物流会社のチャットボット活用|配送問い合わせを自動化して現場を守る
物流会社のチャットボットは、配送状況の確認や再配達の受付といった定型の問い合わせを先に引き受ける使い方から入るのが現実的だと思います。荷主と受取人からの電話が窓口にもドライバーにも同時に届く状態を、画面で返せる分だけ切り分けていく作業です。
手を付ける順番としては、配送状況の確認がいちばん前になります。件数が多く、答えの中身がほとんど変わらないからです。次が再配達の受付、集荷依頼と料金の目安、時間帯指定などのサービス案内。ドライバーやスタッフ向けの社内FAQは、そのあとでも間に合うと思います。
物流会社の問い合わせ対応が「限界」に来ている3つの理由
① 2024年問題でドライバー不足が深刻化している
2024年4月、働き方改革関連法の適用により、運送ドライバーの時間外労働の上限が年960時間に規制されました(出典:国土交通省「トラック運転手の2024年問題について」)。これにより、配達量は変わらないのに使える労働時間は減り、現場の余裕がさらになくなりました。
「問い合わせ対応に時間を使いたくない」という気持ちは、今まで以上に切実になっています。ドライバーが配達中に「今どこですか」と電話を受けても、運転中に対応するのは危険ですし、事務所に転送しても別の担当者の時間を奪うことになります。
② EC市場の拡大で問い合わせ件数が増え続けている
EC(ネット通販)の普及により、個人宛ての宅配便が急増しています。荷物の数が増えれば、当然「届いていない」「時間を変えたい」という問い合わせも増えます。
経済産業省の調査によると、国内EC市場規模は2023年に約23.8兆円に達し、10年前の約3倍の水準になっています(出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)。この波は特に中小の物流会社・運送会社に大きな負荷をかけています。EC事業者側の対応はECサイトのチャットボット活用で整理しています。
③ 問い合わせの多くは「定型的な内容」なのに、人が対応している
物流会社に来る問い合わせの多くは、実は同じ種類の質問の繰り返しです。
- 「今、荷物はどこにありますか?」
- 「再配達の申し込みをしたいのですが」
- 「営業時間内に受け取れないのですが、どうすればいいですか?」
- 「集荷依頼は何時まで受け付けていますか?」
こうした質問は、適切な情報さえあれば自動で回答できます。それでも人が対応し続けているのは、「どう自動化すればいいかわからない」からというケースがほとんどです。
物流会社でチャットボットが使える5つの場面

① 配送状況の確認・照会
「荷物が届かない」「今どこにあるか知りたい」という問い合わせは、物流会社への電話の中で最も多い種類のひとつです。
チャットボットを導入すれば、送り状番号を入力してもらうことで配送管理システムと連携した状況確認、あるいは「本日配達予定です」「現在、営業所に保管しています」といった定型的な情報を自動回答できます。24時間対応できるため、夜間・休日の問い合わせも取りこぼしません。
② 再配達の受付
不在通知を見た顧客が「再配達を依頼したい」と電話してくるケースは多いです。電話口で希望日時を聞き、システムに入力し直す作業は、件数が多いと工数になります。
チャットボットで受付フォームに誘導し、日時選択まで自動化できれば、事務担当者の対応件数を大幅に減らせます。
③ 集荷依頼と料金の目安回答
「荷物を送りたいのですが、集荷してもらえますか?」「料金はどのくらいですか?」という問い合わせも定型化しやすい質問です。
サイズ・重量・配送先の組み合わせによる概算料金の案内、集荷受付時間・エリアの案内などは、あらかじめ情報をデータベース化しておけば自動回答が可能です。
④ サービス案内(時間帯指定・特殊配送ルール)
「午前中指定はできますか?」「冷蔵で送れますか?」「精密機器は扱えますか?」といった問い合わせは、会社ごとに対応内容が異なります。こうした自社サービスに関する案内は、チャットボットが最も得意とする領域です。
一度データベースを整備すれば、新しいスタッフが入ったときの教育コストも下がるという副次効果もあります。
⑤ 社内FAQ(ドライバー・スタッフ向け)
