ECサイトのチャットボット導入|入れる前に決める3つと、向かないケース
ECサイトにチャットボットを入れるかどうかは、機能の比較より先に置く場所・答えさせる範囲・更新する人の3つを決めてから判断すると迷いにくくなります。ここが決まらないまま入れると、聞きたい場面に出てこない、答えられずに終わる、数か月で中身が古びる、のどれかで止まりやすいと思います。
まだ入れていないなら、決めておく3つのところから読むと順番が崩れません。すでに置いていて答えられずに終わっているなら、シナリオ型では商品が増えたときに行き詰まる、という節が近いと思います。
ECの問い合わせは「買う直前」に集中する
ECサイトに届く問い合わせを並べてみると、内容がかなり偏っていることに気づきます。送料はいくらか、このサイズで合うか、いつ届くか、返品はできるか。ほとんどが購入ボタンを押す直前の質問です。
ここが実店舗との大きな違いだと思います。店頭なら「これ、Mでいけますかね」と店員に一言聞いて終わる話が、ECでは問い合わせフォームを開いて、名前を書いて、送信して、翌日の返信を待つ作業になります。その手間に見合うほどの疑問ではないので、多くの人は聞かずに閉じます。
どこで離れているかを見る
離脱は3か所で起きています。商品ページ、カート、支払い画面です。それぞれで詰まる理由が違います。

自社のどこが弱いかは、アクセス解析の画面で分かります。商品ページからカートへ進む率、カートから支払いへ進む率、支払いを完了する率。いちばん落ちている段の直前に置くのが、チャットボットの置き場所としては素直です。
件数の見当をつけるなら、直近1か月の問い合わせを数えて、1件あたり何分かかっているかを掛けてみてください。月300件で1件15分なら75時間です。実際にはメールを書く時間だけでなく、作業を中断されて戻るまでの時間も乗ります。
届いている問い合わせを、3つに仕分ける
入れるかどうかの判断材料は、他社の導入率ではなく自社に届いている問い合わせの中身です。直近1か月ぶんを、次の3つに分けてみてください。
| 種類 | 具体例 | 自動化との相性 |
|---|---|---|
| ルールを聞かれているもの | 送料、返品条件、支払い方法、配送日数 | いちばん向いている。答えが変わらない |
| 選ぶのに迷っているもの | サイズ、色味、用途に合うか、他商品との違い | 向いている。ただし答え方を用意する手間がかかる |
| 注文したあとの個別の話 | 配送遅延、破損、キャンセル、名前や住所の変更 | 向かない。人が受けるところ |
ざっくりでよいので、この3つの割合を出します。上2つで6割を超えていれば、入れる価値があります。逆に3つ目が大半なら、チャットボットではなく受注管理や配送業者との連携を見直したほうが早く効きます。
この仕分けは、導入したあとにも使えます。何を登録するかの優先順位が、そのまま上から順に決まるからです。窓口全体で「何を任せ、どこから人が出るか」を決める考え方はカスタマーサポートのAIチャットボット|任せる範囲の決め方と、品質のそろえ方にまとめています。
入れる前に決めておく3つのこと
ECでチャットボットがうまくいくかどうかは、導入した後の運用より、入れる前に決めたかどうかで分かれるように思います。決めるのは3つだけです。

① どのページに置くか
よくある質問ページの下だけに置くのは、あまり効きません。そこまでたどり着ける人は、たいてい自力で答えを見つけています。置くなら商品ページと、カートに入れた直後です。迷っている本人がいる場所に置く、というだけの話です。
② どこまで答えさせるか
ECで気をつけたいのが、在庫と価格です。この2つは日々変わるので、古い情報を自信満々に答えるチャットボットができあがると、かえって面倒が増えます。
現実的な線引きは、「条件と考え方は答える、いま何個あるかは商品ページを見てもらう」です。たとえば「セール品は返品対象外」「5,000円以上で送料無料」といったルールは変わらないので任せられます。逆に「この色の在庫は残り2点です」は、任せる相手として向いていません。
③ 誰が更新するか
いちばん抜けやすいのがここです。返品条件を変えたとき、送料を改定したとき、登録した内容も直す。この一手間が運用に組み込まれていないと、半年後には誰も信用しない窓口になります。
担当を決めるコツは、すでにその情報を管理している人に持たせることです。送料は物流担当、返品条件はCS担当、というように分けたほうが、「チャットボット担当」という新しい仕事を作るより続きます。
あわせて、更新のきっかけも決めておくと抜けません。ECの場合、条件が変わる場面はだいたい決まっています。セールの開始と終了、送料の改定、繁忙期の配送日数の変更、支払い方法の追加。この4つを社内の作業手順に「登録内容も直す」の一行として書き足しておくだけで、放置される確率はかなり下がります。
正直に言うと、向かないケースもあります
すべてのECサイトに必要かというと、そうではないと思います。次のような場合は、先に別のことをしたほうが効きます。
- そもそも訪問者が少ない場合。問い合わせが月に数件なら、まず集客のほうが先です
- 商品が数点しかなく、説明も短い場合。商品ページを厚くするほうが早く終わります
- 問い合わせの中身がほぼ受注後の個別対応(配送トラブル、破損対応)の場合。これは人が受けるべきもので、自動化する範囲が残りません
逆に向いているのは、商品数が多い、サイズや仕様の質問が多い、夜間のアクセスが多い、といったサイトです。ECは夜に見られやすいので、夜間・休日の問い合わせを取りこぼさない方法もあわせて読むと判断しやすいと思います。
シナリオ型を選ぶと、商品が増えたときに行き詰まる
もうひとつ、型の選択があります。あらかじめ用意した選択肢をたどるシナリオ型は、商品が10点なら成立しますが、100点、500点になると分岐が管理しきれなくなります。セール価格や仕様変更のたびに手で直すことになり、更新が止まった時点で古い情報を返し続けます。
「身長158cmだと着丈はどれくらいですか」のような聞き方も、選択肢では受けきれません。型の違いはシナリオ型と生成AI型のチャットボットを比較するに整理してあります。
SHIRITAIでは、どう作るか
1. 商品の情報を登録する
商品名、価格、説明を登録しておくと、その内容をもとに答えます。ECの場合は商品そのものより、送料・返品・支払い方法といった共通のルールを先に入れたほうが、効き目が早く出ます。

