導入・運用ノウハウ 2026.08.18

先回りの声かけの文面|押されない一言と、押される選択肢の作り方

先回りの声かけの文面|押されない一言と、押される選択肢の作り方

押される先回りの声かけは、読み手が打ちたい質問が、そこにもう書いてあるものです。「何かお困りですか」と入口だけを開けるのではなく、そのページに残りやすい迷いを一文にする。押せばそのまま会話が始まる形にしておきます。

順番としては、いま出ている文面をそのまま読み返すところから。押されない文面に共通する型に当てはまっていないかを確かめて、書き換えるのはそのあとです。直した文面が効いたかどうかは、反応率で前のものと並べれば見当がつきます。

出てはいるのに、誰も押していない

先回りの声かけ(トリガー)を作った直後は、管理画面の数字が動くのが少し楽しいものです。表示回数が日に日に増えていく。ところが二週間ほど経ってから落ち着いて見ると、反応の列だけがほとんど動いていない、ということがあります。

出ている。見られてもいる。それでも押されていない。

こうなると、たいていは条件のほうを疑いにいきます。秒数が短すぎたのか、ページを絞りすぎたのか、と設定画面を開き直す。ただ、表示回数がきちんと積み上がっているなら、条件は仕事をしています。止まっているのは文面と選択肢のほうだと考えたほうが、直す場所を間違えずに済むはずです。

そもそもサイト上で待たずに声をかけるという考え方についてはWebサイトで「接客」できていますか?チャットボットで待ちを先回りに変えるで扱っています。ここでは、条件が合ったあとに出す一言と、その下に並べる選択肢だけを見ていきます。

押されない声かけには、同じ型がある

反応がほとんど返ってこない声かけを集めてみると、驚くくらい同じ言葉が並びます。

  • 何かお困りですか
  • ご質問はありますか
  • お気軽にご相談ください
  • ご不明な点がございましたら、なんなりとお申し付けください

どれも丁寧ですし、失礼なところもありません。それでも押されないのは、相手に考える仕事を渡しているからだと思います。「何かお困りですか」と聞かれた人は、まず自分の困りごとを自分で言葉にしなければいけません。白紙の入力欄を差し出されたのと、やっていることは同じです。

しかも、その場で自分の質問をきちんと言葉にできるくらいはっきり困っている人は、声をかけられるより前に問い合わせフォームへ進んでいます。声かけが届く相手は、もう少し手前にいる人です。何が引っかかっているのか本人もまだ整理できていない。そこへ考える仕事を渡せば、閉じるほうが早いという話になります。

押されない声かけと、押される声かけの違い

押される声かけは、質問がもう書いてある

反応が返ってくる声かけは、形がはっきり違います。そのページで実際に出やすい質問が、そのまま選択肢になっている。来訪者がやることは、書くことではなく選ぶことだけになります。

料金ページなら、たとえばこんな並びです。

  • 最低利用期間はありますか
  • 途中でプランを変えられますか
  • 見積書はもらえますか

言葉づかいも、こちらの用語ではなく相手の言い方に寄せます。「ご契約期間の下限について」ではなく「最低利用期間はありますか」。社内で使っている呼び方をそのまま出すと、それだけで自分向けではない気配が出てしまいます。

並べる質問が思いつかないときは、頭の中から絞り出すより、利用履歴に実際に届いている質問を多い順に見たほうが早いはずです。すでに聞かれていることなら、これから聞かれる可能性も高いわけですから。

本文は2行まで、選択肢は3つ前後

長さにも目安を持っておくと、迷う時間が減ります。本文は2行まで。3行を超えたあたりから、読むより先に閉じる動作が出ます。声かけは小さく出るものなので、そもそも長い文章を置く場所ではありません。

選択肢は3つ前後にとどめます。5つ6つ並べば、来訪者は全部を読んで比べなければいけません。そして「どれも少し違う」と感じた時点で、選ぶのをやめて閉じます。3つなら一目で見比べられますし、どれとも違ったときのために自由に書ける道を1つ残しておけば足ります。

削る順番は、こちらが言いたいことからです。「新機能のお知らせ」「事例が増えました」は、書き手の都合で並んでいる項目です。相手が知りたいことだけに絞ると、文面はたいてい勝手に短くなります。

ページごとに、残っている迷いが違う

同じ文面を全ページに出している場合、反応率はページによって大きくばらつきます。読んでいるものが違えば、そのとき残っている迷いも違うのですから、当たり前といえば当たり前です。

