業界別の活用 2026.07.19

自治体のチャットボット導入|市役所・役場の窓口と電話をどう減らすか

自治体のチャットボット導入|市役所・役場の窓口と電話をどう減らすか

自治体のチャットボットとは、住民からの問い合わせを窓口や電話の手前で受け止める案内役のことです。置き場所は住民向けのサイトだけとは限らず、職員が制度を確かめる庁内側にも置けます。どちらに置くにしても、答えの決まっている質問をどれだけ先に並べられるかで手応えは変わると思います。

住民への公開を先に決めているなら、質問が六つに分かれるところと、制度が変わるたびに手が入る話から。庁内で小さく始めるつもりなら、三段階の進め方と、単年度の予算や仕様書の組み立て方のほうが先に要るはずです。

自治体窓口が「問い合わせの渦」に飲み込まれている理由

「同じことを毎日10回聞かれる」。自治体の窓口や電話担当者が口をそろえて言う言葉です。

住民からの問い合わせの大半は、実はパターンが決まっています。ごみの分別方法、子育て給付金の申請書類、転入手続きの流れ、休日診療の案内。これらは毎年同じ季節に大量に届き、担当者が1件1件丁寧に対応するしかない構造になっています。

背景にあるのは二つの構造的な問題です。

職員は増やせないのに問い合わせは増える

総務省が全国1,788の都道府県・市区町村を対象に行った「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」(令和6年12月31日時点、全団体から回答)では、AIを導入済みの団体は都道府県・指定都市で100%に達した一方、その他の市区町村では58%にとどまっています。住民に最も近い基礎自治体の4割強が、いまも対応の大半を職員が手で担っている計算です。

少子高齢化で住民1人当たりの行政サービスのニーズは増加傾向にありますが、財政制約から職員数を大幅に増やすことは難しい。このギャップを埋めるための手段として、チャットボット導入が急速に注目されています。

年度替わりの「問い合わせ洪水」に毎年疲弊する

特に4月と10月は、制度変更や申請期限が重なり、問い合わせ件数が年間ピークを迎えます。電話が鳴り止まない中、複数の担当者が同じ説明を繰り返す。このような状況を毎年繰り返しながら、デジタル化が進まない原因の一つが「どこから手をつければいいかわからない」という担当者の迷いです。

チャットボットはその「最初の一手」として機能する可能性があります。ただし、導入の仕方を間違えると「維持コストばかりかかって誰も使わない」という結果になりかねません。本記事では、成功している自治体の共通点から、失敗しない設計の考え方を整理します。

自治体のチャットボットとは、どこに置かれる何なのか

自治体のチャットボットは、市役所や役場に寄せられる問い合わせのうち、答えが決まっているものを、ホームページやLINEの上で自動的に返す仕組みです。窓口や電話をなくすものではなく、その手前に一次対応の受け口をもう一つ作るものと考えると、役割を見誤らずに済みます。

置かれる場所は、おおむね次の4つに分かれます。

置く場所 受ける相手 向いている内容
市区町村のホームページ 住民全般 ごみ、証明書、手続きの持ち物と受付時間
LINE公式アカウント 子育て世代、働く世代 収集日、申請の時期、健診の案内
庁内のチャットツール 職員 要綱の照会、様式の場所、事務の手順
各課の専用ページ その手続きを調べに来た人 分野を絞った案内

役所の中で「チャットボットを入れる」と言うと、住民向けにホームページへ置く話だと受け取られがちです。ただ、先に効いたのは庁内向けだったという話もよく聞きます。窓口に立つ職員が調べ物に使う時間が減ると、その分だけ来庁した住民を待たせずに済むからです。

どこに置くかを決める前に、そもそも何を聞かれているのかを見ておくほうが、順番としては早いはずです。

チャットボットで自治体が変えられること(主な活用用途)

自治体でのチャットボット活用は、大きく3つの用途に分けられます。それぞれに向いている設計と注意点が異なります。

自治体チャットボットの3つの使いどころ:住民向け24時間FAQ対応、庁内向け職員ヘルプデスク、防災・インバウンド対応

住民向け:24時間FAQ対応で電話を減らす

最も多い用途が、住民からの問い合わせを自動で一次対応することです。ホームページやLINE公式アカウントにチャットボットを設置し、ごみ分別、行政手続き、子育て情報、医療案内などに答える仕組みを構築します。

