チャットボットのマーケティング活用|集めて終わりにしない設計
チャットボットをマーケティングに使うなら、訪問から問い合わせまでを4つの段に分けて、どの段で人が止まっているかを見るところから始めます。段ごとに、置くものも声のかけ方も変わってくるはずです。集まった会話は、次に何を用意するかの材料にもなります。数を追う前に、止まっている段を1つ動かしてみてください。
集めているのに、問い合わせが増えない
広告も出している、記事も書いている、アクセス数も悪くない。それなのに問い合わせが思うように増えない。マーケティングの担当者や経営者の方から、よくいただく相談です。
そういうとき、たいてい次に検討されるのは「もっと集める」ことです。広告費を足す、記事を増やす。ただ、入り口を広げても、途中が詰まっていれば同じところで止まります。
詰まっている場所を一言で言うと、サイトに来た人と会話がないことだと思います。

店舗なら、迷っているお客さまに「何かお探しですか」と声をかけられます。サイトは無人なので、疑問が出た人はそのまま帰ります。集客の量ではなく、ここが成果を決めていることがあります。
まず、どこで落ちているかを見る
手を打つ前に、どの段で落ちているかを確かめてください。見るのは3つの数字だけで足ります。
- 訪問数:そもそも来ているか。少なければ集客の話になります
- 料金ページや問い合わせページの表示回数:検討まで進んでいるか
- 問い合わせの送信数:最後の一歩を踏めているか
2つ目は多いのに3つ目が少ない、という形なら、検討まで来た人が疑問を解けずに帰っています。この記事が扱うのはそこです。逆に1つ目が少ないなら、先に集客を見たほうが早く効きます。
4つの段に分けて、置くものを決める
訪問した人は、いきなり問い合わせません。見る、気になる、聞く、問い合わせる、と段を踏みます。段ごとに効く打ち手が違います。

| 段 | その人の状態 | 効く打ち手 |
|---|---|---|
| 見る | とりあえず開いた。まだ何も決めていない | ページの中身。ここはチャットボットの出番ではない |
| 気になる | 料金ページで手が止まっている | 先回りの声かけ |
| 聞く | 疑問が出たが、電話するほどではない | その場で答える窓口 |
| 問い合わせる | 話を聞いてもよいと思っている | 会話の流れで連絡先を預かる |
ここで大事なのは、1段目にチャットボットを置いても効かないということです。開いたばかりの人に話しかけても閉じられます。効くのは2段目から4段目です。
もうひとつ、段を飛ばさないことも大事だと思います。よくあるのが、2段目にいる人にいきなり4段目の打ち手を出す形です。料金ページを見ている段階で「お問い合わせはこちら」だけを大きく出しても、まだ疑問が残っているので押されません。その人がいる段の一つ先を用意する、くらいが自然に進みます。
自社がどの段で落ちているかは、たいてい1か所に絞れます。全部を同時に整えようとすると手が回らないので、いちばん落ちている段から順に手を入れてください。
どの記事が、どの段を扱っているか
段ごとの詳しい作り方は、それぞれ別に書いています。この記事は全体の地図として使ってください。
- 2段目(気になる)… Webサイトで「接客」できていますか?チャットボットで待ちを先回りに変える。どのページで何秒滞在したら声をかけるか、という設計の話です
- 3段目(聞く)… 問い合わせフォームとチャットボットの違い。フォームまで行かない人をどう拾うかを扱っています
- 4段目(問い合わせる)… チャットボットでリード獲得を強化する。会話から連絡先につなぐ導線の話です
- そのあと(営業に渡る)… チャットボットの営業活用。商談前の質問を営業から外す話です
置く場所ごとに、狙いが変わる
同じチャットボットでも、どのページに置くかで役割が変わります。全ページに同じものを出すと、どれも中途半端になりがちです。
| 置く場所 | そこにいる人 | そこでの狙い |
|---|---|---|
| 料金ページ | 金額を見て、自社に合うか計算している | 条件の質問に答えて、判断できる状態にする |
| サービス・商品ページ | できることを確かめている | 細かい仕様や適用範囲に答える |
| 問い合わせフォームの手前 | 送るかどうか迷っている | 書く前の疑問を解いて、そのまま送信につなぐ |
| コラム・記事ページ | 調べている最中。まだ検討前 | 売り込まない。資料や関連ページの案内まで |
| 広告の着地ページ | 広告の文言に反応して来た | 広告で言っていることの続きを答える |
記事ページで気をつけたいのが、調べている最中の人に売り込まないことです。ここで問い合わせを迫ると、記事自体の印象が悪くなります。資料を渡す、関連ページを案内する、くらいに留めておくほうが、後で戻ってきてもらえます。
広告の着地ページは、費用がかかっている場所なので効果が見えやすいところです。広告で「最短2週間」と言っているなら、その続き(何が2週間なのか、何を用意すればよいのか)に答えられる状態にしておくと、離脱が減ります。
シナリオ型だと、この用途で詰まりやすい
マーケティングの用途では、聞かれ方が読めません。広告から来た人、記事から来た人、比較サイトから来た人で、前提知識も語彙も違います。
あらかじめ用意した選択肢をたどる作りだと、想定していない聞かれ方をされた時点で会話が終わります。しかも、そこで終わったことは記録に残りにくい。改善の材料がたまらないまま、効果が出ないという結論になりがちです。型の違いはシナリオ型と生成AI型のチャットボットを比較するに整理しています。
集めた会話が、そのまま次の施策になる
もうひとつ、マーケティングの側から見て効くのがこちらです。チャットボットに届いた質問は、お客さまが自分の言葉で書いたものです。
アンケートと違って、聞かれ方も語彙もそのまま残ります。「どういう言葉で探しているか」「何が分からなくて止まっているか」が、毎日たまっていきます。

