アンケート型の声かけ|帰る前に一問だけ聞いて、検討度をたずねる
アンケート型の声かけは、読み終わりや離脱の手前で、一問だけ選んでもらう聞き方です。押すだけで答えられる形にしておくと、何を探していたのか、検討がどのあたりかが、一回の操作で記録に残ります。
手を付ける順番は、どこでいつ出すかを決める、設問を作る、答えたあとの行き先を用意する、の3つになります。設問から考えはじめると出し場所が決まらないので、置き場所を先に固めるほうが早いのではないでしょうか。聞ける数は多くても2問です。
来た人の数は分かるのに、何を探していたのかは残らない
月末に出てくる資料が、訪問数と問い合わせ件数の2つだけ、という会社は少なくないと思います。数字そのものは間違っていません。ただ、その2つのあいだにあることが、まるごと抜けています。
来てくれた人は何を探していたのか。どのページで迷ったのか。今すぐ検討している人だったのか、なんとなく見ていただけなのか。そこが分からないまま「今月も問い合わせが伸びませんでした」と報告する会議は、正直しんどいはずです。
そこで、チャットの窓を出して「何かお探しですか」と声をかける。よくある一手ですが、たいていは押されないまま消えていきます。原因は声をかけたこと自体ではなく、聞き方が「書いてください」になっているところにあるかもしれません。
書いてもらうより、選んでもらう
白い入力欄は、聞きたいことが自分の中で言葉になっている人しか使えません。そして、そこまで固まっている人は、たいてい自分で探して、自分で問い合わせます。声をかけて拾いたいのは、その手前にいる人のほうです。
「何を聞けばいいのかも、まだ分かっていない」。この状態の人に必要なのは、質問を考える手間ではなく、思い出すための手がかりです。「料金」「他社との違い」「導入の手間」と3つ並んでいれば、自分の関心にいちばん近いものを押せます。指1本で終わります。

押してもらえると、こちらにも残るものがあります。何を選んだかが記録になり、次の案内の材料になります。声をかけること自体の考え方はWebサイトで「接客」できていますか?チャットボットで待ちを先回りに変えるで整理しているので、あわせて読んでみてください。
「一問だけ」という縛りが効く
設問を5つも6つも並べると、見た目がアンケートになります。アンケートは、答える側に得がありません。回収したいのはこちらの都合で、相手にとっては手間だけが増える形です。
一問なら「まあ押すか」の範囲に収まります。しかも、押したあとにその人向けの案内が返るなら、答えた側にも見返りがあります。聞くのは1問か2問、その代わり答えたら何かが返る。この形にしておくと、答えてもらえる確率が変わってきます。
SHIRITAIでは、どう作るか
ここからは実際の画面です。詳細設定の応答タイプで「営業AIモード」を選ぶと、サイドバーに「トリガー」が出ます。アンケート型の声かけは、そのトリガーの中で作ります。作っただけでは動かず、初期状態では止まっているので、どこで・誰に出すかを決めてはじめて動き出す形です。
1. どこで、いつ出すかを決める
先に出す条件のほうから決めます。設定は「どこで・どこから来た人に・いつ・誰に・何回」の順に並んでいます。

「どこで」は、すべてのページ/URLに含む/このパスで始まる/URLが完全一致/このドメイン配下/正規表現から選びます。「いつ」は、スクロールが何%まで進んだら、何秒とどまったら、離れそうな動きをしたら(PCのみ)、何回目以降の訪問か。「何回」は、条件に合えば毎回/1回の訪問につき1度/同じ訪問者には一度だけ、に加えて、次に出すまでの最短時間と1訪問あたりの上限まで決められます。
実務でよく使うのは、たとえば料金ページで、スクロールが80%まで進んだら、同じ訪問者には一度だけという組み合わせです。読み切ったところ、という位置に意味があります。