24時間365日対応できる点が最大のメリットです。働く世代は平日昼間に電話できないため、夜間や休日にアクセスするケースが多くなります。後述する総務省の調査でも、閉庁時間帯の利用が半分近くを占めるという報告が出ています。住民の「知りたいタイミング」で情報を届けられることの価値は、思っているより大きいはずです。

予約や受付の自動化は予約対応と返信の自動化で詳しく解説しています。

庁内向け:ベテラン職員の知識を組織の財産にする

住民向けとは別に、職員間の問い合わせ対応にもチャットボットを活用する自治体が増えています。新任職員や異動者が「あの手続きってどうやるんだっけ?」と経験者に聞く場面は日常的です。この非公式な知識共有をデジタル化することで、ベテラン職員の負担を減らし、異動や退職による知識の散逸を防げます。

特に重要なのが「属人化の解消」です。担当者が異動すると引き継ぎが不十分になりがちな行政業務ですが、日常的な問い合わせへの回答をチャットボットが担うことで、組織の知識資産として蓄積できます。

庁内向けの設計は社内FAQをAIチャットボットで自動化するが参考になります。

職員だけが使える形にする設定は社内モードにまとめてあります。

防災・インバウンド:緊急時と多言語対応

災害発生時は「避難所はどこか」「道路は通れるか」という問い合わせが電話に殺到します。このような非常時に職員が個別対応するのは現実的ではなく、チャットボットによる情報案内が住民の命を守る手段として機能します。

また、訪日外国人の増加を背景にインバウンド対応にチャットボットを活用する自治体も増えています。観光案内、交通手段、周辺情報を多言語で提供することで、外国人住民や観光客の満足度向上に寄与します。

住民から来る質問は、だいたい6つに分かれる

設計に入る前に、そもそも何を聞かれているのかを分けておくと、どこから手をつけるかで迷わなくなります。窓口と電話に来る内容を並べると、おおむね次の6つに収まります。

住民から来る問い合わせの6つの分類と、自動応答との相性

分類 よく来る質問 自動応答との相性
ごみ・環境 この品目は何ごみか、収集日、粗大ごみの申込み 非常に良い。答えが一意に決まる
手続き・証明 転入転出、印鑑登録、必要な持ち物、受付時間 良い。持ち物の抜けを防げる
税・保険料 納付方法、口座振替、軽減の対象、証明書の取り方 制度の入口までは良い。個別の税額計算は人へ
子育て・教育 保育所の申込み、児童手当、就学の手続き、乳幼児健診 良い。申請時期の案内が効く
福祉・介護 認定の流れ、相談窓口、サービスの種類 入口の整理までは良い。判断は人が受ける
防災・緊急 避難所の場所、ハザードマップ、通行止め 平常時は良い。発災時は情報の鮮度が命

上から2つは、答えが一つに決まるので自動化の効きがいちばん分かりやすい領域です。一方で税・福祉は、制度の説明までは任せられても、その人の事情に応じた判断は職員が受け取る前提で組む必要があります。全部を一度に載せようとせず、答えが一意に決まるものから公開するほうが、住民の信頼を落とさずに進められます。

在住外国人への案内は、負担の割に手が回っていない

もう一つ、件数は多くないのに手間が大きいのが、日本語を母語としない住民への対応です。ごみの分別も、国民健康保険の手続きも、制度そのものが日本独特なので、翻訳するだけでは伝わりません。窓口では通訳の手配や身振りでしのいでいる自治体も多いはずです。

多言語での一次案内は、チャットボットが構造的に得意な部分です。考え方はインバウンドのチャット対応にまとめています。

目的の側から見たい場合は、目的別にまとめた海外・訪日のお客様に対応したいのページで、どの機能を組み合わせるかを確かめられます。

数字で見る:導入した自治体の変化

「本当に効果があるの?」という疑問に対しては、まず全国調査の数字が参考になります。前に触れた総務省の調査(令和6年12月31日時点)では、機能別のAI導入件数として「チャットボットによる応答」は374件が報告されています。音声認識879件、文字認識622件に次ぐ3番目の多さです。

内訳を見ると、都道府県50件・指定都市17件に対して、その他の市区町村が307件。都道府県と指定都市は横ばいから微減で、伸びているのは市区町村(令和4年度268件→令和6年度307件)です。規模の大きい自治体が一巡し、住民に近い基礎自治体へ広がっている段階だと読めます。