ここに並ぶ言葉は、そのまま次の材料になります。よく聞かれることはページに先に書いておく。使われている言い回しは記事や広告の言葉に採る。答えられなかった質問は、登録内容に足す。
「よくある質問」のページを推測で作るより、実際に来た質問から作るほうが早く当たります。読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方にまとめました。
実務では、月に一度この画面を開いて3つに仕分けるだけで十分だと思います。①ページに書けば減るもの ②登録内容に足すもの ③そもそも商品やサービスの側を直すべきもの。3つ目が出てきたときは、マーケティングだけの話ではなくなるので、社内で共有する価値があります。
広告を回している場合は、検索語句のレポートと並べて見ると効きます。広告で拾っている言葉と、実際に質問で使われている言葉がずれていることがあります。お客さまが使っている側の言葉に寄せると、同じ予算でも反応が変わってきます。
SHIRITAIでは、どう組むか
1. 声をかける条件を決める
2段目の打ち手です。どのページで、どれくらい滞在したら声をかけるかを設定します。全ページで即座に出す設定にすると、たいてい嫌がられます。

料金ページに一定時間いる人だけ、のように絞ると、迷っている人にだけ届きます。まず1か所から試して、反応を見てから広げるのが安全です。
2. 効いているかを、条件ごとに見る
声をかけた数と、反応があった数が残ります。ここを見ると、置き場所と文言のどちらを直すべきかが分かります。

