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社内問い合わせを減らしたあとに残る仕事

社内問い合わせを減らしたあとに残る仕事

社内問い合わせを減らす取り組みがうまくいくと、件数は半分近くまで落ちます。ところが、担当者から「思ったほど楽になっていない」という声が出ることがあります。理由ははっきりしていて、残ったのは重い相談だけだからです。

簡単な質問が自動で片づいた結果、手元に残るのは判断が要るものばかりになります。これは失敗ではなく、想定しておくべき変化です。この記事では、減らしたあとに必要になる仕事を整理しました。

減らすと、何がどう変わるか

社内問い合わせを減らす前と減らしたあとの違い

件数は減り、1件あたりの時間は伸びます。合計時間で見れば確実に軽くなっているのですが、体感は「難しい話ばかり来る」に変わります。ここを事前に共有しておかないと、担当者は自分の対応が悪くなったのではないかと受け取ってしまいます。

残る相談は、たいていこの3種類

  • 例外を認めるかどうかの判断が要るもの
  • 複数部署にまたがる調整が必要なもの
  • 前例がない状況で、どうするか決める必要があるもの

どれも、答えを登録して自動で返せる種類ではありません。むしろ、こうした相談にきちんと時間を使えるようにするのが、減らす取り組みの目的だったはずです。

減らしたあとにやること

社内問い合わせを減らしたあとにやる3つのこと

1. 残った相談に、時間を割り当てる

空いた時間は、放っておくと別の仕事で埋まります。埋まってしまうと、重い相談を隙間で処理することになり、結局つらいままです。減らしたぶんのうち半分は、相談に使う枠として先に確保してみてください。

2. 答えられなかった質問を、毎月見る

自動で答えられなかった質問が、次に足す内容そのものです。ここを見る習慣がないと、いつまでも同じ質問が人に届き続けます。

見るのは月に10件で十分です。多く見ようとすると続きません。仕分けは3つ、情報を足す・言い回しを直す・人が持つ。読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方にまとめてあります。

3. 古い答えを消す

いちばん忘れられがちで、いちばん危ないのがこれです。制度が変わったのに古い答えが残っていると、間違った案内を自信を持って返し続けることになります。人が答えていた頃は「あれ、変わったんじゃないか」と気づけたところが、機械にはできません。

対策は単純で、制度や規程を変えるときの手順に「窓口の答えを直す」を1行足すことです。総務や人事の変更手順に組み込んでしまうのが確実でしょう。

シリタイ

減らしたあとに怖いのは、件数ではなく古い答えです。人が答えていた頃は「これ、変わったはず」と気づけました。制度を変えるときの手順に、窓口の答えを直す1行を足しておいてください。

減らしたあとの1年

社内問い合わせを減らしたあとの1年の流れ

山は3〜4か月目です。ここで「もう落ち着いたから」と手を止めると、半年後には古い答えが混ざった状態になります。逆に、月10件を見る習慣さえ残れば、あとは自然に回っていきます。

数字で残しておく

見るもの 数え方 減らしたあとの見え方
件数 月に人へ届いた問い合わせの数 半分前後まで下がる
自己解決の割合 人が出ずに終わった数 ÷ 全体 上がっていく
1件あたりの時間 合計時間 ÷ 件数 むしろ伸びる(正常)
答えられなかった数 月に自動で返せなかった数 3〜4か月目から下がる

1件あたりの時間が伸びるのは正常な変化です。ここを「悪化」と読まないよう、報告する側もされる側も先に握っておいてください。

SHIRITAIだと、あとの運用がどうなるか

ここからは実際の画面です。上で書いたことが、どの画面にあたるかをお見せします。

答えられなかったものが、記録に残る

毎月見るべきものが、探さなくても並んでいる状態になります。

月の切り替えと、経由・評価での絞り込み。

月の切り替えと、経由・評価での絞り込み。(利用履歴)

評価から、直すべき会話をたどれる

低い評価がついた会話をここから開けます。月10件を選ぶときの入口です。

アナリティクスの評価。ここから該当の会話を開けます。

アナリティクスの評価。ここから該当の会話を開けます。(利用履歴)

答えを直すのは、その場でできる

制度が変わったら、該当のファイルを差し替えます。古い記述を探し回りません。

ナレッジ管理。AIアシスタントは、この画面の上部のボタンから開きます。

ナレッジ管理。AIアシスタントは、この画面の上部のボタンから開きます。(サイト調査おまかせ)

残った重い相談は、状態を持って人に届く

件数が減ったあと、ここに何件たまるかが実態です。

進行中の会話の一覧。往復数と状態を見てから参加できます。

進行中の会話の一覧。往復数と状態を見てから参加できます。(会話への割り込み)