顧客対応だけでなく、社内の問い合わせ対応にも活用できます。「この伝票の書き方は?」「このエリアの担当は?」「今日の積み替え場所は?」など、ドライバーや新入スタッフが運行中・業務中に発生する疑問に社内チャットボットが答えることで、管理職への問い合わせを減らせます。
なぜシナリオ型チャットボットでは物流の問い合わせに対応できないのか
物流特有の「変数の多さ」がシナリオ型を詰まらせる
シナリオ型チャットボットは、あらかじめ「この質問にはこう答える」というフローを設計する仕組みです。決まった質問への回答には強いのですが、物流の問い合わせには「ケースバイケース」の要素が多く含まれます。
たとえば「荷物が届かないのですが」という一文でも、その背景は様々です。「天候不良による遅延」「住所の誤記入」「配達を試みたが不在だった」「倉庫で仕分けエラーが発生した」。こうした背景をすべてシナリオで網羅することは、現実的ではありません。
シナリオに想定されていない質問が来ると「申し訳ありませんが、担当者に確認してください」と答えるしかなくなり、結局電話対応が必要になります。
生成AI型なら「想定外の質問」にも自社情報をもとに答えられる
生成AI型チャットボットは、あらかじめ用意した「自社の情報データベース」をもとに、ユーザーの質問に対してリアルタイムで回答を生成します。シナリオで全問を想定する必要がないため、多少言い回しが違う質問や複合的な質問にも対応できます。
「再配達の申し込みをしたいのですが、今日中に届けてもらうことは可能ですか?」という複合的な質問も、配達エリア・時間帯・対応ルールをデータベースに入れておけば、適切な範囲で回答することができます。
両者の違いはシナリオ型と生成AI型のチャットボットを比較するで詳しく整理しています。
物流業界のチャットボット導入事例
ヤマト運輸:LINEチャットボットで再配達受付を自動化
ヤマト運輸は2018年からLINE連携のチャットボットサービスを本格展開しました。配達予定時間の確認や再配達の受付をLINEで自動処理できるようにしたことで、コールセンターへの入電数を抑えながら顧客利便性を向上させています。
この取り組みの背景には、ネット通販急拡大による宅配便取扱量の増加と、ドライバーの負担軽減という明確な目的がありました。
配送中のドライバーに電話を取らせない構成
再配達の受付や配達時間の変更をAIチャットボットに任せ、ドライバーは運転と配達に専念する構成も広がっています。24時間365日受け付けられるため、営業時間内に電話できないお客さまの取りこぼしも減り、事務所への転送で別の担当者の時間を奪うこともなくなります。
中小物流会社が導入するときのポイント
ヤマト運輸のような大手企業でなくても、チャットボットの導入は現実的です。重要なのは「最初から全部をシステム化しようとしない」ことです。
まず「配送状況の確認」と「再配達の受付」だけに絞って導入し、問い合わせ内容のデータを蓄積してから、次のフェーズ(集荷依頼・料金案内)に広げていく段階的なアプローチが、中小企業では特にうまくいきやすいです。

SHIRITAIが物流会社にもたらす3つの具体的なメリット
SHIRITAIは、自社の商品・サービス情報を学習した生成AIが顧客の質問にリアルタイムで回答するチャットボットシステムです。物流会社にとっては、以下の3点で特に価値を発揮します。
① 「よく聞かれる質問」が自動的に可視化されてサービス改善に活かせる
SHIRITAIはユーザーが入力したすべての質問を記録し、どんな疑問が多いかを可視化します。「配達時間の変更の問い合わせが月50件」「○○エリアへの配達可否の質問が週20件」といったデータが蓄積されることで、Webサイトの案内改善やFAQの整備に活かすことができます。
これは単なる「問い合わせ対応の自動化」を超えた、サービス品質向上のための情報資産です。ログの読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方で詳しく解説しています。
② 複雑な「うちの会社特有の質問」にも対応できる
シナリオ型と異なり、SHIRITAIは会社独自のサービスルール・料金体系・対応エリアをデータベース化することで、「自社ならではの質問」に自然な形で答えることができます。
たとえば「精密機器の取り扱いをしていますか?」「○○地域への当日配送は可能ですか?」「特定の荷主向けの特別料金はありますか?」といった、汎用的なFAQでは対応しきれない問い合わせへの対応力が強みです。