ページごとに、残っている迷いが違う

料金ページを開いている人は、金額はもう見ています。残っているのは条件のほうです。いつまで縛られるのか、あとから変えられるのか、社内に出せる書類はもらえるのか。ここで「サービスの特長をご紹介します」と出しても、話が一段戻ってしまいます。

事例ページを読んでいる人が気にしているのは、ほとんどの場合「うちに当てはまるのか」です。ですから選択肢も「同じくらいの規模の例はありますか」「うちの業種でも使えますか」のほうが噛み合います。

商品ページなら、買う直前の具体的なところ。在庫、届く日、間違えたときの交換。ここで会社案内のような一言を出すと、いま考えていることから遠ざかります。

ページごとに分けるのは手間に見えますが、条件は「このパスで始まる」で指定できるので、ページ群ごとに1本ずつ作れば済みます。料金・事例・商品・問い合わせ手前で3本か4本もあれば、主だった導線は覆えるはずです。この考え方は特定のページを見ている人にだけ声をかけたいのページにも整理してあります。

SHIRITAIでは、どこに何を書くか

詳細設定で応答タイプに営業AIモードを選ぶと、サイドバーにトリガーの項目が出ます。1本ぶんの設定は「どこで・どこから来た人に・いつ・誰に・何回・何を」の順に並んでいて、文面を書くのは最後の「何を」の欄です。

SHIRITAIのトリガー画面。ギフトページ・Instagramから来た方・送料ページ・離れそうな方の4本が並び、選んだトリガーの声かけをプレビューで確認できる

本文の欄と、選択肢の欄が分かれています。選択肢は1つずつ、画面に出す言葉と、押されたときの動きをそれぞれ決めていく形です。

声かけカードの拡大。本文の下に、予算5,000円で選ぶ・目上の方へ・のしと包装について、の選択肢が並ぶ

実際に出るのはこの形で、本文の下に選択肢が縦に並びます。幅はこれだけしかありません。この枠に収まるかを思い浮かべながら書くと、長すぎる文面は自然に削れていきます。

選択肢の動きを選び分ける

選択肢を押したときの動きは4つから選べます。表に出す言葉が同じでも、どれを選ぶかで、そのあとの体験は変わります。

選択肢の動き 向いている場面
リンクを開く 行き先がもう決まっているとき。料金表、申込フォーム、事例の詳細など
チャットを開くだけ 質問が読めないので、自由に書いてもらいたいとき
決まった内容を表示(AI不使用) 答えが1つに決まっていて、言い回しまで固定したいとき。送料、営業時間、返品の条件
AIに質問する 聞かれ方が読めないとき。選択肢に書いた質問から会話が始まる

迷いやすいのは「決まった内容を表示」と「AIに質問する」の2つだと思います。送料や営業時間のように答えが動かないものは、AIを通さない前者が向きます。社内で確認を通した文章が、一字も変わらないまま出るからです。逆に、少しずつ違う聞かれ方をするものは後者に渡したほうが、言い回しの揺れを拾えます。

そして「AIに質問する」には、文面づくりの面でもう一つ利点があります。選択肢に書いた言葉が、そのまま会話の最初の質問になるところです。「最低利用期間はありますか」と書いた選択肢を押すと、来訪者は一文字も打たないまま、その質問から会話が始まります。白紙の入力欄を埋める仕事を、こちら側で引き受けた形です。

案内の前に一問だけ聞きたいときは、選択肢ではなくカードの表示のしかたそのものを「アンケート」に切り替えます。詳しくはアンケート型の声かけも選べます。答えを踏まえてAIに案内させることもできますし、お礼と用意した選択肢だけを返す形でも構いません。

画像やリンクカードは、必要なときだけ

本文には画像・動画・リンクカードも添えられます。ただ、添えられるからといって毎回付けると、反応はかえって落ちます。

付けたほうがよいのは、言葉より見せたほうが早いものがあるときです。商品の実物、間取りや図面、事例ページの見出しと写真。文章で説明すると3行かかるものが、1枚で済むことがあります。

付けないほうがよいのは、文面が2行で足りているときです。とくにスマホでは、画像が入るだけで声かけがかなりの面積を占めます。声かけは広告の枠ではないので、要素を足すほど広告らしくなり、閉じられやすくなるはずです。判断に迷ったら、まず文字だけで出して、反応を見てから足すという順番が安全だと思います。

