SNSから来た人に、同じ話をしない|どこから来たかで声かけを変える
SNSから来た人にだけ違う声をかけるには、来訪元をひとつの条件にするのではなく、見ているページや訪問回数と重ねて絞り込む形になります。SNSのアプリの中で開かれたページは、どこから来たかの手がかりが落ちてしまうことがあるためです。
条件を作る前に決めておきたいのは、SNSをひとまとめに扱うか、媒体ごとに分けるかの一点です。ここが定まらないまま作りはじめると、どの投稿から来たかを追う話に引っぱられて、声かけが増えるばかりになります。
投稿には反応があるのに、サイトでは何も起きない
新商品の写真をInstagramに上げた日は、保存もコメントもいつもより増えます。プロフィールに貼ったリンクを踏んでサイトに来ている人も、アクセス数を見るかぎりはいるようです。それなのに、問い合わせは増えません。商品ページの数字が少し動いて、翌日には元に戻る。
これが何か月か続くと、社内では「SNSは効いていないのでは」という話になりがちです。ただ、来ていないのではなく、来ているのに気づけていないだけ、ということもあります。気づけていなければ、迎える準備のしようもありません。
総務省の令和7年通信利用動向調査では、インターネットの利用目的のうち「SNS(無料通話機能を含む)の利用」が82.3%で最も高くなっています(調査時点は令和7年8月末)。人が集まっている場所としては、もう十分に大きいところです。あとは、そこから自社のサイトへ渡ってきた人をどう迎えるか、という話になります。
アプリの中のブラウザから来ると、足あとが残らない
SNSの投稿やプロフィールに貼られたリンクを踏むと、たいていはそのアプリの中で開くブラウザ(アプリ内ブラウザ)でページが表示されます。ふだん使っているSafariやChromeではなく、アプリに内蔵された簡易的な画面です。
ここで起きるのが、どこから来たかを示す情報(参照元)が付かないことです。参照元は「このページから移動してきました」という申告のようなもので、これが無いとアクセス解析の上では「直接アクセス」に分類されます。URLを直接打ち込んで来た人と、Instagramの投稿から来た人が、同じ山に積み上がってしまうわけです。
その結果、SNSからの来訪は数字の上で薄まります。担当者は「反応が無い」と受け取り、投稿の写真や頻度を変える方向へ走る。ところが手を入れるべき場所は、投稿側ではなく着地したあとのページだったりします。
見分けるには、手がかりを重ねる
参照元が付かないのなら、別の手がかりを足せばよい、という考え方になります。SHIRITAIは次の3つを併用して、SNSから来た人かどうかを判断します。

- アプリ内ブラウザの識別。Instagramのアプリの中で開かれた画面なのか、LINEの中なのか、という手がかりです。参照元が落ちる場面でも、ここは残ります
- 参照元。ふつうのブラウザで開かれた場合は、これがそのまま使えます
- リンクに付けた印。投稿やプロフィールに貼るリンクの末尾に、どこから来たかを書いた印(パラメータ)を付けておく方法です。自分で付けるぶん、いちばん確実です
1つに頼らず重ねるのは、SNSごとに事情が違うからです。アプリの中で開かれることが多いものもあれば、外のブラウザに飛ぶものもある。片方だけを見ていると取りこぼします。
もう一つ知っておいてほしいのが、この判定がその訪問のあいだ保たれることです。商品ページに着地した人が、そのあと料金ページや会社概要へ移っても、「Instagramから来た人」として扱われ続けます。1ページ目でしか使えないなら声をかけられる場所も1回きりになりますが、そうはなりません。
検索から来た人と、SNSから来た人は、知っていることが違う
見分けたところで、出す言葉が同じなら意味がありません。分ける理由は、相手が持っている前提が違うところにあります。

検索から来た人は、自分で言葉を打ち込んで探しています。「◯◯ 料金」「◯◯ 使い方」のように、聞きたいことがはっきりしている。会社の名前は知らなくても、用件のほうはもう決まっています。ここで長い自己紹介を出されると、回りくどく感じられます。
SNSから来た人は逆です。投稿を眺めていた流れで、なんとなく指が動いた。商品の見た目は知っていても、値段も、どこの会社が作っているのかも、どう買えるのかも知りません。そもそも買うつもりで来たわけでもない。そこに「料金プランをご案内します」と出しても、まだ早い、となります。