同じ調査には、導入した自治体からの報告も載っています。人口6.7万人規模の自治体では、導入後1か月あたり約360件のアクセスがあり約910件の質問に回答、そのうち閉庁時間帯の利用が約48%。人口8.3万人規模では1か月平均970件の問い合わせがあり、18時から翌8時の利用が約4割と報告されています。半分近くが、窓口が開いていない時間に使われている計算です。

人口11.6万人規模の自治体からは、1年間で13,364件の問い合わせをチャットボットが受け、電話なら1件5分かかるところが職員側で66,820分に相当する対応時間になった、という報告も出ています。時間に直すと1,100時間ほどです。

この数字から読み取れること

閉庁時間帯の利用が半分近くを占めるという点は、単に「夜も対応できて便利」という話にとどまりません。これまで窓口が開いていないという理由で聞かれていなかった質問が、そこにあったということです。電話が減るかどうかより、こちらのほうが大きい変化かもしれません。

もう一つ、AIだけで完結させようとしないことが条件になります。答えられなかった住民の不満は、そのまま窓口に返ってきます。一次対応をチャットボットが受け、解決できないものは職員へなめらかに渡す。この設計を最初から前提に置いておくほうが、結果として住民の納得は得られやすいはずです。

市役所の窓口と電話、先に軽くなるのはどちらか

導入の目的として挙がるのは、たいてい「電話を減らす」です。ただ、実際に先に変わるのは電話の本数ではなく、窓口で同じ説明を繰り返す回数のほうだったりします。

来庁する人と電話をかける人とで、困っている中身が違うためです。窓口に来る人はすでに手続きをする気で来ていて、その場で聞くのは「何を持ってくればよかったのか」。ここは来る前に答えが届いていれば、二度手間そのものが起きません。

減らしたいもの 効き方 先に登録するもの
窓口での説明の繰り返し 早い。来庁前に持ち物が揃う 必要書類、受付時間、担当課の場所
日中の電話 やや遅い。知られるほど効いてくる 収集日、証明書の取り方、申請の期限
閉庁後に返せていない質問 置いた日から効く よく来る質問の一次案内
職員どうしの照会 早い。異動の時期に差が出る 要綱の要点、様式の場所、事務の手順

3つ目は、いま数として見えていない部分です。前に触れた総務省の調査でも、閉庁時間帯の利用が半分近くを占めるという報告が出ていました。役所が開いていない時間に生まれていた疑問は、これまで統計に載りようがなかったわけです。電話が減ったかどうかだけで効果を測ると、いちばん大きい変化を見落とします

町村役場のように職員数が限られる規模ほど、庁内向けから始める意味は大きくなります。ひとりが複数の分野を抱えていると、調べ物にかかる時間がそのまま住民の待ち時間になるからです。

シナリオ型チャットボットが自治体でうまくいかない本当の理由

チャットボットには「シナリオ型(ルールベース型)」と「AI型(生成AI型)」の二種類があります。現在自治体がシナリオ型から生成AI型への移行を進めている理由を理解しておく必要があります。

制度変更のたびにシナリオ更新が必要になる

シナリオ型チャットボットは、「このキーワードが来たらこの回答を返す」という事前設定に従って動きます。自治体では毎年のように制度改正や手続き変更が発生します。そのたびにシナリオを更新しなければ、誤った情報を住民に案内することになります。

この更新作業が担当者の大きな負担になります。担当者が替わると更新が滞り、古い情報のまま運用されるケースも珍しくありません。「チャットボットを入れたものの誰も使わなくなった」という失敗の多くは、このメンテナンス問題に起因しています。

失敗のパターンはチャットボット導入の失敗事例から考えるで詳しく整理しています。

想定外の質問に詰まるストレスが住民を遠ざける

シナリオ型は「あらかじめ想定した質問」には答えられますが、少し言い方が変わるだけで「ご質問の意図が理解できませんでした」と返すことになります。住民の言葉は多様で、同じことを尋ねるのに100通りの言い方があります。

このような体験を一度でもすると、「このチャットボットは使えない」という印象が定着し、結果的に電話問い合わせに戻ってしまいます。チャットボット導入の目的が電話を減らすことだとすると、本末転倒な結果です。

生成AI型が選ばれる理由:「知識のデータベース化」が鍵

生成AI型チャットボットが自治体で導入が広がりつつある理由は、「知識をデータベース化すれば、AIが文脈を読んで回答を生成できる」という仕組みにあります。

FAQではなく「知識」を入れる発想

従来のFAQ型チャットボットは、「質問→回答」のペアを大量に用意する必要がありました。しかし生成AI型は、行政のナレッジ(制度の概要、手続きの流れ、よくある誤解など)をまとめた文書をデータベースとして読み込ませ、住民の質問に応じてAIが適切な回答を生成します。