③ ハイブリッド対応で「ここから人が必要」という場面を取りこぼさない
物流の問い合わせの中には、クレームや複雑な調査が必要な案件も含まれます。SHIRITAIには「担当者に確認する」ボタンで有人対応に切り替えるハイブリッド対応が用意されており、AIで答えられない案件を確実に人につなげることができます。
「AIが全部対応してくれる」という過剰な期待ではなく、「定型は自動化して、複雑な案件は人が担う」という分担設計が、物流業界のリアルな課題解決に合っています。
SHIRITAIは月9,800円(ライトプラン)から導入できます。「まずは配送状況案内と再配達受付だけ自動化する」というスモールスタートにも対応しています。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
物流の現場で起きていることを並べます。右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| 配送状況の問い合わせが繰り返し来る | 確認の手順を案内し、個別の話は担当者へ渡す |
| 電話対応で現場の手が止まる | 答えの決まっている質問を先に片づけられる |
| 再配達の受付方法を毎回説明している | 手順を登録しておけば、その場で案内できる |
| 営業時間外の問い合わせを取りこぼす | 時間帯に関係なく一次対応が動く |
| 担当者によって案内が違う | 登録した内容が答えの正本になる |
| 個別の荷物情報まで自動で返るのが不安 | 人が受ける条件をあらかじめ設定できる |
| 料金やサイズの条件を何度も説明している | 条件と例外を登録して組み合わせて返せる |
| 何を聞かれているか把握できていない | 実際に来た質問が利用履歴に残る |
| 繁忙期に問い合わせが集中する | 同時に何件来ても一次対応は動く |
| 導入に手間を割けない | 発行されたコードを貼るだけで置ける |
全部を一度にやる必要はありません。配送状況の確認方法・再配達の手順・料金とサイズの条件から登録するのが効きます。
よくある質問
配送状況を自動で回答できますか?
個別の荷物の状況は扱わせず、確認する手順を案内する形にしておくほうが安全です。追跡番号の調べ方や、問い合わせ先を伝えるところまでを任せてください。
再配達の受付までできますか?
手順の案内までは任せられます。受付そのものは既存の仕組みへ案内する形にしておくと、二重管理になりません。
繁忙期に集中しても大丈夫ですか?
同時に何件来ても一次対応は動きます。人手が足りない時期ほど、効果が見えやすいところです。
ドライバーからの社内問い合わせにも使えますか?
使えます。手順や規程の確認は、社外向けと同じ形で任せられます。社外向けとは窓口を分けて、内容も分けて登録してください。
何から登録すればいいですか?
配送状況の確認方法、再配達の手順、料金とサイズの条件、営業時間。この4つが定番です。
まとめ:物流会社がチャットボットを導入するなら、まず「配送状況確認」から
物流会社の問い合わせ対応が限界に来ている根本には、「定型的な問い合わせに人手をかけ続けている」という構造があります。チャットボットで自動化できる問い合わせを整理してみると、配送状況確認・再配達受付・集荷案内・サービス説明の多くが対象になります。
ただし、シナリオ型では物流特有の「変数の多い質問」に対応しきれないため、生成AI型が適しています。最初から全部を自動化しようとせず、「配送状況確認」という最も問い合わせが多い領域から始め、データが蓄積されたら範囲を広げていくアプローチが現実的です。
2024年問題でドライバー不足が続く物流業界において、問い合わせ対応の自動化は「あればいいもの」ではなく、「なければ回らない」インフラになりつつあります。
AIチャットボット「SHIRITAI」は、物流・運送会社の複雑なサービス情報にも対応する商品データベース×生成AIの仕組みで、問い合わせ対応の負荷を減らしながら、顧客満足度の向上にも貢献します。無料トライアルで、自社の配送ルールを登録した回答を試してみてください。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。