店にたとえるなら、探し物を決めて入ってきた人と、通りがかりに看板を見て入ってきた人の差に近いと思います。実際の店なら、声のかけ方は自然に変わるはずです。それがWebでは、全員に同じ一言になっている。この考え方そのものはWebサイトで「接客」できていますか?チャットボットで待ちを先回りに変えるで整理しています。
SHIRITAIでは、どこから来たかで声かけを分けられる
ここからは、実際の画面で設定のしかたを見ていきます。
詳細設定で「営業AIモード」を選ぶと、サイドバーに「トリガー」という項目が出ます。トリガーは、先回りの声かけを1本ずつ登録していく場所です。設定するのは、どこで・どこから来た人に・いつ・誰に・何回・何をの6つ。上から順に埋めていけば1本できあがります。

一覧には条件の違う声かけが並び、それぞれに優先順位が付いた状態です。上の画面でも「Instagramから来た方」への1本が、ページを条件にした声かけと同じ場所に並んでいます。選んだものは横のプレビューで、実際にどう見えるかを確かめられます。この優先順位は後で効いてくるので、頭の隅に置いておいてください。
どこから来た人に
選べるのは、Instagram、LINE、Facebook、X、YouTube、TikTok、SNS全般、検索、広告、外部サイト、直接アクセスです。
最初から細かく分ける必要はありません。投稿の出し分けをしていない段階なら、「SNS全般」で1本作るところから始めれば十分だと思います。Instagramは商品の写真、LINEはお知らせ、というように役割が分かれてきたら、そこで初めて個別に分ければよいはずです。LINEを窓口として使っている場合の考え方はチャットボットとLINE連携でできることにもまとめてあります。
どこで
ページの条件は、すべてのページ/URLに含む/このパスで始まる/URLが完全一致/このドメイン配下/正規表現から選びます。
SNSの投稿で触れた商品のページに着地した人には、その商品の話から始めるのが自然です。商品ページのURLが共通の形をしているなら「このパスで始まる」で足りますし、投稿と一対一で対応させたいなら「URLが完全一致」で1ページずつ作ります。買う直前に出てくる質問の拾い方はECサイトのチャットボット活用もあわせてご覧ください。
いつ・誰に
出すきっかけは、スクロールが◯%まで進んだら/◯秒とどまったら/離れそうな動き(PCのみ)/◯回目以降の訪問(ページを読み込むたびに数えます)から選べます。
ここで気をつけたいのが、離れそうな動きはパソコンでしか使えない点です。マウスが画面の外へ向かう動きを見ているので、指で操作するスマホには当てはまりません。SNSからの来訪はスマホがほとんどですから、「スクロールが40%まで進んだら」や「10秒とどまったら」を選ぶことになります。
「誰に」ではPC・スマホ両方/PCのみ/スマホのみを選べます。SNS向けの声かけはスマホのみにしておくと、文面も短く作れます。小さい画面で3行以上読ませようとすると、たいてい読まれません。
何回・何を
出す回数は、条件に合えば毎回/1回の訪問につき1度/同じ訪問者には一度だけ、から選びます。あわせて、次に出すまでの最短時間と、1回の訪問で出す上限も決められます。ただしこの上限はページを読み込むたびに数え直されます。回遊されると効かないので、しつこさを抑える本命は表示頻度のほうです。
中身は、表示のしかたを「メッセージ」か「アンケート」から選び、メッセージなら本文に画像・動画・リンクカードを添えて、下に選択肢を並べる形です。選択肢を押したときの動きは4つ。
- AIに質問する
- 決まった内容を表示する(AIは使わない)
- リンクを開く
- チャットを開くだけ
最初の一声にAIを使わないので、押してから文字が出るまでに間が空きません。地味なところですが、待たされている数秒で閉じられることを考えると、ここは効いてきます。全画面では開かないので、読んでいるページを覆い隠すこともありません。断られたことを覚えさせるなら、表示頻度を「1回の訪問につき1度」か「同じ訪問者には一度だけ」にします。既定は「条件に合えば毎回」です。
選択肢から会話に入ったあとは、登録した内容をもとにAIが答えます。

条件と文面を一から組み立てるのが億劫なら、管理画面のAIアシスタントに「Instagramの投稿から商品ページに来た人に声をかけて」と書いてしまう手もあります。条件と文面の下書きまで作ってくれるので、そこから直したほうが早い場合が多いです。