効かない声かけと、効く声かけを並べてみる

同じ場面で、文面だけを変えるとどう変わるか。3つ並べてみます。

場面:料金ページで15秒とどまった人に出す

効かない

何かお困りですか?ご不明な点がございましたら、お気軽にご質問ください。

効く

料金のことでよく聞かれるのは、この3つです。
・最低利用期間はありますか
・途中でプランを変えられますか
・見積書はもらえますか

上は困りごとを言葉にする作業を相手に渡しています。下は、そのページで実際に多い質問をそのまま置いただけです。

場面:事例ページを最後まで読んだ人に出す

効かない

導入事例をご覧いただきありがとうございます。詳しい資料もご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

効く

近い事例をお探しでしたら、こちらから。
・同じくらいの規模の例はありますか
・うちの業種でも使えますか
・導入までにどれくらいかかりましたか

読み終えた人が次に確かめたいのは「うちに当てはまるか」です。資料の案内はその答えではありません。

「AIに質問する」を選んだ選択肢を押したあと。登録した内容:最低利用期間は3か月。以降は月ごとの契約で、解約は前月末まで

質問

最低利用期間はありますか

回答

最低利用期間は3か月です。それ以降は月ごとのご契約に切り替わり、解約をご希望の場合は前月末までにお知らせいただく形になります。3か月より前に事情が変わった場合のご相談も受け付けていますので、必要でしたら担当者へおつなぎします。

来訪者は選んだだけで、質問文は打っていません。会話がこちらの用意した問いから始まるので、最初の一往復が噛み合いやすくなります。

反応率で、文面を比べる

文面の良し悪しは、書いた本人にはなかなか分かりません。社内で読み合わせても、たいてい「丁寧なほう」が選ばれます。判断は数字に任せたほうが早いはずです。

SHIRITAIのアナリティクス「先回り営業(トリガー別)」。表示回数36・反応9・反応率25%など、声かけの効果を数字で確認できる

アナリティクスの「先回り営業」には、トリガーごとの表示回数・反応数・反応率が並びます。表示36・反応9で反応率25%、といった具合です。

ここで見るのは絶対値ではありません。同じ条件のまま文面だけを変えたときに、この数字がどう動いたかだけを見ます。他社の平均と比べても、ページも商材も来訪者も違うので、たぶん役に立ちません。比べる相手は、自分の先週です。

手順としては、まず1週間は触らずに置く。表示回数が数十件たまったところで、文面だけを差し替える。もう1週間置いて、反応率を並べる。この間、ページの条件や秒数や出す回数は動かしません。2つ同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。

反応率のほかに何を見ておくかは、チャットボットのKPI設定と効果測定に計算式ごとまとめてあります。押されたあとを商談まで運ぶ話はチャットボットの営業活用で扱っています。

文面を直すと、もう一度出るようになる

実務でよく効く仕様が1つあります。出す回数を「同じ訪問者には一度だけ」にしていると、一度見た人には二度と出ません。ところが文面を書き換えると、その「一度だけ」の記録が戻り、前に見た人にももう一度出るようになります

文面を直すと、もう一度出るようになる

直した結果がすぐ数字に表れる、と言い換えてもいいと思います。新しい来訪者が集まるのを待たなくて済むので、比べるまでの期間が短くなります。

裏を返せば、思いつくたびに文言を触ると、同じ人に何度も出ることになります。直すのは週に一度まで、と決めておくくらいでちょうどいいかもしれません。

シリタイ

文面を直したら、その日に日付をメモしておくと後で助かります。反応率が動いたとき、何を直したせいかを思い出せます。

書いてはいけない声かけ

反応を取りにいくと、つい越えてしまう線があります。ここだけは先に決めておいたほうがよさそうです。

煽りと、期限の嘘

「今だけ」「このページをご覧の方限定」と書いておきながら、実際には限定でも今だけでもない。よくある書き方ですが、一度でも嘘だと分かると、そのサイトに書いてある他の文言まで疑われます。締切が無いのに締切を置くのも同じです。目先の反応率は上がるかもしれませんが、次に来たときには押されません。

押しつけになる出し方

本文を覆い隠す、閉じるボタンが小さくて押せない、閉じてもすぐまた出てくる。この形が嫌われるのは、感覚の問題だけではありません。Googleは検索セントラルの案内で、2017年1月10日以降、モバイルの検索結果から移動した人がすぐに本文へたどり着けないページの掲載順位を下げる、と説明しています。ただし同じ案内には、これは順位に使う多くの要素のうちの1つにすぎないという但し書きと、画面から見て妥当な大きさで簡単に閉じられるバナーは対象外だという例外も添えられています。