つまり、担当者が持っている知識を整理してデータベースに入力するだけで、AIがそこから回答を組み立てます。FAQ一問一答を何百件も用意する必要はなく、既存の資料やWebページの情報をそのまま活用できるため、導入・維持の工数が大幅に下がります。

商品知識×生成AI の発想を行政ナレッジに応用する

企業向けチャットボットの分野では、自社の商品情報や仕様書をデータベース化して生成AIに学習させ、顧客の問い合わせに自動で答えるやり方がすでに実績を積んでいます。

たとえばSHIRITAIは、企業の商品データベースをもとに生成AIがリアルタイムで回答する設計です。導入した総合病院では、月300〜400件の問い合わせのうち約47.5%がAIだけで完結しています。画像・動画・地図などを組み合わせた回答もできるため、FAQページへの誘導ではなく「その場で解決する」体験を提供できます。

この設計思想は自治体にもそのまま応用できます。商品情報のデータベースを、行政の制度説明・手続きフローに置き換えるだけです。生成AI型チャットボットでは「言い方が違っても意図を汲み取れる」ため、住民が入力した文章がFAQのキーワードと完全一致しなくても、文脈から意味を読んで的確な回答を出せます。

なお、生成AIは誤回答リスクがゼロではないため、有人への切り替え機能(担当者に転送するハイブリッド対応)をセットで設計することが重要です。「AIが一次対応し、解決できない場合は担当者が引き継ぐ」という流れを最初から組み込んでおくことで、住民への情報品質を担保できます。

SHIRITAIならこんなことができる

ここまでの考え方を、実際の画面で確かめてみます。生成AI型チャットボットのSHIRITAI(シリタイ)を例に、自治体の窓口対応がどう変わるのかを具体的に見ていきましょう。

住民からよく来る問い合わせは、「ごみ分別・収集日」「各種手続きの案内」「子育て・くらしの質問」といった、いくつかの型に落ち着きます。やることは二つです。まず、この定型の問い合わせを内容ごとに分類して整理する。そのうえで、住民が入力した質問にAIがその場で答える。これで、窓口が開いていない夜間や休日も含めて、一次対応が自動で回るようになります。

自治体でSHIRITAIができること

問い合わせを内容ごとに分類して整理する

SHIRITAIには、登録した情報をカテゴリーで分類して管理するしくみが用意されています。行政のナレッジなら「ごみ・収集」「各種手続き」「子育て・くらし」といった住民の関心ごとに沿って束ねておくと、どの分野の情報が揃っていて、どこが手薄かをひと目で見渡せます。制度改正で内容が変わったときも、関係するカテゴリーだけを開いて直せば済みます。

SHIRITAIのカテゴリー管理画面。ナレッジを「料金・配送」「商品について」などに分類する

この整理をしておくと、担当者が持っている知識を「質問と回答のペア」に一つずつ作り込まなくても、既存の資料やWebページの文章をそのまま束ねて登録するだけで運用を始められます。FAQを何百件も書き起こす負担がかからないところが、生成AI型の身軽さです。

住民の質問に、24時間その場で答える

あとは、住民が自分の言葉で入力した質問に、AIが登録済みの情報の範囲で回答を組み立てます。「粗大ごみを出したい」「引っ越しのとき何の手続きが要る」「児童手当の申請はいつまで」。こうした問いは言い方が人それぞれですが、FAQのキーワードと文字が一致しなくても、文脈から意味を汲んで答えます。

SHIRITAIのチャット画面。自己紹介ボットが、教えた情報だけをもとに質問へ回答している例

この一次対応は、窓口が閉まっている夜間や休日でも止まりません。働く世代がゆっくり調べたくなるのはむしろ平日昼間以外の時間帯なので、「知りたいと思ったその場で答えが返る」状態を用意しておく意味は大きいはずです。もちろんAIだけで解決しきれない相談も出てきます。そのときは担当者へ引き継ぐ設計にしておけば、対応の品質を保ったまま自動化を進められます。渡しどきの考え方はAIチャットボットの有人切替(ハイブリッド対応)をうまく設計する方法で整理しています。