逆に、開いた直後に出すのはやめておいたほうがよさそうです。Google 検索セントラルのブログ(2016年8月23日公開)では、2017年1月10日以降、モバイル検索から来た人がすぐ本文にたどり着けないページを掲載順位で下げる、という方針が告知されました。問題として挙げられているのは、遷移した直後や閲覧の最中に本文を覆い隠す形の表示です。反対に、画面に対して妥当な大きさで、かんたんに閉じられるバナー程度なら影響を受けない、とも書かれています。ただし同じ記事には、これは順位に使われる数百のシグナルのうちの1つにすぎない、という但し書きも添えられています。
つまり、避けるべきなのは声をかけること自体ではなく、本文を覆う出し方のほうです。SHIRITAIの声かけは全画面では開きません。断られたことを覚えさせるには表示頻度を絞る必要があり、既定の「条件に合えば毎回」のままだと出し直します。条件が重なったときは、優先順位の高い1本だけが出ます。
2. 設問を作る
条件が決まったら、中身です。声かけカードは「メッセージ」と「アンケート」のどちらで出すかを選べます。ここでアンケートを選ぶと、選択肢の代わりに1問目がカードの上に出ます。相手が何かを押してから設問が始まるのではなく、声をかけた時点でもう1問目が見えている形です。

設問は一度に1つだけ出ます。上には進み具合のバーと「1 / 2」のような残りの数が出るので、あと何問あるのかが相手にも分かる形です。答え方は設問ごとに、1つ選ぶ・いくつでも選べる・自由に書いてもらうの3種類から決めます。
回答を必須にすると答えるまで次に進みません。必須を外しておくと「この質問をとばす」が出るので、答えたくない設問で行き止まりになりません。最後のボタンの文字と、答え終わったあとのお礼のことばも書き換えられます。ここは「送信」のままにせず、「この内容で聞いてみる」のように、次に何が起きるかが分かる言葉にしておくと、押す前の迷いが減るはずです。

設問を足したくなったら、代わりに1問削れないかを先に考えてみてください。3問目から答えが目に見えて減ります。
3. 答えたあと、どうつなぐか
ただのアンケートと違ってくるのは、この部分です。「回答内容をふまえてAIに案内させる」をオンにすると、AIへの依頼文に書いた {answers} の場所へ、選ばれた内容が差し込まれます。そのままチャットの案内に移るので、答えて終わりになりません。
細かい話ですが、訪問者の吹き出しには依頼文ではなく選んだ内容だけが出ます。裏側の指示が相手に見えてしまうことはありません。
AIを使わない形も選べます。オフにすると、お礼のことばと、そこで用意しておいた選択肢だけが出ます。答えの組み合わせが2通り3通りに収まっていて、行き先を決め打ちたいときは、こちらのほうが読みやすい案内になります。迷ったら、答えの組み合わせが多いならAI、少ないなら決め打ちで分けてみてください。
設問は2問まで。何を聞くかで、後の使い道が決まる
聞いてよいのは、答えが返ってきたあとに、こちらが動ける問いだけです。基準は3つに絞れます。時期・立場・困りごと。この3つのどれかに当たっていない設問は、集計しても眺めて終わります。
| つい入れたくなる問い | 代わりに聞く問い | 答えが返ったあとにできること |
|---|---|---|
| サイトは見やすかったですか | 今日いちばん知りたかったことは、どれに近いですか | 足りていないページが分かる |
| 満足度を5段階でお答えください | いま、どのあたりを検討中ですか | 案内の深さを変える。営業が声をかける順番も決まる |
| ご要望をご自由にお書きください | 迷っているのは、次のどれに近いですか | 選択肢ごとに件数が出て、次に直す場所が決まる |
| ご興味のある製品をすべて選んでください | どちらの立場でご覧になっていますか | 社内提案向けの資料と、担当者向けの説明を出し分ける |
| お名前・会社名・メールアドレス | ここでは聞かない | 連絡先は、フォームや資料の受け取りの場面で受ける |
最後の行が、いちばん間違えやすいところだと思います。1問目に連絡先を置くと、そこで止まります。連絡先はもっと後、相手に受け取るものがある場面で受けたほうが自然です。チャットの中に出すお問い合わせフォームや、資料ダウンロードがその役割になります。この受け渡しの設計はチャットボットでリード獲得を強化するで導線ごとに書いています。
実際の声かけと、返ってくるもの