SHIRITAIの声かけが全画面では開かず、画面の隅に小さく出るのはこのためでもあります。断られた相手には出さない、という動きも同じ考え方です。閉じた人を追いかけないほうが、次に来たときにまだ話ができます。

卑屈な言い回しも要らない

「お忙しいところ恐れ入りますが」「しつこくご案内することはございません」といった前置きは、置かないほうがよいと考えています。取り繕いは、それ自体が売り込みの気配になります。相手の役に立つ質問を3つ並べる。それ以上の説明は、たいてい要りません。

集めた反応をそのあとどうつなぐかはチャットボットのマーケティング活用に書いています。

困りごと別|SHIRITAIで解決できること10

左が文面まわりでいま起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。

いま起きていること SHIRITAIでどう受けるか
声かけは出ているのに誰も押さない 質問文をそのまま選択肢にして、選ぶだけで進む形にする
何を書けばよいか思いつかない 利用履歴に届いている質問を多い順に見て、上位3つを並べる
文面がどうしても長くなる 本文2行・選択肢3つの枠に収める。実際に出る幅で確認できる
全ページで同じ文面を出している 「このパスで始まる」でページ群ごとにトリガーを分ける
答えの言い回しをぶらしたくない 「決まった内容を表示」を選べば、AIを通さず用意した文がそのまま出る
聞かれ方が読めない質問がある 「AIに質問する」を選び、選択肢の言葉から会話を始めさせる
来訪者に質問文を考えさせている 選択肢に質問文を書いておけば、押すだけで会話が始まる
案内の前に一問だけ確かめたい アンケート型の声かけで、1問ずつ尋ねて回答を集計する
どの文面が効いたのか分からない トリガー別の表示回数・反応数・反応率で、前の文面と並べる
直した文面を前の来訪者にも見せたい 文面を書き換えると「一度だけ」の記録が戻り、もう一度出る

10個を一度に整える必要はありません。いちばん人が来ているページの1本を、質問3つに置き換えるところから始めれば十分だと思います。

よくある質問

文面はどれくらいの頻度で見直せばよいですか?

表示回数が数十件たまるまでは待ったほうが、比べられる数字になります。目安としては週に一度までです。文面を書き換えると「一度だけ」の記録が戻って前に見た人にも再び出るので、頻繁に触ると同じ人に何度も出ることになります。

選択肢は3つより多くしてはいけませんか?

決まりがあるわけではありません。ただ、増えるほど1つあたりが選ばれにくくなります。4つ目を足したくなったときは、並んでいるうちでいちばん自社の都合に近いものを1つ外してみてください。それで困らないなら、もともと要らなかったということかもしれません。

反応率は何%あればよいのでしょうか?

目安の数字は置かないほうがよいと考えています。ページも商材も、来ている人も会社ごとに違うので、よその平均に合わせても意味が薄いためです。比べる相手は自社の先週の数字にして、同じ条件で文面だけを変えたときの動きを見てください。

「何かお困りですか」は絶対に使ってはいけませんか?

使ってはいけない言葉ではありません。問題はその一言で終わらせることのほうです。同じ本文でも、下に具体的な質問が3つ並んでいれば、選ぶだけで先に進めます。挨拶として置くぶんには構わないと思います。

文面を考える時間がありません。

管理画面のAIアシスタントに「Instagramの投稿から商品ページに来た人に声をかけて」のように書くと、条件と文面まで作れます。出てきたものをそのまま使うより、自社で普段使っている言い方に直してから公開すると、なじみやすくなるはずです。実際に来ている質問の読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方も参考になります。

まとめ

押される声かけと押されない声かけの差は、文章のうまさではなく、相手に考えさせているか、選ばせているかのところにあると思います。そのページで実際に多い質問を3つ並べる。本文は2行に収める。それだけで、いままで表示回数しか動かなかった声かけが、少しずつ反応を返すようになるはずです。

順番としては、①いちばん人が来ているページを1つ決める ②利用履歴から質問を3つ拾って選択肢にする ③1週間置いて反応率を見る、で足ります。実際の画面で文面を作ってみたい場合は、無料トライアルで自社のページに合わせた声かけを1本だけ作ってみてください。設定の全体像は営業AIモード(先回りの声かけ)のページにまとめています。

SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。

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