活用方法 2026.08.06

チャットボットのマーケティング活用|集めて終わりにしない設計

チャットボットのマーケティング活用|集めて終わりにしない設計

チャットボットをマーケティングに使うなら、訪問から問い合わせまでを4つの段に分けて、どの段で人が止まっているかを見るところから始めます。段ごとに、置くものも声のかけ方も変わってくるはずです。集まった会話は、次に何を用意するかの材料にもなります。数を追う前に、止まっている段を1つ動かしてみてください。

集めているのに、問い合わせが増えない

広告も出している、記事も書いている、アクセス数も悪くない。それなのに問い合わせが思うように増えない。マーケティングの担当者や経営者の方から、よくいただく相談です。

そういうとき、たいてい次に検討されるのは「もっと集める」ことです。広告費を足す、記事を増やす。ただ、入り口を広げても、途中が詰まっていれば同じところで止まります

詰まっている場所を一言で言うと、サイトに来た人と会話がないことだと思います。

集客と成果のあいだにある、会話のない壁

店舗なら、迷っているお客さまに「何かお探しですか」と声をかけられます。サイトは無人なので、疑問が出た人はそのまま帰ります。集客の量ではなく、ここが成果を決めていることがあります。

まず、どこで落ちているかを見る

手を打つ前に、どの段で落ちているかを確かめてください。見るのは3つの数字だけで足ります。

  • 訪問数:そもそも来ているか。少なければ集客の話になります
  • 料金ページや問い合わせページの表示回数:検討まで進んでいるか
  • 問い合わせの送信数:最後の一歩を踏めているか

2つ目は多いのに3つ目が少ない、という形なら、検討まで来た人が疑問を解けずに帰っています。この記事が扱うのはそこです。逆に1つ目が少ないなら、先に集客を見たほうが早く効きます。

4つの段に分けて、置くものを決める

訪問した人は、いきなり問い合わせません。見る、気になる、聞く、問い合わせる、と段を踏みます。段ごとに効く打ち手が違います。

訪問者の4つの段階と、それぞれで効く打ち手

その人の状態 効く打ち手
見る とりあえず開いた。まだ何も決めていない ページの中身。ここはチャットボットの出番ではない
気になる 料金ページで手が止まっている 先回りの声かけ
聞く 疑問が出たが、電話するほどではない その場で答える窓口
問い合わせる 話を聞いてもよいと思っている 会話の流れで連絡先を預かる

ここで大事なのは、1段目にチャットボットを置いても効かないということです。開いたばかりの人に話しかけても閉じられます。効くのは2段目から4段目です。

もうひとつ、段を飛ばさないことも大事だと思います。よくあるのが、2段目にいる人にいきなり4段目の打ち手を出す形です。料金ページを見ている段階で「お問い合わせはこちら」だけを大きく出しても、まだ疑問が残っているので押されません。その人がいる段の一つ先を用意する、くらいが自然に進みます。

自社がどの段で落ちているかは、たいてい1か所に絞れます。全部を同時に整えようとすると手が回らないので、いちばん落ちている段から順に手を入れてください。

どの記事が、どの段を扱っているか

段ごとの詳しい作り方は、それぞれ別に書いています。この記事は全体の地図として使ってください。

置く場所ごとに、狙いが変わる

同じチャットボットでも、どのページに置くかで役割が変わります。全ページに同じものを出すと、どれも中途半端になりがちです。

置く場所 そこにいる人 そこでの狙い
料金ページ 金額を見て、自社に合うか計算している 条件の質問に答えて、判断できる状態にする
サービス・商品ページ できることを確かめている 細かい仕様や適用範囲に答える
問い合わせフォームの手前 送るかどうか迷っている 書く前の疑問を解いて、そのまま送信につなぐ
コラム・記事ページ 調べている最中。まだ検討前 売り込まない。資料や関連ページの案内まで
広告の着地ページ 広告の文言に反応して来た 広告で言っていることの続きを答える