設定した内容が、来訪者の画面ではどう動くか。3つ並べます。
出す条件:料金ページ・スクロール80%まで進んだら・同じ訪問者には一度だけ
最後に一問だけ、教えていただけますか。いま、どのあたりを検討されていますか(情報を集めている/社内で比べている/時期が決まっている)
社内で比べている
ありがとうございます。社内で比べる段階でよく確認されるのは、答えられる範囲・更新の手間・費用の3点です。それぞれ一言でまとめると、次のようになります。(以下、登録した内容から続きます)
出す条件:導入事例ページ・離れそうな動き(PCのみ)・1回の訪問につき1度
今日いちばん知りたかったことは、どれに近いですか(料金/他社との違い/導入の手間/うちでも使えるか)
導入の手間
準備の中心は、答えの元になる内容を登録する作業です。よく届く質問の上位20件ほどが用意できていれば、そこから先は早く進みます。手順をこのままご説明しましょうか。
「回答内容をふまえてAIに案内させる」をオフにした場合
どちらの立場でご覧になっていますか(自分の部署で使いたい/社内に提案する立場)
社内に提案する立場
ありがとうございます。次のどちらをご覧になりますか。(社内説明用の資料を受け取る/費用の考え方を見る)
集まった回答を、どう読むか
回答はアナリティクスの「アンケートの回答」に集まります。トリガーごとに、最後まで回答した件数、設問ごとの回答数、選択肢ごとの件数と割合が並びます。見る順番は3つです。

1つ目は最後まで答えた件数。声かけが仕事をしているかどうかは、まずここに出ます。2つ目が設問ごとの回答数の差で、設問1と設問2で数が大きく落ちていれば、2問目に無理があります。文面が長い、選択肢が多い、答えにくいことを聞いている。そのどれかを疑ってみてください。3つ目が選択肢ごとの割合です。
その手前の数字も見ておくと、原因の切り分けが早くなります。トリガー別に、表示回数・反応数・反応率が並びます。

反応率が低いときは、出す場所 → 出すタイミング → 1問目の文面 → 選択肢の言葉の順に疑うと早いはずです。場所とタイミングが合っていないのに文面だけ直しても、数字はほとんど動きません。逆に、表示回数そのものが少ないなら、条件が厳しすぎるだけかもしれません。
選択肢ごとの割合は、そのまま次の作業の順番になります。多く選ばれた項目の答えが、サイトのどこにも書かれていない。これがけっこうな確率で起きています。指標の置き方や月次のまとめ方はチャットボットのKPI設定と効果測定、実際に来た言葉の読み方は会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方にまとめてあります。
離れそうなときに出すか、読み終わったところで出すか
同じアンケート型の声かけでも、出す位置で目的が変わります。使い分けの目安を書いておきます。
離れる直前に出すほうは、取りこぼしを拾う使い方です。離れそうな動きはPCでしか取れないので、スマホでは滞在時間かスクロール率で代用します。ここで聞くのは「今日いちばん知りたかったこと」のような、来た目的を思い出してもらう問いが向いています。答えてもらえたら、そのまま案内に入って、間に合えば会話が続きます。
読み終わったところで出すほうは、関心の高い人だけを拾う使い方です。料金ページを最後まで読んだ人、事例を2ページ以上見た人。母数は減りますが、返ってくる答えの精度は上がります。聞くのは検討の段階や立場のように、営業が次の一手を決められる問いにしておきます。
出さないほうがよい場面も決めておいてください。問い合わせフォームに入力している最中、購入や申し込みの手続きの途中、すでに問い合わせを済ませた人の再訪問。ここで話しかけると、進んでいる手を止めるだけになります。営業の場面全体での置きどころはチャットボットの営業活用もあわせてご覧ください。
運用の担当と周期も決めておくと続きます。おすすめは、月に一度、営業の担当者が回答の内訳を10分だけ見て、選択肢の言葉を1つだけ入れ替えるやり方です。まとめて作り直すより、1つずつ替えたほうが、何が効いたのかが分かります。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左が現場で起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| 何を探していたのか分からないまま帰られる | 帰りぎわに1問だけたずね、選ばれた内容が記録として残る |