やりがちな失敗

空いた時間を、すぐ別の仕事で埋める

減らした効果が、担当者には一切返ってきません。次に何かを減らそうという話も出にくくなります。半分は相談に使う枠として残してください。

古い答えの見直しを、誰の仕事にもしない

制度変更の手順に「窓口の答えを直す」を入れるまでは、必ず抜けます。担当ではなく手順に組み込むのが確実です。

件数だけを報告する

件数が半分になった、とだけ報告すると「では人を減らせるか」という話になります。1件あたりの時間が伸びていること、残ったのが判断の要る相談であることも、あわせて出してください。

社内で通る報告のしかた

減らした効果は、出し方を間違えると「では人を減らせるか」という話になります。次の3点をそろえて出してください。

  • 件数と合計時間の両方。件数だけだと、1件が重くなったことが伝わりません
  • 空いた時間で何ができたか。手が回っていなかった仕事の名前を書きます。ここが空欄だと、効果が人員の話にすり替わります
  • 残っている相談の中身。判断が要る相談が何件あって、1件あたりどれくらいかかっているか

報告は、月に1回・A4で半ページくらいがちょうどいい分量です。凝った資料を作ろうとすると、報告自体が続きません。数字は3つまでに絞ってください。

減った状態を、元に戻さないために

いったん減っても、半年後に元に戻っている会社があります。理由は3つに絞られます。

  • 答えを足す人がいなくなった。担当が異動して、そのまま引き継がれていない
  • 制度が変わったのに、答えが直っていない。使われなくなり、また人に聞くようになる
  • 新しい人に、窓口の存在が伝わっていない。入社時の説明に入っていないと、隣の席に聞きに行きます

3つ目は見落とされがちです。入社時の案内に「まずここで聞いてください」の1行を入れておくだけで、新しく入った人からの質問がそこに集まります。

年に一度、答えを棚卸しする

月10件の見直しとは別に、年に一度は全体を見る時間を取ってください。見るのは次の3つです。

見るもの やること
1年間、一度も使われていない答え 消す。あることで探しにくくなっている
1年以上更新していない答え いま正しいかを確かめる。特に金額と期限
よく使われている上位10件 言い回しを見直す。もっと短く答えられないか

増やすことより、消すことのほうが難しく、効きます。使われていない答えは、探す邪魔になっているだけです。半日あれば終わるので、年度の切り替わりなど決まった時期に入れておいてください。

よくある質問

問い合わせが減ったのに、担当者が楽になったと言いません。なぜですか?

簡単な質問が自動で片づいた結果、手元に残るのが判断の要る相談ばかりになるためです。合計時間では確実に軽くなっていますが、1件あたりの重さは増しています。この変化を先に共有しておくことと、空いた時間の一部を相談用の枠として残しておくことで、受け取り方がかなり変わります。

減らしたあと、人を減らせますか?

件数だけを見て判断すると、残った重い相談を回せなくなります。減った分の効果は、人数ではなく「これまで手が回らなかった仕事に着手できるようになった」ところに出します。報告するときは、件数と一緒に1件あたりの時間が伸びていることも出してください。

答えが古くなっていないか、どうやって確かめますか?

制度や規程を変えるときの手順書に、「窓口の答えを直す」を1行足すのがいちばん確実です。担当者の記憶に頼ると必ず抜けます。あわせて、年に一度は登録してある答えを全部見直して、使われていないものを消す時間を取ってください。

どのくらいの期間で効果が安定しますか?

3〜4か月が目安です。最初の2か月は聞かれ方が定まらないので、答えの言い回しを直す時期になります。3か月目あたりから答えられなかった質問が減り始め、5か月目以降は制度変更のたびに直す運用に落ち着きます。ここで手を止めると元に戻るので、月10件を見る習慣だけは残してください。

答えられなかった質問は、全部見るべきですか?

月に10件で十分です。多く見ようとすると続きません。上から10件を開いて、情報を足す・言い回しを直す・人が持つ、の3つに仕分けるだけです。1件5分もかからないので、30分あれば終わります。続けることのほうが、1回の量より大事なところです。

まとめ:減った先を、先に決めておく

社内問い合わせを減らすと、件数は半分に、1件あたりの時間は長くなります。残るのは判断が要る相談です。だから、空いた時間の半分は相談の枠として確保する、月に10件だけ答えられなかった質問を見る、制度変更の手順に古い答えの修正を組み込む。この3つを最初から決めておくと、減らしたあとも回り続けます。

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