飲食店のチャットボット活用|ピークタイムの電話・予約・アレルギーの質問にどう答えるか
飲食店でチャットボットに預けられるのは、席数や営業時間、行き方をたずねる定型の電話です。予約の確定と込み入った相談は人が引き取る前提にして、その手前の確認だけを先に切り出す。それだけで、ピークの15分の使い道が変わってきます。
手を動かす前に一つだけ決めるとすれば、いまの電話の中身を数えることだと思います。忙しい時間帯に何本鳴って、そのうち何本が席数や場所の確認だったか。ここが分かっていると、最初に登録する質問も自然に決まってきます。
金曜19時、鳴り続ける電話に出られますか
飲食店の電話がいちばん鳴るのは、店がいちばん忙しい時間帯です。金曜の19時、満席のホールとフル回転の厨房。そこに「明日4名で入れますか?」の電話が鳴る。手を止めて出れば目の前のお客さまを待たせ、出なければ明日のお客さまを逃す。どちらを選んでも何かを失うのが、飲食店の電話対応です。
しかも電話の中身を聞いてみると、その多くはメニュー表やサイトに書いてあることの確認だったりします。この記事では、飲食店の電話を分解して、どこをチャットボットに任せられるかを整理します。
ピークタイムの人手は、増やすより「取られている仕事」を数える
ピークが回らないとき、まず考えるのは人を増やすことだと思います。シフトを厚くする、ヘルプを呼ぶ、AIでシフトを組んで配置を最適化する。どれも打ち手ではあるのですが、その前に確かめておきたいことがあります。いま入っている人の手が、何に取られているかです。
ためしに、自分の店の数字で計算してみてください。19時から20時30分までの90分に、電話が10本鳴るとします。1本あたり、保留と確認を含めて3分。それだけで30分ぶんの手が電話に持っていかれている計算になります。ホール1人が、ピークの3分の1を電話に使っている状態です。

この30分は、人を増やしても消えません。人が増えれば電話に出る余裕は生まれますが、鳴っている本数は変わらないからです。減らせるのは、そもそも電話しなくても済むようにするときだけです。
念のため書いておくと、シフトそのものを組むのはシフト管理のツールの仕事で、チャットボットの守備範囲ではありません。ここで扱うのは、組んだシフトのなかで、何人ぶんの手が問い合わせに取られているか、という話です。ピーク帯の人手をどうにかしたいとき、配置を変えるのと、仕事そのものを減らすのは別の打ち手になります。
飲食店の電話、中身はこの3つ

このうち「場所・営業時間」は完全な定型です。「コース・アレルギー」は一見むずかしそうですが、メニューと食材の情報を教えておけば、生成AI型のボットが対話で答えられる領域です。「甲殻類アレルギーがあるのですが、コースの何品を差し替えられますか」という質問に、営業中の電話で丁寧に答えるのは大変でも、ボットなら何度聞かれても丁寧なままです。
業態によって、鳴る電話の中身が違う
同じ飲食店でも、何を出す店かで質問の傾向はかなり変わります。登録する情報を決めるときの当たりを付けるのに使ってください。

| 業態 | ピーク帯に多い電話 | 先に登録しておきたいこと |
|---|---|---|
| 居酒屋・宴会 | 人数の増減、個室は何名から、飲み放題の時間 | 個室の定員、コースと飲み放題の条件、人数変更の締め切り |
| ランチ主体 | いま待ちはどれくらい、何時までやっているか、席数 | ラストオーダー、席数とカウンターの有無、混む時間帯の目安 |
| コース・焼肉 | アレルギー、子ども用の取り分け、コースの中身 | 使用食材、差し替えできる品、子ども向けの対応 |
| カフェ | 電源はあるか、ベビーカーで入れるか、席の予約はできるか | 電源席の数、ベビーカーと段差、予約の可否 |
カフェの「電源はありますか」のように、店側からすると些細に思える質問ほど、答えがサイトのどこにも書いていないことが多いものです。そして書いていないから電話が来ます。
ピークタイムの対応は、こう変わる