失敗しない導入の3ステップ

「他の自治体の事例は大規模すぎて参考にならない」という声をよく聞きます。しかし成功事例の共通点は規模の大きさではなく、導入の進め方にあります。

失敗しない導入の3ステップ:庁内向けから始める、3か月改善を回す、住民向けに公開する

Step1: まず社内向けから始める

住民に公開する前に、まず庁内の職員向けヘルプデスクとしてチャットボットを運用することを推奨します。

職員が「使い方がわからない」「この手続きはどの部署に聞けばいいか」といった内部問い合わせに答えるシステムとして始めれば、FAQデータの精度をテストしながら改善できます。回答が不正確でも直接住民に影響しないため、試行錯誤のコストが低い。

庁内で回答の精度を確かめてから住民向けに開く、という順番は、単一の分野で先に実証してから全庁に広げる進め方とも相性がいいはずです。

Step2: 小さく始めて3か月で改善サイクルを回す

「完璧なデータが揃ってから公開しよう」と考えると、いつまでも公開できません。最初は答えられない質問が多く出ても、運用しながら足していくほうが、結果的に早く使える状態になります。

やることは単純で、週に一度、答えられなかった質問を見て、足りない回答を追加するだけです。この作業を担当者ひとりの善意に任せず、業務として時間を確保しておけるかどうかが、半年後の差になります。「導入して終わり」ではなく「改善し続ける仕組み」を先に決めておいてください。

Step3: 住民に公開する前にUXを検証する

どれだけ正確な情報を入れても、使いにくければ住民は使いません。スマートフォンで操作してみて「3タップ以内に答えにたどり着けるか」を確認してください。

特に高齢者は、文字が小さすぎる・ボタンが見つからない・言葉が難しいといった理由でデジタルツールを諦めます。音声入力対応、フォントサイズの柔軟性、難解な行政用語の言い換えといった配慮が、利用率を大きく左右します。

自治体の困りごと別|SHIRITAIで解決できること10

抽象的な話が続いたので、窓口でよく聞く困りごとを並べて、それぞれSHIRITAIでどう受けられるかを具体的に書き出します。

いま起きていること SHIRITAIでできること
「これは何ごみですか」の電話が毎日かかってくる 分別の一覧をナレッジに登録しておけば、品目名を入力するだけでその場で回答が返る
転入・転出の持ち物を毎回口頭で説明している 手続きごとに必要書類を登録。案内図やページへのリンクも一緒に返せる
制度改正のたびに案内文を直すのが重い カテゴリーから該当箇所を開いて書き換えるだけ。シナリオ分岐の作り直しは要らない
閉庁後の問い合わせが翌朝に溜まっている 夜間・休日もその場で一次回答。翌日の折り返し件数が減る
「どの課に聞けばいいか」でたらい回しになる 担当窓口を登録しておけば、内容から窓口と連絡先を先に案内できる
職員が制度の細かい点をベテランに聞きに行く 庁内向けのボットを別に作れる。ChatWorkやSlackに置いて職員だけが使う形にできる
日本語が母語でない住民への案内に時間がかかる 多言語での一次案内に対応。制度の入口までを自動で案内する
何を聞かれているのか、そもそも把握できていない 実際に来た質問が利用履歴にそのまま残る。要望の傾向が数字で見える
AIが根拠のないことを答えないか不安 登録した情報の範囲だけで回答する設計。教えていないことは窓口へ案内する
判断が要る相談まで自動化してしまいそう 「担当者に聞く」から職員が会話の続きを引き継げる。やり取りの経緯も残る

全部を最初からやる必要はありません。上の2つだけでも、件数の多い電話はかなり減るはずです。

予算と調達をどう組み立てるか

民間企業と自治体で最も違うのが、ここです。使ってみて良ければ広げる、という進め方が制度上とりにくいので、最初の組み立てで後の自由度が決まります。

単年度でいくら要るのかを、先に固める

チャットボットは導入して終わりではなく、毎年の運用費がかかります。当初予算に載せるときは、初年度の構築だけでなく、翌年度以降の月額と、回答を直す職員の手間まで含めて説明しておくほうが後で困りません。2年目に予算がつかず止まったという話は、実際にときどき聞きます。

仕様書に「答えられなかった質問が見られること」を入れる

機能一覧の比較で見落とされがちですが、運用を続けられるかどうかは、この一点にかかっています。何を聞かれて、何に答えられなかったのかが一覧で見られないと、直しようがありません。逆にここさえ押さえておけば、担当が異動しても引き継げます。

