容」と「手段や態様」のどちらか一方だけでも該当し得ます。強い苦痛を与える態様なら1回でも。反対に、こちら側の不適切な対応が背景にある場合も見ます。

指針に挙げられている典型例です。限定列挙ではありません。

発生のきっかけ

遅れと、説明の不足から
始まっている。

カスハラに発展した原因の1位は、71.2の「顧客対応・サービス等の遅延」。
2位は、63.6の「対応者の説明・コミュニケーションの不足」。

どちらも、対応する側の事情です。

職場においてこれらを幅広く解消していく取組を進めることも、職場におけるカスタマーハラスメントの防止の効果を高める上で重要である

事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)4⑴

令和6年度 厚生労働省委託事業「業種別カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル スーパーマーケット業編」(企業調査)。政府広報オンラインによります。

窓口の一次対応

深夜の質問にも、
同じ言葉で答える。

自社サイトや資料を読み込ませて、届いた質問にその場で答えるAIチャットボットです。

  • 待ち時間が生まれません営業時間外に届いた質問も、その場で答えが返ります。
  • 担当者によって答えが変わりません登録した情報の範囲で答えるので、説明が人ごとにぶれません。
  • 語気に、返す言葉が左右されません強い言い方をされても、返るのは同じ案内です。
SHIRITAIの機能を見る
質問に対して、登録した情報をもとに違いをまとめて回答しているSHIRITAIのチャット画面
いつ、どんな質問が届いたかが日時つきで並ぶSHIRITAIの利用履歴画面
何を何回聞かれたかが残ります 繰り返し届く質問は、答えをサイトや資料に足す。措置07の再発防止が、ここから始められます。
質問と対応状況、担当者が一覧で並ぶSHIRITAIの有人対応画面
判断が要る相談は担当者へ渡ります 誰がいつ対応したかが記録に残り、措置05の事実確認の手がかりになります。

社内向けの窓口にもできます

対応マニュアルや社内規程を読み込ませれば、応対中の社員が「この場合どうするか」をその場で引けます。

試算

人が受け止める回数は、
どこまで減らせるか。

すでに答えがある問い合わせをAIが引き受けたとき。自社の数字を入れてください。

人が直接応対する件数

200100件/月

その応対にあてる時間

3317時間/月

※1 前提を置いた概算です。実際の件数は、登録した情報の量と、届く質問の内容によって変わります。
※2 「すでに答えのある質問」は、サイト・資料・FAQに答えが書かれていて、AIが登録情報の範囲で回答できるものを指します。
※3 時間は分単位を四捨五入しています。

段取り

10項目は並列ではない。
決まらないと、次に進めない。

  1. STEP 01

    現場に何が届いているかを見る

    どんな言動が、どの窓口に、どれくらい届いているか。応対の記録と問い合わせ履歴から。

    記録の棚おろし
  2. STEP 02

    方針と、その場での手順を決める

    毅然と対応し労働者を守る、と文書で示す。誰に上げるか、いつ打ち切るか、いつ通報するか。

    措置 01・02
  3. STEP 03

    相談窓口を置き、就業規則に書く

    どこが受けるかを決めて周知。相談を理由に不利益な取扱いをしない旨を服務規律に定めます。

    措置 03・04・09・10
  4. STEP 04

    記録を残し、原因を直す

    事実関係の確認、被害者への配慮、再発防止。原因になった説明の不足そのものを直します。

    措置 05・06・07

よくある質問

Q中小企業や個人事業主も対象になりますか
A

労働者を雇用していれば、規模や法人・個人を問わず対象です。規模による猶予はありません。指針では、正社員だけでなくパートタイム労働者や契約社員も「労働者」に含まれます。派遣労働者については、派遣元だけでなく派遣先も同じ措置を講じます。

Q取引先の担当者からの言動も含まれますか
A

含まれます。指針の「顧客等」は、商品を買う人やサービスを使う人だけを指しません。問い合わせをする人、取引先の担当者、契約に向けた交渉の担当者、施設やサービスの利用者とその家族、施設の近隣住民も挙げられています。今後購入する可能性がある人、今後取引する可能性がある人も含みます。

Q措置を講じなかった場合、罰則はありますか
A

措置を講じなかったこと自体に対する罰則はありません。ただし、厚生労働大臣は事業主に対して助言・指導・勧告を行うことができます。勧告に従わなかったときは、その旨を公表できます(労働施策総合推進法第42条)。また、求められた報告をしない、または虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料が定められています(同法第51条)。

Q正当なクレームとカスタマーハラスメントは、どう見分けますか
A

「言動の内容」と「手段や態様」の両面から、目的、経緯や状況、業種・業態、頻度や継続性、行為者との関係性などを総合して判断します。どちらか一方だけが社会通念上許容される範囲を超えている場合も該当し得ます。客観的にみて許容される範囲で行われたものは正当な申入れであり、カスタマーハラスメントには当たりません。

Q電話やメール、SNSでのやり取りも含まれますか
A

含まれます。指針は、店舗や施設で対面して行われるものだけでなく、電話やSNS等のインターネット上で行われるものも対象としています。SNS等に労働者のプライバシーに関わる情報を投稿する行為、悪評の投稿をほのめかして脅す行為、盗撮や無断での撮影も、精神的な攻撃の例に挙げられています。

Q就業規則の変更は必要ですか
A

必要になります。相談したことなどを理由に、解雇その他の不利益な取扱いをされない旨を定めて周知することが、措置10です。指針は、その例として就業規則その他の職場における服務規律を定めた文書に規定することを挙げています。悪質な事案への対処方針も、どこまで踏み込むかを決めて文書にしておく必要があります。

QAIチャットボットを設置すれば、義務を満たしたことになりますか
A

なりません。義務は、方針の明確化、相談体制の整備、事後の対応といった社内の体制づくりです。窓口のAIが引き受けるのは、指針が発生の原因として挙げている、対応の遅れや説明の不足のほうです。体制の整備と並行して進めるものとお考えください。

QSHIRITAIは、どのくらいで使い始められますか
A

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10月1日に向けて

待たせない窓口を、
先につくっておく。

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