見落とされがちなのは、右下の「深夜の問い合わせ」です。飲み会の幹事が店を探すのは、当日の昼休みか前日の夜。電話がつながらない時間帯にこそ、予約のきっかけは落ちています。ボットが「明日20時、6名、個室希望」を預かっておけば、仕込みの前に折り返して確定できます。
夜間・休日の受け方をもう少し広く見たい場合は夜間・休日の問い合わせを取りこぼさない方法を、予約そのものの設計は予約対応と返信の自動化をどうぞ。
SHIRITAIでの実践:メニューと店の情報を教えて、サイトに貼る
SHIRITAI(シリタイ)なら、メニュー・アレルギー対応・営業時間・アクセスを登録して、埋め込みコードを店のサイトに貼るだけで動き始めます。
1. 店の情報を教える
登録した内容はナレッジとして一覧で並びます。営業時間、アクセス、個室の条件、キャンセルの連絡方法。電話で口頭で答えている内容を、そのまま文章にして入れていくだけです。

コースやメニューは、商品リストとして別に持たせられます。コース名・価格・内容を登録しておくと、「6,000円くらいのコースはありますか」のような聞かれ方にも答えられるようになります。

2. サイトに貼る
設置は、発行された数行のコードを店のサイトに貼るだけです。ホームページを作った会社に頼まなくても、更新画面から貼れることがほとんどだと思います。

3. AIの自動対応:写真や地図も添えて答える
回答はテキストだけでなく、コース料理の写真や地図も添えられます。「駅からの道順は?」に地図で、「コースの内容は?」に料理の写真で答えられると、電話よりむしろ伝わる場面も多いはずです。

アレルギー対応は「できます」と即答させず、「この情報をもとにご案内していますが、最終確認はご来店時にスタッフへ」と添える設定にしておくと安心です。安全に関わる質問ほど、答え方の設計が大事になります。
4. 有人対応:予約の確定と込み入った相談は、人が引き取る
お客さまの側には、AIの回答の下に店の担当者へつなぐ入口が出ます。全部を人が受ける必要はなく、押した人だけが人の対応に回ります。

店側では、対応が必要な会話が一覧に並びます。まだ誰も出ていない会話は色が変わるので、営業の合間に手が空いたときにまとめて返す運用もできます。

会話を開くと、そこまでのやり取りが見えた状態で入れます。「何名で、いつ、個室希望」がすでに聞けている状態から始まるので、折り返しの電話が1回で済みます。

5. 記録:何を聞かれているかが、そのまま残る
実際に届いた質問は、来た順に残ります。「駐車場の質問が毎日来ている」「飲み放題の延長を何度も聞かれている」といったことが見えたら、サイトにその一文を足せば電話そのものが減ります。

記録の読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方で詳しく扱っています。
こんな質問に、こう答えます
ピーク中に鳴っている電話の中身を、そのままチャットで受けるとこうなります。
登録した内容:コースの使用食材と、差し替えできる品の一覧
甲殻類のアレルギーがあります。5000円のコースは食べられますか
5,000円のコースでは、前菜の海老と、〆の海鮮雑炊に甲殻類を使っています。前菜は季節の野菜のマリネへ、雑炊は鶏だしのものへお取り替えできます。同じ厨房で調理しているため微量の混入までは避けられない場合があります。ご予約の際にお申し出いただければ、当日スタッフが最終確認いたします。

