AI導入は、どこから始めるか|最初の3か月でやること
AI導入で最初にやることは、道具を選ぶことではありません。使ってよい情報の範囲を決めることです。ここを飛ばすと、あとから取り消せないものが入ってしまいます。
そのうえで、1部署・1つの仕事・3か月。この大きさなら、うまくいかなくても戻せます。
最初の3か月

0か月目:範囲を決める
人事評価、個人が特定できる情報、他社との秘密保持契約がかかっている資料。この3つは対象外にしてください。判断に迷うものが出たときの相談先も、同時に決めます。
1か月目:1つだけ試す
選ぶのは、回数が多くて、答えが1つに決まる仕事です。営業時間や送料の問い合わせ、社内の手続きの質問など。地味に見えますが、合計時間が大きいので効果が出ます。選び方はAIで業務を効率化するにまとめました。
2か月目:うまくいかなかったものを集める
答えられなかった質問、間違えた回答、人が引き取ったもの。これが次に足す内容そのものです。ここを見る習慣がないと、いつまでも同じところで止まります。
3か月目:数え直す
1か月目に測った合計時間と比べます。減った分を、何に使ったかまで書いてください。ここが空欄だと、効果が「では人を減らせるか」という話にすり替わります。
先に決める4つ

長い規程にすると読まれません。次の5行を、社内の案内に貼るところから始めてみてください。
AIの利用について
1. 人事評価、個人が特定できる情報、他社との秘密保持契約がかかっている資料は入力しません
2. 利用するのは、会社が契約している環境のみとします
3. 金額・期限・条件が含まれる回答は、必ず元の文書と突き合わせます
4. お客さまへ送る文面は、担当者が内容を確認してから送ります
5. 判断に迷うものは、入力する前に情報システムへ相談してください
禁止を並べるより、やってよいことの範囲を書くほうが守られます。5つ目があると、現場が判断を抱え込まずに済みます。
利用ルールは、長い規程にすると読まれません。上の5行を社内の案内に貼るところから始めてみてください。5つ目の相談先があるだけで、現場が判断を抱え込まずに済みます。
止まるのは、たいていこの3つ

1. 決める人が決めていない
「情報システムに聞いてください」「総務に確認します」で止まる形です。可否を判断する人を1人決めておけば、現場は進めます。
2. 資料が散らばっている
渡す情報が整っていないと、どんな道具を入れても結果は出ません。共有フォルダに改定前の版が残っている、社内語だけで書かれている、見出しがない。準備のしかたは社内規程・マニュアルをAIに読ませる前にやることにまとめました。
3. 効果を測っていない
減ったかどうかを数えていないと、続ける根拠も、やめる根拠も出せません。1か月目に必ず、回数と1件あたりの分数を測っておいてください。
SHIRITAIで始める場合の3か月
ここからは実際の画面です。上で書いたことが、どの画面にあたるかをお見せします。
0か月目:使える人の範囲を決める
配布したURLと番号を持つ人だけが開けます。範囲を決めるのが最初の作業でした。

社内モードの設定。番号の一覧と、番号ごとの配布URL。(社内モード)
1か月目:10ファイルだけ読ませる
共有フォルダを丸ごと入れず、よく聞かれる範囲から。関連データの欄に添えます。

ナレッジ追加。資料は「関連データ」の欄からも渡せます。(資料から作成)
2か月目:答えられなかったものを見る
聞かれた言葉がまとまって出ます。次に足す内容が、実物から決まります。

質問分析。聞かれた言葉が意味の近いものごとにまとまります。(アナリティクス)
判定の基準:出所つきで答えられているか
30件のうち何件が、確かめられる形で返ったか。ここで広げるかどうかを決めます。