仕様書に書き込む前に画面を見ておきたい場合は、アナリティクスで何が数字として残るのかを確かめられます。

小さい範囲で実証してから広げる

ごみ分別だけ、子育て手続きだけ、といった単一分野で先に実証を通し、効果を数字で示してから全庁に広げる進め方は、予算の説明としても通しやすいはずです。前述の総務省調査でも、市区町村への広がりが続いているのはこの段階の積み上げによるものと見られます。

SHIRITAIならこんなことができる(庁内の使い方)

住民向けの話が中心になりましたが、職員向けの窓口として使う場合の画面も見ておきます。制度の照会や手続きの確認は、部署をまたいで同じことが繰り返し聞かれる典型です。

SHIRITAIのナレッジ管理画面。返品・交換/送料/営業時間などの質問と回答が一覧で並ぶ

要綱や手引きから、聞かれることの多い項目を質問と答えの形にして登録しておきます。制度が変わったら、この画面で該当箇所を直せば回答に反映されます。異動が定期的にある組織では、ベテラン職員の記憶に頼っていた部分を、追える形に移しておけることのほうが、電話が減ることより効くかもしれません。

ChatWorkやSlackを使っている庁内であれば、そちらに置くこともできます。職員が普段開いている場所に置いたほうが使われるという点は、住民向けにLINEを選ぶのと同じ理屈です。

SHIRITAIのシステム連携画面。LINE・ChatWork・Slackと接続する

よくある質問

手続きの案内をどこまで任せられますか?

窓口の場所、受付時間、必要書類、申請の流れといった公開されている事実は任せられます。個別の資格判定や金額の決定は、担当窓口へつなぐ形にしてください。

住民の個人情報を扱っても大丈夫ですか?

個人情報を扱わせない設計にしておくことをおすすめします。登録するのは、誰に見られても問題のない案内だけにしてください。

高齢の方でも使えますか?

文字入力に慣れていない方もいるので、電話や窓口をなくす前提にはしないでください。目的は来庁や電話をせずに済む方が増えることです。

制度が変わったときの更新は?

制度を所管する部署ごとに登録内容の担当を分けておくと、改正のたびに更新できます。一箇所に集めると更新が止まります。

何から登録すればいいですか?

問い合わせの多い手続き(証明書の発行、転入・転出、各種申請)の受付時間・必要書類・窓口。この3点セットから始めるのが効きます。

市役所のホームページとLINE、どちらに置くのがいいですか?

住民が普段開いている場所を選ぶほうが使われます。収集日や子育ての情報のように繰り返し確かめるものはLINE、手続きを調べに来る人が多い内容はホームページ、という分け方が現実的です。両方に置いて、同じ登録内容から答えさせることもできます。

小さな町村でも導入できますか?

規模の大きい自治体から先に広がって、いまは市区町村へ広がっている段階です。職員数が限られる役場ほど、まず庁内向けに1つ置いて要綱の照会を受けさせるところから始めると、負担が小さく済みます。

予算はどれくらい見ておけばいいですか?

当初予算に載せるときは、初年度だけでなく翌年度以降の月額と、回答を直す職員の手間まで含めて説明しておくと後で困りません。SHIRITAIには月額9,800円からのプランが用意されています。

まとめ

自治体でのチャットボット導入は、「大きな予算をかけて一気に全庁展開する」必要はありません。

重要なのは次の3点です。

シナリオ型ではなく生成AI型を選ぶ。制度変更に強く、想定外の質問にも対応できる設計が自治体に向いています。

まず社内向けから始める。庁内ヘルプデスクとしてデータを育て、精度が上がってから住民向けに展開する段階的な進め方が失敗を防ぎます。

ハイブリッド対応(AI×有人)を最初から設計する。AIだけで完結させようとせず、解決できない問い合わせは担当者が引き継ぐ流れを組み込むことで、住民満足度を維持しながら業務効率化を進められます。

自治体のDX担当者が「どこから始めればいいかわからない」と感じているなら、まず「庁内で最も電話対応に時間を取られている部署」を特定するところから始めてください。そこにチャットボットを一本入れて、3か月改善を続ける。それが現実的な最初の一歩です。問い合わせの主体が多い点で構造が近い教育機関のチャットボット導入も、公共系の設計の参考になります。

導入全般の費用対効果はチャットボット導入の費用対効果を正しく試算するも参考になります。

SHIRITAIの無料トライアルでは、実際の行政ナレッジを登録して回答の質を確かめられます。

SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。

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