1本目は、投稿でいちばん反応があった商品のページに置くのがおすすめです。来ている人が多い場所から作ると、良し悪しの判断も早くつきます。
つまずきやすいのは、どこから来たかだけを条件にしたとき
ここからは、実際に動かしてみて分かった注意点です。
SHIRITAIのトリガーは、条件が重なったときに優先順位の高い1本だけを出します。2つ3つ同時に出て画面がにぎやかになる、ということは起きません。裏を返せば、順番の付け方を間違えると、出したかった声かけが出なくなります。
よくあるのが、「Instagramから来た人に」だけを条件にした声かけを作ってしまう形です。ページの条件を付けていないので、この1本はサイトのどのページでも当てはまります。すると、せっかく用意した商品ページ用や料金ページ用の声かけより先に出てしまい、そちらが埋もれます。

整理のしかたは、だいたい次の3つです。
- どこから来たかだけを条件にする声かけは、トップページに限る。「URLが完全一致」でトップページを指定しておきます
- 商品ページや料金ページの声かけには、どこから来たかとページの両方を条件に入れる
- 優先順位は、条件が細かいものほど上に置く
この3つを守っておけば、あとから声かけを足しても順番が崩れにくくなります。作った本数が5本を超えたあたりから効いてくる話です。
ちゃんと出ているかどうかは、感覚ではなく数字で確かめられます。

トリガーごとに、表示回数・反応数・反応率が並びます。作ったのに表示回数がほとんど伸びていないものがあれば、上位の声かけに食われていると考えてよいはずです。逆に、表示回数はあるのに反応率が低いものは、文面か出すタイミングのほうを疑うことになります。数字の追いかけ方はチャットボットのKPI設定と効果測定に詳しく書きました。
どの投稿から来たのかまで知りたいとき
投稿ごとの手ごたえを見たい場合は、リンクに付ける印を使います。受け取るキーを設定に登録しておくと、登録したキーだけが利用履歴に残ります(値は200文字まで)。登録していないキーは残らないので、余計な情報を抱え込まずに済みます。
渡し方は、設置ページのURLに付ける方法のほか、埋め込みコードに書く方法、ページ側の変数で渡す方法の3通り。SNSの運用でいちばん扱いやすいのは、投稿ごとにリンクを作り分ける1つ目でしょう。残った記録は利用履歴の画面でキーと値による絞り込みができ、CSVにも列として出てきます。「9月の新作の投稿から来た人は、どんな質問をしていたのか」を、後からまとめて読めるわけです。集めた反応を集めたままにしない設計については、チャットボットのマーケティング活用のほうで扱っています。
実際には、こんなやり取りになります
登録した条件と文面から、どんな会話が生まれるかの例です。
条件:Instagramから来た人/商品ページ(このパスで始まる)/スクロール40%/スマホのみ/1回の訪問につき1度
投稿でご紹介したスツールのページです。サイズや在庫、今から注文したときのお届け日など、この場でお答えできます。
部屋が狭いんですけど、うちの机に合いますかね
座面の高さは42cmです。高さ70cm前後の一般的な机と合わせると、ちょうど座りやすい寸法です。折りたたむと厚み9cmまで薄くなるので、使わないときは机の下や壁ぎわに立てておけます。お使いの机の高さが分かれば、もう少し具体的にお答えできます。
条件:LINEから来た人/トップページ(URLが完全一致)/15秒とどまったら/同じ訪問者には一度だけ
お知らせからお越しいただきありがとうございます。取扱商品のことでも、店舗のことでも、聞きたいことがあればどうぞ。
実物ってどこかで見られますか
大阪と神戸の2店舗に展示しています。大阪店は11時から19時まで、神戸店は11時から18時までの営業です(水曜定休)。展示していない色もありますので、お目当ての色が決まっている場合は、事前にお問い合わせいただくと確実です。
条件:検索から来た人/料金ページ/20秒とどまったら(比較のために、同じサイトへもう1本)
料金でご不明な点があれば、この場でお答えします。プランの違いや、途中で変更できるかについてよく聞かれます。
あとからプラン変えられますか
いつでも変更できます。上のプランへの変更は申し込んだその日から反映され、差額は日割りの計算です。下げる場合は次の更新日からの適用になります。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左が現場でいま起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| SNSから来ているのに、参照元が残らず気づけない | アプリ内ブラウザ・参照元・リンクに付けた印の3つを併用して見分ける |