| 「何かお探しですか」に反応がない | 入力を求めず、選択肢を押すだけで進む形にする |
| 設問が多いと途中でやめられる | 1問ずつ出し、進み具合のバーと残りの数で先が見える |
| 答えたくない設問で止まってしまう | 必須を外すと「この質問をとばす」が出る |
| 聞いたきりで、案内につながらない | 依頼文の {answers} に回答が入り、そのまま案内に移る |
| AIに任せず、答えごとの行き先を決めたい | AIを使わず、お礼と用意した選択肢だけを出す形にする |
| どこで声をかけるか決められない | ページ・滞在時間・スクロール率・離れそうな動き・訪問回数で条件を組む |
| 同じ人に何度も出てしまう | 1回の訪問につき1度/同じ訪問者には一度だけ、間隔と上限も決められる |
| 回答が手元で集計できない | 設問ごと・選択肢ごとの件数と割合がアナリティクスに並ぶ |
| 連絡先をどこで受け取るか迷う | チャットの中のフォームや資料の受け取りで、別の場面として受ける |
10個すべてに手を付ける必要はありません。1本目のトリガーを、いちばん読まれているページに1つ置くところからで足ります。
よくある質問
設問は何問くらいがよいですか?
2問までをおすすめしています。設問ごとの回答数はたいてい落ちていくので、3問目を足すと、その分だけ最後まで答えてくれる人が減ります。どうしても3つ聞きたいときは、いちばん優先度の低い1問を消して、その答えは会話の中で聞くほうが現実的だと思います。
声かけが出すぎて、嫌がられませんか?
回数の条件で抑えられます。1回の訪問につき1度、同じ訪問者には一度だけ、といった指定に加えて、次に出すまでの最短時間と1訪問あたりの上限も決められます。全画面では開かず、表示頻度を絞れば断られたことを覚えます。あわせて、ページを開いた直後に本文を覆う形で出さないでください。Googleが2017年1月10日以降の順位付けについて公式ブログで述べているのは、まさにその出し方についてです。
名前やメールアドレスも、ここで聞いてよいですか?
アンケートの設問では聞かないほうがよいと考えています。1問目に連絡先を置くと、そこで手が止まります。連絡先は、チャットの中に出すお問い合わせフォームや、資料を受け取る場面で受けたほうが、相手にとっても順番が自然です。
AIを使わずに、答えごとの行き先を決めておけますか?
できます。「回答内容をふまえてAIに案内させる」をオフにすると、お礼のことばと、用意しておいた選択肢だけが出ます。答えの組み合わせが2通り3通りに収まっていて、その先の案内を決め打ちたいときは、こちらのほうが扱いやすいはずです。
回答はどこで見られますか?
アナリティクスの「アンケートの回答」に、トリガーごとの最後まで回答した件数、設問ごとの回答数、選択肢ごとの件数と割合が並びます。設問ごとの回答数の差を見れば、どこで答えが止まっているかも見当がつきます。月に一度、担当者が10分見る時間を決めておくと、放置になりません。
まとめ
帰る前の一問は、アンケートを取る作業ではなく、次に何を直すかを教えてもらう作業だと考えています。答えてもらった内容がそのまま案内につながり、選択肢の件数がそのままサイトの直す順番になる。この2つがつながっていれば、聞く意味があります。
手順としては、①いちばん読まれているページを1つ選ぶ ②読み切ったところか、離れそうなときに出す条件を決める ③時期か困りごとを、1問だけ聞く、の順です。設定の画面をそのまま触ってみたい場合は、アンケート型の声かけの機能ページと、無料トライアルで、自社のページに合う問いを1つ作ってみてください。集めた回答を売上につなげるところまでの考え方はチャットボットのマーケティング活用にまとめています。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。