チャットボットは使えない、と感じる理由|3つの正体と乗り越え方
チャットボットが使えないという声は、使われていない、答えても解決していない、続かなくなったの3つに分かれます。作りそのものを見直す必要があるのは2つ目だけで、あとの2つは出し方と日々の手入れで戻せる範囲です。
そもそも窓が開かれていないなら、置き場所と出し方のところから。答えは返っているのに問い合わせが減らないなら、答えられる幅がどう決まっているかのあたりが近いはずです。入れ替えを社内で言い出す前に、いまのままで直せる範囲にも触れています。
「使えない」と言われるとき、何が起きているか
費用をかけてチャットボットを入れたのに、問い合わせが減らない。お客さまは相変わらず電話をかけてくる。むしろ「聞いても分からなかった」という不満が増えた気がする。
こういう相談は珍しくありません。そして、たいてい「チャットボットは役に立たない」という結論に向かいます。
ただ、実際に何が起きているかを分解してみると、道具そのものというより、任せた範囲と道具の作りが合っていないことがほとんどです。ここを見ずに入れ替えても、同じことが起きます。

「使えない」と感じる3つの型
① そもそも使われていない
設置はしたが、誰も触っていない状態です。サイトの目立たない場所にあって気づかれない、ボタンが小さくて先に電話番号が目に入る、といった理由です。
これは道具の性能の話ではありません。置き場所を変えるだけで動き出すことも多いので、まず利用回数を見てください。ゼロに近いなら、この型です。
置き場所として効きにくいのが、よくある質問ページの下や、会社概要のような読み物のページです。そこまでたどり着ける人は、たいてい自力で答えを見つけています。逆に効くのは、料金ページと商品・サービスの詳細ページ、それと問い合わせフォームの手前です。迷っている本人がいる場所に置く、というだけの話だと思います。
② 答えてはいるが、解決していない
いちばん多いのがこれです。お客さまは質問しているのに、返ってくるのが「お電話でお問い合わせください」「担当者にご確認ください」で終わる。
お客さまから見ると、手間をかけたのに何も解決しなかったことになります。その不満を抱えたまま電話がかかってくるので、受ける側の負担は減るどころか、対応が難しくなります。
会社側も「チャットボットがあるのに問い合わせが減らない」という状態が続きます。費用だけがかかって業務は変わらない。ここまで来ると「役に立たない」という判断になるのは自然です。
③ 最初は動いていたが、だんだん使われなくなった
導入直後は使われていたのに、半年後には誰も開かない。原因はたいてい情報の古さです。
料金を改定したのに登録内容が古いまま、商品の仕様が変わったのに直っていない。お客さまは一度でも間違った答えを受け取ると、次から使いません。担当者が更新に手を回せず、そのまま放置される、という流れです。
①と③は運用で直る。問題は②
3つのうち、①は置き場所、③は更新の担当を決めることで手当てできます。どちらも仕組みの問題ではありません。
厄介なのは②です。ここは選んだ道具の作りそのものから来ていることが多く、運用の工夫では埋まりません。
「答えられる幅」がどう決まっているか
あらかじめ用意した選択肢や質問文をたどるシナリオ型は、登録していない聞かれ方に反応できません。「料金を教えてください」は答えられても、「これいくらですか」で止まる、ということが起こります。

お客さまの聞き方は、こちらが用意した文と一致しません。条件がついていたり、2つのことを一度に聞かれたり、そもそも用語が違ったりします。このずれの大きさが、そのまま「使えない」と言われる頻度になります。
商品やサービスが増えるほど、枝を足す作業も重くなります。更新が追いつかなくなった時点で、③の状態にも入っていきます。この行き詰まり方はチャットボット導入の失敗事例から考えるでも扱っています。
言い回しの数だけ登録する、という発想をやめる
同じことを聞いているのに言い方が違う例を並べると、感覚がつかめると思います。
| 聞きたいこと | 実際に届く言い回し |
|---|---|
| 料金 | いくらですか/費用はどれくらい/月額は/予算感を知りたい |
| 納期 | いつ届く/どれくらいかかる/急ぎでもいける? |
| 対応範囲 | うちの地域は対象?/県外でも来てもらえますか |
右の列を全部先回りして登録するのは、現実的ではありません。答えを1つ用意して、意味で拾ってもらう作りかどうかが、②が起きるかどうかの分かれ目です。型の違いそのものはシナリオ型と生成AI型のチャットボットを比較するに整理してあります。
入れ替える前に、いまのままで直せるところ
②に当たっていたとしても、すぐ入れ替えという話にはなりません。先に確かめておくと判断が早くなることを並べます。
| 確かめること | 何が分かるか |
|---|---|
| 1か月の利用回数 | ゼロに近ければ①。置き場所の問題で、道具は関係ない |
| 答えられなかった質問の一覧 | 件数と中身。ここが空なら、そもそも使われていない |
| 答えられなかった質問の性質 | 登録漏れなのか、聞かれ方のずれなのか。前者なら足せば直る |
| 最後に登録内容を更新した日 | 半年以上前なら③。まず更新してから評価する |
| 人へ渡る道があるか | 無ければ、不満がそのまま電話に流れている |
この5つを見ると、たいてい「道具を変えるべきか、運用を直すべきか」がはっきりします。調べずに入れ替えると、同じ理由でまた使われなくなります。
社内で「使えない」という評価が固まる前に
もうひとつ、実務で効くことがあります。社内の評価は、最初の1か月でほぼ決まります。
公開直後に「聞いても答えない」という体験をした人は、その後まず使いません。お客さまも同じです。だからこそ、公開前によく届く質問の上位20件を登録して、実際に投げてみる時間を取るほうがよいと思います。ここを飛ばして公開すると、①と②が同時に起きます。
すでに評価が固まってしまっている場合は、直したうえで「変わりました」と伝え直す手間が要ります。黙って改善しても、一度離れた人は戻ってきません。
SHIRITAIでは、どう受けるか
1. 登録した内容から、言い方が違っても答える
SHIRITAIは、登録した内容をもとに答えます。質問文を先に用意しておくのではなく、答えの元になる情報を登録しておく形です。