| サイト内を移動すると、どこから来たか分からなくなる | 判定はその訪問のあいだ保たれ、移動しても引き継がれる |
| 検索から来た人にもSNSから来た人にも同じ一言が出る | Instagram・LINE・検索・広告などを条件にして、別々の声かけを用意する |
| 投稿で触れた商品のページに来ても、話が最初から始まる | ページの条件と組み合わせて、その商品の話から始める |
| パソコン向けの仕掛けが、スマホでは動かない | 「誰に」でスマホのみを選び、きっかけはスクロールか滞在の秒数にする |
| 声かけが何度も出て、うるさく感じられそう | 1回の訪問につき1度/同じ訪問者には一度だけ、最短の間隔と上限も決められる |
| 声かけが重なって、どれが出るのか分からない | 条件が重なったときは優先順位の高い1本だけが出る |
| 声かけの前に間が空いて、その隙に閉じられる | 最初の一声にAIを使わないので、待たせずに出る |
| どの投稿から来たのかが分からない | 受け取るキーを登録しておくと、利用履歴に残り、CSVにも出る |
| 声かけが効いているのか判断できない | トリガーごとに表示回数・反応数・反応率が並ぶ |
10個すべてを一度にやる必要はありません。上から2つか3つ、いま困っている順に手を付ければ足ります。
よくある質問
アプリ内ブラウザから来た人も、本当に見分けられますか?
アプリ内ブラウザの識別・参照元・リンクに付けた印の3つを併用して判断します。どれか1つでは取りこぼしが出るので重ねている、という作りです。確実さを上げたいなら、投稿やプロフィールに貼るリンクに自分で印を付けておくのがいちばん早いと思います。
「SNS全般」と「Instagram」は、どう使い分ければよいですか?
出す内容を変える予定が無いうちは「SNS全般」で1本にまとめておくほうが、管理も点検も楽です。Instagramには商品の写真、LINEにはお知らせ、というように投稿の役割が分かれてきて、着地したときに言うべきことが変わってきた段階で分ければ十分だと思います。
スマホだけに出す設定にしたほうがよいですか?
SNS向けはスマホのみにしておくことをおすすめします。来訪がスマホ中心であることに加えて、離れそうな動きを見るきっかけがパソコンでしか使えないためです。パソコン向けには、別のきっかけで1本作るほうが素直だと思います。
作ったのに、声かけが出てこないことがあります。
条件が重なったときは優先順位の高い1本だけが出るので、上位の声かけに食われている可能性があります。とくに、どこから来たかだけを条件にした1本はすべてのページで当てはまるため、他を押しのけがちです。トップページに限る、条件の細かいものを上に置く、という2点を見直してみてください。アナリティクスで表示回数が伸びていないものを探すと、原因の見当が付きます。
声かけから、問い合わせや資料請求までつなげられますか?
会話の中にフォームを出して、ページを移動させずに送信まで進めてもらえます。資料と引き換えに連絡先をいただき、申込者へ自動でメールを送る形にも設定できます。届いた内容は管理画面にまとまり、対応状況とメモを残せる作りです。導線の作り方はチャットボットでリード獲得を強化するにまとめました。
まとめ
SNSから来た人を取りこぼしているとき、たいていの原因は投稿の中身ではなく、着地したあとに何も起きていないことのほうにあります。参照元が付かないせいで来訪に気づけず、気づけないから迎える言葉も用意していない、という順番です。
手順としては、①どこから来たかを見分ける仕組みを入れる ②検索から来た人とSNSから来た人で声かけを分ける ③どこから来たかだけの条件はトップページに限り、他はページと組み合わせる、の3つです。3本目まで作れば、後から足していく形が見えてくるはずです。
設定の画面や、実際に出る声かけの見え方が気になる場合は、営業AIモードの機能ページで条件の一覧を確認できます。自社のサイトで試すなら、無料トライアルで1本だけ作って、いちばん反応のあった投稿のリンク先に置いてみるところからどうぞ。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。