登録した内容:個室の定員と利用条件(4名から/2時間制/土曜はコース利用のみ)
土曜の夜に5人で個室って取れますか?
個室は4名さまからご利用いただけますので、5名さまでしたらお取りできます。土曜の夜はコースのご利用が条件となり、2時間制でのご案内です。ご希望の時間をお知らせいただければ、空き状況を確認してご連絡します。
予約の希望を預かって、店へ渡す
明日20時、6名で予約したいです
明日20時、6名さまでご希望を承りました。お席の確保は店舗で確認のうえご連絡しています。お名前とご連絡先をいただければ、営業終了後または翌朝の開店準備の時間に折り返します。
そもそも電話が鳴らないようにする
チャットで受けるのは対症療法でもあります。もう一段深く効かせるなら、質問そのものが起きないようにするところまでやります。やり方は簡単で、記録に残った質問を見て、その答えをサイトに書き足すだけです。
| よく来る電話 | サイトに足す一文 | 置く場所 |
|---|---|---|
| 駐車場はありますか | 店舗裏に3台。満車時は隣のコインパーキング | アクセスのページ、店舗情報の一番上 |
| 個室は何名から | 4名から。土曜の夜はコース利用が条件 | 席の紹介ページ、予約ボタンの近く |
| 何時まで入れますか | ラストオーダーは22時、閉店23時 | 営業時間の表記のすぐ横 |
| 子ども連れでも大丈夫ですか | お子さま用の椅子2脚、取り皿あり | 店舗情報、コースの案内 |
チャットに答えさせるのと、サイトに書くのは、どちらか一方ではありません。サイトに書いて総量を減らし、それでも来る質問をチャットで受ける。この二段構えにすると、ピークの電話は目に見えて減ります。
どの質問が多いかは、記録を見れば分かります。想像で書き足すのではなく、実際に来ている質問から順に潰していくのが早道です。
ピークの15分を、何に使うか
電話が減ると、その時間は何に変わるのか。ここを言葉にしておくと、店のスタッフにも導入の意味が伝わります。
ピーク帯にホールが1人ぶん空くと、できることが具体的に変わります。ドリンクの2杯目を聞きに回れる。料理の説明を一言添えられる。会計の待ちを作らずに済む。電話に出るために止まっていた手が、目の前のお客さまに戻るということです。
客単価の話をするなら、ドリンクをもう1杯すすめられるかどうかは小さくありません。電話対応を減らす取り組みは、コスト削減の話に見えて、じつは売上側の話でもあります。スタッフに説明するときも、「電話が減って楽になる」より「一杯すすめる余裕が生まれる」のほうが伝わるかもしれません。
予約の受け方は、2段階で考える
飲食店のボット導入でいちばん迷うのが、予約をどこまで任せるかです。おすすめは2段階です。
- 最初の1〜2ヶ月:ボットは質問対応と「予約希望の受付」まで。確定は店からの折り返しで行う
- 運用に慣れたら:予約台帳やグルメサイトの空席と連携して、その場で確定まで進める
最初から完全自動を目指すと、二重予約などの事故が起きたときに現場がボット不信になります。小さく始めて広げる進め方は、チャットボット導入の進め方で詳しく書いています。また、常連さんとのやり取りが多い店なら、チャットボットとLINE連携でできることのように公式LINEに乗せる選択肢もあります。