記事ページで気をつけたいのが、調べている最中の人に売り込まないことです。ここで問い合わせを迫ると、記事自体の印象が悪くなります。資料を渡す、関連ページを案内する、くらいに留めておくほうが、後で戻ってきてもらえます。

広告の着地ページは、費用がかかっている場所なので効果が見えやすいところです。広告で「最短2週間」と言っているなら、その続き(何が2週間なのか、何を用意すればよいのか)に答えられる状態にしておくと、離脱が減ります。

シナリオ型だと、この用途で詰まりやすい

マーケティングの用途では、聞かれ方が読めません。広告から来た人、記事から来た人、比較サイトから来た人で、前提知識も語彙も違います。

あらかじめ用意した選択肢をたどる作りだと、想定していない聞かれ方をされた時点で会話が終わります。しかも、そこで終わったことは記録に残りにくい。改善の材料がたまらないまま、効果が出ないという結論になりがちです。型の違いはシナリオ型と生成AI型のチャットボットを比較するに整理しています。

集めた会話が、そのまま次の施策になる

もうひとつ、マーケティングの側から見て効くのがこちらです。チャットボットに届いた質問は、お客さまが自分の言葉で書いたものです。

アンケートと違って、聞かれ方も語彙もそのまま残ります。「どういう言葉で探しているか」「何が分からなくて止まっているか」が、毎日たまっていきます。

SHIRITAIの利用履歴画面。実際に来た質問(費用はいくら? など)と利用回数180回が時系列で残る

ここに並ぶ言葉は、そのまま次の材料になります。よく聞かれることはページに先に書いておく。使われている言い回しは記事や広告の言葉に採る。答えられなかった質問は、登録内容に足す。

「よくある質問」のページを推測で作るより、実際に来た質問から作るほうが早く当たります。読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方にまとめました。

実務では、月に一度この画面を開いて3つに仕分けるだけで十分だと思います。①ページに書けば減るもの ②登録内容に足すもの ③そもそも商品やサービスの側を直すべきもの。3つ目が出てきたときは、マーケティングだけの話ではなくなるので、社内で共有する価値があります。

広告を回している場合は、検索語句のレポートと並べて見ると効きます。広告で拾っている言葉と、実際に質問で使われている言葉がずれていることがあります。お客さまが使っている側の言葉に寄せると、同じ予算でも反応が変わってきます。

SHIRITAIでは、どう組むか

1. 声をかける条件を決める

2段目の打ち手です。どのページで、どれくらい滞在したら声をかけるかを設定します。全ページで即座に出す設定にすると、たいてい嫌がられます

SHIRITAIのトリガー編集画面。料金ページで滞在15秒などの条件と、声かけメッセージ・ショートカットを設定する

料金ページに一定時間いる人だけ、のように絞ると、迷っている人にだけ届きます。まず1か所から試して、反応を見てから広げるのが安全です。

2. 効いているかを、条件ごとに見る

声をかけた数と、反応があった数が残ります。ここを見ると、置き場所と文言のどちらを直すべきかが分かります。

SHIRITAIのアナリティクス「先回り営業(トリガー別)」。表示回数36・反応9・反応率25%など、声かけの効果を数字で確認できる

表示は多いのに反応がほとんど無い、という場合は、出す場所か声のかけ方が合っていません。先に声のかけ方を変えて、それでも動かなければ場所を疑う、という順番で見ていくと切り分けが早く済みます。指標の選び方はチャットボットのKPI設定と効果測定にまとめています。

こんな会話で、次の一歩につながります

実際に届く質問と、そこから話が進む例です。

料金ページで手が止まっている人への声かけ。登録した内容:料金は利用人数と機能で変わる

質問

他社と何が違うんですか

回答

ご検討の目的によってお答えが変わります。問い合わせ対応を減らしたいのか、サイトからの相談を増やしたいのか、どちらに近いでしょうか。用途をお聞かせいただければ、当てはまる部分をご案内します。