そのぶん、教えていないことは推測で答えません。ここは意図的な作りです。②の裏返しとして、知らないことをそれらしく答える窓口は、もっと厄介な問題を起こします。
2. 答えられないときの行き先を用意する
すべてを自動で終わらせる必要はありません。むしろ、答えきれない相談が来たときに「電話してください」で突き放さないことのほうが大事だと思います。

お客さま側から担当者を呼べるようにしておけば、会話の続きから人が入れます。同じ説明をもう一度させずに済むので、②の不満はここでかなり止まります。渡し方の設計はAIチャットボットの有人切替(ハイブリッド対応)をうまく設計する方法で詳しく書いています。
3. 「答えられなかった質問」を見て、埋めていく
最初から全部に答えられる状態にはなりません。大事なのは、どこで詰まったかが記録に残ることです。

ここに並ぶ質問が、そのまま次に登録すべき内容になります。月に一度見るだけで、②の発生率は目に見えて下がります。読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方にまとめました。
こんな質問に、こう答えます
「使えない」と言われがちな聞かれ方と、実際に返る答えの例です。
条件つきの質問。登録した内容:料金は利用人数と機能で変わる。基本プランは月額制
3人くらいで使いたいんですけど、いくらになりますか
ご利用人数と必要な機能によって金額が変わります。3名でお使いの場合、基本プランの範囲に収まることが多いです。どのような使い方を想定されているかをお聞かせいただければ、目安をご案内できます。詳しい金額は担当者からお伝えします。
2つのことを一度に聞かれる例
返品って何日以内ですか?あと送料はこっち持ちですか
ご返品は商品到着後8日以内、未使用のものが対象です。返送の送料はお客さまのご負担となりますが、商品に不良があった場合は当社が負担いたします。
答えられないときに、突き放さない例
去年の注文と同じ内容で追加したいんですが
過去のご注文内容は、こちらでは確認ができません。担当者におつなぎしますので、差し支えなければ会社名とおおよその時期をお聞かせください。そのままお調べしてご連絡いたします。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左が「使えない」と感じている状態、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| 聞き方が少し違うだけで答えられない | 登録した内容から、意味で拾って答える |
| 「電話してください」で終わってしまう | 担当者を呼ぶ導線を用意し、会話の続きから引き継ぐ |
| 条件つきの質問に答えられない | 登録した条件を組み合わせて返せる |
| 2つ聞かれると片方しか返らない | まとめて聞かれた内容に、まとめて答える |
| 情報が古いまま放置されている | 登録内容を直せば、関連する答えも変わる |
| 更新の担当が決まっていない | 情報を持っている部署ごとに分担できる |
| 設置場所が悪くて気づかれない | コードを貼るだけなので、置き場所を変えて試せる |
| どこで詰まったのか分からない | 答えられなかった質問が利用履歴に残る |
| 知らないことを適当に答えられるのが怖い | 教えていないことは推測で答えない |
| 入れ替えても同じことになりそう | 2週間の無料トライアルで、自社の質問を投げて確かめられる |
全部を一度にやる必要はありません。いま詰まっている質問を3つ書き出して、それが返るかどうかを試すところからで足ります。
よくある質問
いま使っているチャットボットを、入れ替えるべきでしょうか?
まず、どの型で困っているかを見てください。使われていない(①)なら置き場所、放置されている(③)なら更新の担当を決めるほうが先です。入れ替えが要るのは、答えられる幅が足りていない(②)場合です。利用履歴に「答えられなかった質問」が並んでいるなら、そこが判断材料になります。
シナリオ型は選んではいけないのですか?
そんなことはありません。聞かれることが数種類に決まっていて、しばらく変わらないのであれば、シナリオ型のほうが分かりやすく作れます。合わなくなるのは、商品が増えたときと、条件つきの質問が多いときです。自社がどちらかを先に見てください。
生成AIだと、嘘を答えてしまいませんか?
汎用のAIをそのまま使うと、その心配はあります。SHIRITAIは登録した内容の範囲で答える作りなので、教えていないことを推測では答えません。仕組みはRAGチャットボットとは?非エンジニアでもわかる仕組みと、中小企業での現実的な活用法で、専門知識なしで読める形に整理しています。
問い合わせ件数は本当に減りますか?
チャットを含めた総数は、たいてい増えます。電話するほどではないと諦められていた質問が表に出てくるためです。見るべきは人が直接対応した件数のほうです。ここが減っていなければ、②が起きている可能性があります。
試してから決められますか?
2週間の無料トライアルをご用意しています。おすすめの試し方は、いま詰まっている質問をそのまま投げてみることです。うまくいく例ではなく、困っている例で試すほうが判断できます。
まとめ
「チャットボットは使えない」という声の多くは、道具全体の話ではなく②の「答えても解決しない」から来ています。そしてその②は、聞かれ方の幅に対して答えられる幅が狭いことで起きます。
諦める前に、順番としては、①いま詰まっている質問を3つ書き出す ②それが返るかどうかを試す ③答えられなかったときに人へ渡る道があるかを確かめる、の3つを見てみてください。ここが揃っていれば、同じことは起きにくくなるはずです。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。