グルメサイトと公式サイト、ボットはどこに置くか
「グルメサイトに情報を載せているから十分では」という疑問もあるはずです。役割を分けて考えると整理できます。
グルメサイトは新規のお客さまに見つけてもらう場所です。一方で、掲載できる情報には枠があり、「個室は何名から」「子ども連れでも大丈夫か」「コースのアレルギー変更」のような細かい質問には答えきれません。結局その確認の電話が店に来ます。
公式サイトとチャットボットは、見つけてくれた人の最後のひと押しを担当します。グルメサイトで店を知り、公式サイトで細かい疑問を解消して、そのまま予約希望を送ってもらう。この分担ができると、予約導線が電話だけに依存しなくなり、掲載プランを上げる以外の集客改善が打てるようになります。
個店とチェーン店では、置き方が変わる
店舗数によって、運用の組み立て方は変わります。自社に近いほうを目安にしてください。
| 個店・数店舗 | チェーン | |
|---|---|---|
| 登録する情報 | 1店舗ぶん。店長が自分で書ける量 | 共通のルールと、店舗ごとの違い(席数・駐車場・営業時間)を分ける |
| 更新する人 | 店長かオーナー | 本部が共通部分、店舗が個別部分 |
| 置き場所 | 店のサイト、公式アカウント | 店舗ページごとに、その店の情報で答えるようにする |
| つまずきやすい所 | 更新が後回しになる | 店舗ごとの情報が古いまま残る |
チェーンの場合、共通のルールと店舗固有の情報を混ぜないのが肝心です。「飲み放題は2時間」は共通でも、「個室は4名から」は店によって違う。ここを分けずに1つにまとめると、どこかの店で必ず食い違いが出ます。
来てもらったあと、もう一度来てもらうために
チャットは来店前だけの道具ではありません。会計時に案内するカードやレシートにQRコードを入れておくと、帰ったあとの接点として残ります。
使い道としては、次回の予約の受付、季節メニューの案内、口コミのお願いあたりが現実的です。とくに口コミは、料理の記憶が新しいうちにお願いできるかどうかで返ってくる率が変わります。翌日にメールを送るより、その場でQRコードを読んでもらうほうが早いはずです。
ただ、あれもこれもと詰め込むと開いてもらえなくなります。1つの用途に絞るくらいでちょうどいいと思います。
小さく始めるなら、この3つの質問から
いきなり全メニューを登録しなくても、効果はすぐに出せます。まず登録したいのは、電話でいちばん聞かれるこの3つです。
- 営業時間と定休日:祝日の営業、ラストオーダーの時間、年末年始の予定まで書いておくと、電話の1〜2割はこれだけで減ります
- アクセスと駐車場:最寄り駅からの道順、駐車場の有無と台数、近隣コインパーキングの案内
- 予約のルール:何名から個室が使えるか、当日予約は可能か、キャンセルの連絡方法
この3つを登録して公開し、あとは実際に聞かれた質問を月に一度足していく。飲食店の場合、メニューの季節替わりに合わせて情報を見直す習慣にすると、更新が忘れられません。仕込みの合間の30分で回せる運用です。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| ピーク中に電話へ手を取られる | 営業時間・アクセス・個室条件の質問をチャットで自動的に返す |
| 営業中に出られず、予約を逃している | 予約希望を預かり、手が空いた時間にまとめて折り返す |
| 閉店後の問い合わせが翌日消えている | 深夜でもチャットが受け付け、翌朝には希望が届いている |
| アレルギーの質問に、その場で答えきれない | 使用食材と差し替え案を返し、最終確認は来店時と添える |
| コースの中身を何度も説明している | 商品リストにコース名・価格・内容を登録して自動で返す |
| 写真や地図を口頭で説明している | 回答に料理写真や地図を添えて返す |
| スタッフによって答えが違う | 登録した内容にもとづくので、誰が対応しても同じ答えになる |
| 込み入った相談まで自動で返してしまう | 担当者へつなぐ入口を出し、そこから先は人が引き継ぐ |
| 常連の連絡がLINEに来る | LINE・ChatWork・Slackと接続して同じ窓口で受ける |
| 何を聞かれているか把握できていない | 利用履歴に実際の質問が残り、サイトを直す材料になる |
全部を一度にやる必要はありません。ピークの電話がいちばん痛いなら、上の3つだけで十分です。
よくある質問
チャットボットで、シフトの作成や人員配置まで自動化できますか?
シフトを組むのはシフト管理のツールの役割で、チャットボットの守備範囲ではありません。チャットボットが減らせるのは、組んだシフトのなかで問い合わせ対応に取られている時間のほうです。ピーク90分に電話が10本、1本3分なら30分ぶんの手が電話に使われている計算になります。この部分を減らすと、同じ人数でもホールに戻せる時間が増えます。
アレルギーの質問をチャットボットに答えさせても大丈夫ですか?
使用食材と差し替えできる品まで伝えたうえで、最終確認は来店時にスタッフが行うと添える形をおすすめしています。「食べられます」と言い切らせる設定にはしないでください。同じ厨房で調理する以上、微量の混入まではチャットで保証できません。答えられる範囲と、店で確認する範囲を分けておくことが大事です。
予約の確定まで自動でやってもらえますか?
最初は希望を預かるところまでにして、確定は店からの折り返しで行う運用をおすすめしています。予約台帳やグルメサイトの空席と連携すればその場で確定まで進められますが、最初から完全自動にすると二重予約が起きたときに現場がボットを信用しなくなります。1〜2ヶ月運用してから広げるくらいが安全です。
グルメサイトに情報を載せているので、公式サイトのチャットは不要では?
役割が違います。グルメサイトは新規のお客さまに見つけてもらう場所ですが、掲載できる情報には枠があり、個室の条件や子ども連れの可否、アレルギーの変更といった細かい質問には答えきれません。その確認の電話が店に来ています。公式サイトのチャットは、見つけてくれた人の最後のひと押しを担当します。
メニューを全部登録しないと使えませんか?
いいえ。営業時間と定休日、アクセスと駐車場、予約のルール。この3つから始めれば、電話の一定量はすぐに減ります。看板メニューとよくある質問20件ほどを足して公開し、あとは実際に聞かれた質問を月に一度追加していく形が続けやすいと思います。季節でメニューが変わる店なら、その入れ替えのタイミングで見直す習慣にしておくと忘れません。
まとめ:電話の取りこぼしは、仕組みで拾える
飲食店の電話は、①予約の変更・確認 ②場所・営業時間 ③コース・アレルギーの3つに分かれ、②と③の多くはボットに任せられます。ピーク中と深夜という「人が出られない時間」の質問を拾えるようになることが、飲食店にとってのいちばんの導入効果です。ピークの人手が足りないと感じたら、人を増やす前に、いま何に手が取られているかを数えてみてください。
予約と相談が絡む業態の設計は、不動産会社のチャットボット活用とも共通点が多いので、あわせてどうぞ。SHIRITAIは無料トライアルから始められます。まずは看板メニューとよくある質問20件を教えるところから。
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