中小企業のAIチャットボット選び|専任がいなくても続く条件
専任の担当を置けない会社がチャットボットを選ぶなら、見るところは答えられる幅が広いか・自分で直せるか・小さく始められるかの3つに絞れます。機能の多さで見比べるより、この3つを先に決めておくほうが迷いにくいのではないでしょうか。
取り違えやすいのが「AI搭載」という表記で、あらかじめ用意した選択肢を順に出すだけのものにも、同じ言葉が使われています。答えられる幅と、自分で直せるかどうかは、この一語からは読み取れないところです。
問い合わせは増えるのに、人は増やせない
「チャットボット 中小企業 おすすめ」と調べている方は、たいてい同じ状況にいます。問い合わせ対応が止まらない、でも人を増やす余裕はない、電話とメールに追われて本来の仕事が後回しになっている。
そこで調べ始めると、比較サイトや製品紹介がずらりと並びます。「月1,500円から」「導入実績1,000社」「AI搭載」。項目は揃っているのに、自社に合うかは分からないまま時間が過ぎていきます。
この記事では、製品名を並べる代わりに、人が少ない会社の制約から逆算して条件を決めるやり方を書きます。条件が決まっていれば、あとはどの比較サイトを見ても判断できるはずです。
大きい会社とは、そもそも前提が違う
チャットボットの記事は、専任のチームがいる前提で書かれていることがあります。中小企業の現場は、そうなっていません。
| 専任チームがいる会社 | 兼務で回している会社 | |
|---|---|---|
| 導入を決める人 | 担当部署が検討し、稟議を上げる | 経営者か、兼務の担当者がひとりで見る |
| 初期の作り込み | 時間をかけて設計できる | 通常業務の合間にやることになる |
| 公開後の更新 | 運用担当が継続的に見る | 気づいた人が直す。放置されやすい |
| 失敗したとき | 次年度に見直す | 「あれは失敗だった」で終わり、二度目がない |
いちばん効いてくるのが最後の行です。一度うまくいかないと、社内で次の話が出せなくなります。だからこそ、最初の一手を軽くして、確実に効かせる必要があります。
そもそも、いま入れて効く状態かどうか
条件を決める前に、順番として確かめておきたいことがあります。人が少ない会社ほど、やってみて駄目だったが痛いからです。次の3つのうち2つ当てはまるなら、効きやすい状態だと思います。
- 同じ質問が毎週のように届いている:営業時間、送料、料金、在庫。答えが決まっている質問が繰り返されている状態です
- サイトに人は来ている:見られているのに問い合わせが少ないなら、聞けないまま帰っている人がいます
- 答えが社内で決まっている:人によって返す内容が違う項目は、先に社内で揃えるほうが早く進みます
逆に、まだ急がなくてよいのは、問い合わせが月に数件しかない場合、扱う商品やサービスの中身がまだ固まっていない場合、サイトへの訪問がほとんどない場合です。この状態で置いても記録がたまらないので、直しようがありません。先にやることがあるなら、そちらが先で構わないと思います。
同じ質問への電話とメールをどこまで減らせるかで迷っているなら、同じ質問への電話とメールを減らしたいにも判断の材料があります。
制約から、条件を決める
足りないものから逆算すると、見るべきところは3つに絞れます。