こちらの強みを並べる答え方より、相手の目的を先に聞くほうが会話が続きます。ここで得た一言が、そのまま商談の入り口になります。

まだ問い合わせるつもりのない人

質問

まだ検討段階なんですけど、資料だけもらえますか

回答

もちろんです。サービスの概要をまとめた資料をご用意しています。お送り先のメールアドレスをお伺いしてもよろしいでしょうか。検討中に気になる点があれば、この場でもお答えできます。

「まだ検討段階」と言われた時点で追いかけると離れます。渡すものを渡して、聞ける状態だけ残しておくほうが後につながります。

記録から、ページを直す材料が見つかる例

質問

最低何ヶ月から契約になりますか

回答

最低利用期間は設けておりません。月単位でのご利用が可能です。ご不安があれば、まず2週間の無料トライアルからお試しいただけます。

この質問が繰り返し来るなら、料金ページに書いていないということです。記録を見て、ページ側を直すのがマーケティング側の仕事になります。

困りごと別|SHIRITAIで解決できること10

左がマーケティングの現場で起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。

いま起きていること SHIRITAIでどう受けるか
アクセスはあるのに問い合わせが増えない 迷っている場所で声をかけ、その場で答える
料金ページで離脱している ページと滞在時間の条件で先回りできる
フォームまで進む人がごく一部 連絡先を書かずに聞ける窓口を用意する
何が分からなくて帰ったのか掴めない 実際の質問が言葉のまま利用履歴に残る
「よくある質問」を推測で作っている 来た質問から、載せるべき内容が決まる
広告や記事の言葉が刺さっているか分からない お客さまが使う言い回しがそのまま集まる
声かけが効いているのか分からない 表示数と反応数を条件ごとに確認できる
まだ検討段階の人に接点がない 資料の案内までを会話の中で済ませられる
集めたリードの質が営業に評価されない 会話の記録つきで渡せるので、用件が整理されている
施策ごとに担当が分かれて全体が見えない 段ごとに何を置くかを決めて、順番に手を入れられる

全部を一度にやる必要はありません。落ちている段を1つ特定して、そこだけ手を入れるのが近道です。

よくある質問

集客とチャットボット、どちらを先にやるべきですか?

訪問数そのものが少ないなら、集客が先です。料金ページまで来ているのに問い合わせが少ないのであれば、チャットボットのほうが早く効きます。3つの数字(訪問数・料金ページの表示・問い合わせ数)を並べて、どこで落ちているかを見てから決めてください。

問い合わせの質が下がりませんか?

入り口を広げるぶん、検討が浅い相談も入ってきます。ただ、会話の記録つきで営業に渡せるので、用件が整理された状態で届きます。連絡先だけが増えて中身が分からない、という状態にはなりにくいはずです。

声かけはしつこいと思われませんか?

出す条件を絞れば大丈夫です。全ページで即座に出すと嫌がられますが、料金ページに一定時間いる人だけ、のようにすれば迷っている人にだけ届きます。まず1か所で試して、反応を見てから広げてください。

効果はどう測ればいいですか?

チャット経由の問い合わせ件数だけを見ると判断を誤ります。サイト全体の問い合わせ数が増えたかを見てください。チャットで拾った人は、もともとフォームを送っていなかった層です。測り方はチャットボットのKPI設定と効果測定にまとめています。

まず何から始めればいいですか?

料金ページに窓口を1つ置いて、よく聞かれる質問を5件登録するところからで足ります。1か月ぶんの記録を見れば、次に何をすべきかは記録のほうが教えてくれます。無料トライアルで試せます。

まとめ

マーケティングでチャットボットを使う目的は、集客の数を増やすことではなく、来ている人と会話ができる状態にすることだと思います。

メールやDMを配信している場合は、そのリンクから来た人に配信の続きから話す方法をメルマガ・DM営業の続きを、サイトで話すで扱っています。

順番としては、①3つの数字でどこが詰まっているかを見る ②詰まっている段に打ち手を1つ置く ③1か月ぶんの記録を見てページ側を直す、です。全部の段を一度に整える必要はありません。落ちている場所は、たいてい1か所です。

SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。

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