表示は多いのに反応がほとんど無い、という場合は、出す場所か声のかけ方が合っていません。先に声のかけ方を変えて、それでも動かなければ場所を疑う、という順番で見ていくと切り分けが早く済みます。指標の選び方はチャットボットのKPI設定と効果測定にまとめています。
こんな会話で、次の一歩につながります
実際に届く質問と、そこから話が進む例です。
料金ページで手が止まっている人への声かけ。登録した内容:料金は利用人数と機能で変わる
他社と何が違うんですか
ご検討の目的によってお答えが変わります。問い合わせ対応を減らしたいのか、サイトからの相談を増やしたいのか、どちらに近いでしょうか。用途をお聞かせいただければ、当てはまる部分をご案内します。
まだ問い合わせるつもりのない人
まだ検討段階なんですけど、資料だけもらえますか
もちろんです。サービスの概要をまとめた資料をご用意しています。お送り先のメールアドレスをお伺いしてもよろしいでしょうか。検討中に気になる点があれば、この場でもお答えできます。
記録から、ページを直す材料が見つかる例
最低何ヶ月から契約になりますか
最低利用期間は設けておりません。月単位でのご利用が可能です。ご不安があれば、まず2週間の無料トライアルからお試しいただけます。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左がマーケティングの現場で起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| アクセスはあるのに問い合わせが増えない | 迷っている場所で声をかけ、その場で答える |
| 料金ページで離脱している | ページと滞在時間の条件で先回りできる |
| フォームまで進む人がごく一部 | 連絡先を書かずに聞ける窓口を用意する |
| 何が分からなくて帰ったのか掴めない | 実際の質問が言葉のまま利用履歴に残る |
| 「よくある質問」を推測で作っている | 来た質問から、載せるべき内容が決まる |
| 広告や記事の言葉が刺さっているか分からない | お客さまが使う言い回しがそのまま集まる |
| 声かけが効いているのか分からない | 表示数と反応数を条件ごとに確認できる |
| まだ検討段階の人に接点がない | 資料の案内までを会話の中で済ませられる |
| 集めたリードの質が営業に評価されない | 会話の記録つきで渡せるので、用件が整理されている |
| 施策ごとに担当が分かれて全体が見えない | 段ごとに何を置くかを決めて、順番に手を入れられる |
全部を一度にやる必要はありません。落ちている段を1つ特定して、そこだけ手を入れるのが近道です。
よくある質問
集客とチャットボット、どちらを先にやるべきですか?
訪問数そのものが少ないなら、集客が先です。料金ページまで来ているのに問い合わせが少ないのであれば、チャットボットのほうが早く効きます。3つの数字(訪問数・料金ページの表示・問い合わせ数)を並べて、どこで落ちているかを見てから決めてください。
問い合わせの質が下がりませんか?
入り口を広げるぶん、検討が浅い相談も入ってきます。ただ、会話の記録つきで営業に渡せるので、用件が整理された状態で届きます。連絡先だけが増えて中身が分からない、という状態にはなりにくいはずです。
声かけはしつこいと思われませんか?
出す条件を絞れば大丈夫です。全ページで即座に出すと嫌がられますが、料金ページに一定時間いる人だけ、のようにすれば迷っている人にだけ届きます。まず1か所で試して、反応を見てから広げてください。
効果はどう測ればいいですか?
チャット経由の問い合わせ件数だけを見ると判断を誤ります。サイト全体の問い合わせ数が増えたかを見てください。チャットで拾った人は、もともとフォームを送っていなかった層です。測り方はチャットボットのKPI設定と効果測定にまとめています。
まず何から始めればいいですか?
料金ページに窓口を1つ置いて、よく聞かれる質問を5件登録するところからで足ります。1か月ぶんの記録を見れば、次に何をすべきかは記録のほうが教えてくれます。無料トライアルで試せます。
まとめ
マーケティングでチャットボットを使う目的は、集客の数を増やすことではなく、来ている人と会話ができる状態にすることだと思います。
メールやDMを配信している場合は、そのリンクから来た人に配信の続きから話す方法をメルマガ・DM営業の続きを、サイトで話すで扱っています。
順番としては、①3つの数字でどこが詰まっているかを見る ②詰まっている段に打ち手を1つ置く ③1か月ぶんの記録を見てページ側を直す、です。全部の段を一度に整える必要はありません。落ちている場所は、たいてい1か所です。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。