条件① 答えられる幅が広いこと
人を増やせないから入れるのに、答えられない質問が人に回ってくるのでは意味がありません。ここがいちばん大事な条件です。
あらかじめ用意した選択肢をたどる作りだと、登録していない言い方に反応できません。「料金を教えてください」は答えられても「これいくらですか」で止まる、といったことが起きます。お客さまはこちらが用意した文で聞いてくれないので、この幅の狭さがそのまま人の手間になって戻ってきます。
確かめ方は簡単で、同じことを3通りの言い方で聞いてみることです。詳しい試し方はAIチャットボット比較に書いています。
条件② 担当者が自分で直せること
専任を置けない以上、更新のたびに外部へ依頼が必要な作りは続きません。料金を変えた、条件を変えた、新しい商品が増えた。そのたびに見積もりと待ち時間が発生すると、半年で更新が止まります。
管理画面を開いて、実際に答えを1件登録してみてください。ここで「よく分からない」と感じるようなら、公開後も触られなくなります。
もうひとつ、更新の担当を分けられるかも見ておくとよいと思います。「チャットボット担当」という新しい仕事を作ると、その人が忙しくなった時点で止まります。送料は物流の人、返品条件はCSの人、というように、すでにその情報を持っている人が直せる形にしておくほうが続きます。
作る手も更新の手も足りない、という前提での進め方は作る手が足りず、更新も続けられないにまとめてあります。
条件③ 小さく始められること
予算の話でもありますが、それ以上に失敗したときの傷が浅いことが大事です。初期に大きく作り込む前提の製品は、合わなかったときに引き返せません。
見るのは、月額の金額そのものより、①最低利用期間があるか ②試してから決められるか ③使う範囲を後から広げられるか、の3つです。SHIRITAIは月額9,800円からで、2週間の無料トライアルはクレジットカードの登録なしで始められます。相場の考え方はAIチャットボットの料金・費用相場にまとめています。
逆に、優先度を下げてよいもの
比較していると気になるけれど、少人数の会社では後回しでよいものもあります。
- 多言語対応:海外からの問い合わせが実際に来ているなら別ですが、来ていないなら後で足せば足ります
- 外部システムとの連携:連携先が社内で運用しきれていない状態で繋いでも、手間が増えるだけです
- 細かい分析機能:見るのは「答えられなかった質問」で十分です。グラフの種類は判断に効きません
これらを条件に入れると候補が絞れず、いつまでも決まりません。いま困っていないことは、条件に入れないほうが早く進みます。将来使うかもしれない機能は、必要になった時点で足せるかどうかだけ確かめておけば十分です。
「AI搭載」と書いてあっても中身は違う
もうひとつ、条件①に関わる注意があります。いまはほとんどの製品に「AI搭載」と書いてありますが、中身は大きく2つに分かれます。
ひとつは、想定される質問と答えの組をあらかじめ登録しておき、入力された文がどれに近いかを判定するもの。もうひとつは、答えの元になる情報を登録しておき、聞かれた内容に合わせて文章を組み立てるものです。どちらも「AI」と呼ばれます。
少人数の会社にとって差が出るのは、商品やサービスが増えたときの手間です。前者は、増えるたびに質問と答えの組を足す作業が発生します。後者は、元になる情報を足すだけで済みます。兼務で回している会社ほど、この差が効いてきます。型の違いはシナリオ型と生成AI型のチャットボットを比較するに整理しています。
費用は、どこまで見ておけばいいか
比較していると、月額の幅の広さに戸惑うと思います。安いものと高いものの差は、だいたい答えられる幅、月にどれだけ会話できるか、使う人数の3つで決まります。機能の数そのものより、この3つで値段が動くと思っておくと表が読みやすくなります。
月額と並べて見ておきたいのが、答えを用意する時間です。ここは金額に出てきませんが、実際にいちばん時間を使うところです。月額が安くても、質問と答えの組を1件ずつ足し続ける作りだと、兼務の担当者の手のほうが先に尽きます。
SHIRITAI(シリタイ)の場合は月額9,800円から始められます。判断するときは、月額をその月にチャットが受けた件数で割ってみてください。1件あたりいくらで受けられているかが出るので、人が1件に使っていた時間と見比べれば、続けるかどうかを数字で話せます。試算の組み立て方はチャットボット導入の費用対効果を正しく試算するで順を追えます。
見落としやすいのは、値段を比べる前にいま何件受けているかを数えておくことです。件数が分からないままだと、どのプランで足りるのかも決まりません。次の章の1週目が、そのまま材料になります。
最初の1か月を、どう進めるか
条件が決まったら、あとは進め方です。兼務でも回る形にすると、こうなります。

1週目にやるのは、導入作業ではなく数えることです。1週間だけ、届いた問い合わせを経路ごとに正の字で数え、「答えが決まっているもの」と「その人の事情を聞かないと答えられないもの」に分けます。
2週目に、多い順から20件ぶんの答えを用意します。全部を揃えようとすると、たいていここで止まります。20件で、届く質問のかなりの部分がふさげます。
3週目は1ページだけに置きます。料金ページか、問い合わせフォームの手前です。全ページに広げるのは、効いたのを確かめてからで構いません。
4週目に記録を見ます。答えられなかった質問が、そのまま次に登録すべき内容です。ここまでで一周して、あとは月に一度これを繰り返すだけです。進め方の詳細はチャットボット導入の進め方にまとめています。
SHIRITAIでは、どう始めるか
1. 窓口を1つ作る
まず1か所だけ作ります。社外向けと社内向けを分けることもできますが、最初から分けすぎると管理が増えます。いちばん困っている窓口から始めてください。

2. よく届く質問の答えを登録する
登録の作業は、業務を分かっている人の仕事です。専門知識は要りません。マニュアルの文をそのまま入れるより、お客さまに返す言葉に直してから登録すると、返ってくる答えが読みやすくなります。

分類しておくと、後から誰が何を直すかを分けやすくなります。条件②の「更新の担当を分ける」は、ここで効いてきます。
一から書き出す時間が取れない場合は、自社サイトのURLや手元の資料を渡して下地を作るチャットボットの自動作成から入る手もあります。
3. 発行されたコードを貼る
設置はコードを1か所貼るだけです。サイトを触れる人が社内にいれば足ります。置き場所を変えるのも、貼り直すだけなので、効く場所を探しながら動かせます。