出典表示。答えの下に、もとにした資料名とページ番号が出ます。(AI自動応答)
やりがちな失敗
道具の比較から始める
止まる原因の多くは道具ではありません。範囲を決める、資料を整える、効果を測る。この3つのほうが先です。
全社で一斉に始める
うまくいかなかったときに戻せません。1部署・1つの仕事から始めてください。
禁止だけを決める
全面的に禁止すると、個人の端末で使われるだけです。むしろその状態のほうが把握できません。やってよい範囲を書いて公開するほうが、結果として管理できます。
誰を巻き込むか
導入が止まる原因の1つが「決める人がいない」ことでした。最初に、次の3つの役割を決めてください。兼任で構いません。
| 役割 | やること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 決める人 | 使ってよい範囲の可否を判断する | 情報の扱いを決められる立場 |
| 回す人 | 資料を用意し、答えられなかったものを見る | *その仕事をいちばんやっている人 |
| 数える人 | 回数と時間を測り、3か月目に報告する | 誰でもよい。ただし決めておく |
2つ目がいちばん大事です。その仕事をいちばんやっている人が回すと、何が足りないかがすぐ分かります。逆に、その仕事をしたことがない人が担当すると、登録する内容がずれます。
3か月たったあと
最初の3か月が終わったら、次のどれかを選びます。
- 広げる:手応えがあった。2つ目の仕事に進む。ただし同時に3つは始めない
- 掘り下げる:件数は減ったが、答えられないものが多い。範囲を広げず、答えを足すことに集中する
- やめる:回数がそもそも少なかった。無理に続けず、別の仕事を選び直す
3つ目を選べるようにしておくのが大事です。やめる判断ができる大きさで始めるから、次に進めます。1部署・3か月と決めておくのは、そのためでもあります。
なお、やめる場合も記録は残しておいてください。何を試して、どこで合わなかったか。これが2つ目を選ぶときの材料になります。
よくある質問
AI導入は、何から始めればいいですか?
使ってよい情報の範囲を決めるところからです。人事評価、個人が特定できる情報、他社との秘密保持契約がかかっている資料は対象外にしてください。ここを飛ばして使い始めると、あとから取り消すのが難しくなります。範囲を決めてから、1つの仕事で試します。
どのくらいの規模で始めるのが安全ですか?
1部署・1つの仕事・3か月が目安です。全社で一斉に始めると、うまくいかなかったときに戻せません。この大きさなら、成果が出なくても学びだけが残ります。手応えがつかめてから、2つ目に広げてください。
社内の利用ルールは、どこまで細かく決めるべきですか?
5行で足ります。入れてよい情報の範囲、使う環境、確認が要る範囲、相手に出す前の確認者、そして迷ったときの相談先。長い規程にすると読まれません。禁止を並べるより、やってよい範囲を書くほうが守られます。
AIの利用を全面的に禁止するのはどうですか?
個人の端末で使われるだけになり、むしろ何が入力されたか把握できなくなります。会社が契約した環境を用意して、入れてよい範囲を明示するほうが、結果として管理できる状態になります。禁止は、管理していることにはなりません。
導入が途中で止まってしまいます。原因は何でしょうか?
多くの場合、道具ではありません。可否を判断する人が決まっていない、渡す資料が散らばっている、効果を測っていない、のどれかです。特に3つ目が抜けていると、続ける根拠もやめる根拠も出せず、なんとなく立ち消えになります。最初に必ず、回数と1件あたりの分数を測っておいてください。
まとめ:範囲を決めて、1つだけ試す
AI導入は、使ってよい情報の範囲を決めるところから始めます。次に1部署・1つの仕事で3か月。うまくいかなかったものを集めて、最後に時間を数え直す。この順番なら、戻せる大きさで進められます。
止まる原因は道具ではなく、決める人がいない・資料が散らばっている・効果を測っていない、の3つでした。SHIRITAIは、10ファイル・30件から試せて、答えられなかった質問が記録に残るAIチャットボットです。最初の1つとして試したい方は、無料トライアルをお使いください。他社事例の読み方は生成AIの活用事例を、自社に置き換えるにまとめています。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。