コードを書く必要はありません。手順はノーコードでチャットボットを作る方法にまとめています。
こんな質問に、こう答えます
少人数の会社で、実際に人の手を取っていた質問の例です。
登録した内容:営業は平日9時〜18時、土日祝は休み。急ぎの用件はフォームから受付
今日って何時までやってますか
平日は9時から18時まで営業しております。土日祝はお休みをいただいています。お急ぎのご用件でしたら、フォームからご連絡いただければ翌営業日に折り返します。この場でお答えできることがあれば、お聞かせください。
登録した内容:対応エリアは近隣3県。それ以外は出張費を別途相談
うちは県外なんですけど、対応してもらえますか
通常の対応エリアは近隣3県となっております。エリア外の場合も、出張費を別途ご相談のうえ対応させていただいたことがございます。ご希望の場所と時期をお聞かせいただければ、担当者から可否をご連絡いたします。
答えられないものは、人に渡す
前に見積もりをもらったんですが、あの条件でまだいけますか
過去のお見積もりの内容は、こちらでは確認ができません。担当者におつなぎしますので、差し支えなければ会社名とおおよその時期をお聞かせください。そのままお調べしてご連絡いたします。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左が少人数の現場で起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| 問い合わせが増えても人を増やせない | 答えの決まっている質問を任せて、人の時間を空ける |
| 専任を置けず、運用が続くか不安 | 答えの登録と月一度の見直しが中心で、専任なしで回せる |
| 更新のたびに外注が必要そう | 管理画面から自分で追加・修正できる |
| ひとりに負担が集中している | 情報を持っている人ごとに更新を分担できる |
| 失敗したら次の話が出せない | 1ページ・20件から小さく始めて確かめられる |
| 設置にエンジニアが必要か分からない | 発行されたコードを貼るだけで置ける |
| 営業時間外の問い合わせを取りこぼす | 時間帯に関係なく一次対応が動く |
| 担当者によって答えが違う | 登録した内容が答えの正本になる |
| ベテランしか答えられない質問がある | その知識を登録内容として組織に残す |
| 試さずに決めるのが怖い | 2週間の無料トライアルで、自社の質問を投げて確かめられる |
全部を一度にやる必要はありません。1週間数えて、20件登録して、1ページに置く。ここまでで十分に判断できます。
よくある質問
何人くらいの会社から意味がありますか?
人数より、届いている問い合わせの中身で決まります。月の問い合わせが数件しかないなら、先に別のことをしたほうが効きます。逆に、社員が数人でも同じ質問が毎日来ているなら、人数に関係なく効きます。まず1週間数えてみてください。
社内にITに詳しい人がいません。
登録の作業に専門知識は要りません。必要なのは、よく聞かれる質問と、その答えを知っていることです。設置だけはサイトを触れる人にコードを貼ってもらう必要がありますが、それも1か所です。
おすすめの製品を教えてもらえますか?
他社製品を並べて順位を付けることはしていません。裏が取れないためです。代わりに、自社の条件で判断できる形にしました。この記事の3つの条件を持って比較サイトを見ると、候補はかなり絞れるはずです。ランキング記事の読み方はAIチャットボットおすすめランキングの正しい読み方にまとめています。
導入したあと、誰が運用しますか?
新しく担当を作るより、すでにその情報を管理している人に持たせるほうが続きます。送料は物流、返品はCS、料金は営業、というように分けてください。ひとりに寄せると、その人が忙しくなった時点で止まります。
効果はどう確かめればいいですか?
導入前に1週間ぶんの件数を数えておいて、公開後に同じ条件で数えます。見るのは人が直接対応した件数です。チャットを含めた総数は増えることが多いので、そちらを見ると判断を誤ります。
中小企業だと、月々いくらから始められますか?
製品によって幅がありますが、答えられる幅・月に使える会話数・使う人数で値段が動くと思っておくと読みやすいです。SHIRITAI(シリタイ)の場合は月額9,800円から始められます。月額をその月に受けた件数で割ると、1件あたりいくらで受けられているかが出るので、判断しやすくなります。
大きい会社向けのチャットボットを入れると、何が困りますか?
設定できることが多いぶん、決めることも増えます。専任のチームがいれば作り込めますが、兼務で回している会社では、公開後に直す人がいないまま止まりやすいところです。担当者が自分で直せるかを先に確かめてみてください。
まとめ
少人数の会社がチャットボットを選ぶとき、見るべきなのは機能の数ではなく制約に耐えられるかだと思います。答えられる幅が広いこと、担当者が自分で直せること、小さく始められること。この3つが揃っていれば、専任がいなくても続きます。
順番としては、①1週間ぶんの問い合わせを数えて仕分ける ②多い順に20件の答えを用意する ③1ページに置いて1か月見る、です。無料トライアルはクレジットカードの登録なしで始められるので、判断材料として使ってみてください。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。