2. 条件を組み合わせた質問に答える
登録した内容から、条件を組み合わせて答えます。「沖縄でいくら買えば送料無料か」のように、表に書いてある2つの条件をまたぐ質問にも返せます。

教えていないことは推測で答えません。ECでは間違った案内がそのまま返品や苦情になるので、ここは大事なところだと思います。
3. 迷っている場所に置く
発行されたコードを貼るだけで置けます。商品ページとカートの2か所から始めて、効いた場所を残す、という試し方ができます。

置いたあとの設計、つまり「買う直前の質問にどう答えるか」を詰めていく段階については、ECサイトのチャットボット活用|「買う直前の質問」に答えて、かご落ちを減らすのほうが具体的です。本記事は入れるかどうかを決めるところまでを扱っています。
こんな質問に、こう答えます
ECで実際に届く質問と、登録した内容から返る答えの例です。
登録した内容:送料は全国一律600円、税込5,000円以上で無料。北海道・沖縄は1,200円
あといくら買ったら送料タダになりますか
税込5,000円以上のご購入で送料が無料になります。現在の送料は全国一律600円(北海道・沖縄は1,200円)です。カートの合計金額をご確認いただき、5,000円まであと少しでしたら、まとめてのご注文がお得になります。
登録した内容:返品は到着後8日以内・未使用のもの。セール品は返品対象外
セールで買ったやつ、サイズ合わなかったら返せますか
セール対象商品は返品をお受けしておりません。通常価格の商品でしたら、到着後8日以内・未使用のものに限りご返品を承っています。サイズでご不安がある場合は、商品ページの採寸表をご確認いただくか、気になる点をお聞かせください。
在庫の個数は答えさせず、商品ページへ案内する
このシャツの黒のM、まだ残ってますか
在庫の残数は商品ページの表示が最新となりますので、そちらをご確認ください。もし「在庫なし」と表示されている場合でも、再入荷のご案内を差し上げられることがあります。ご希望でしたら担当者におつなぎします。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左がECの現場でいま起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| 商品ページに書いてあることを何度も聞かれる | 共通のルールを登録して、その場で返す |
| 夜に届いた質問に、翌朝気づく | 時間帯に関係なく一次対応が動く |
| 送料や返品条件の説明文を毎回コピーしている | 登録した内容から自動で返る |
| サイズが不安で買われずに終わっている | 採寸の考え方を答え、判断できる状態にする |
| カートまで来て離脱している | カートの手前に置いて、その場で疑問を解く |
| 何を聞きたかったのか分からないまま消えている | 実際に聞かれた言葉が利用履歴に残る |
| 商品ページのどこが分かりにくいか掴めない | 質問の傾向から、直すべき記述が見える |
| 在庫や価格の誤案内が怖い | 変わる情報は答えさせず、商品ページへ案内する形にできる |
| 込み入った相談まで自動で返されるのが不安 | 担当者へ引き継ぐ導線を用意できる |
| 設置や入れ替えに手が回らない | 発行されたコードを貼るだけで置ける |
全部を一度にやる必要はありません。送料・返品・支払い方法の3つを登録するだけでも、届く質問はかなり減るはずです。
よくある質問
商品数が多いのですが、全部登録しないといけませんか?
いいえ。まず登録すべきなのは商品ごとの情報ではなく、全商品に共通するルール(送料、返品、支払い方法、配送日数)です。届く質問の多くはこちらです。商品ごとの細かい仕様は、よく聞かれるものから足していけば足ります。
在庫数や価格は自動で反映されますか?
登録した内容をもとに答える仕組みなので、変わり続ける数字は登録内容の更新が前提になります。実務では、在庫の残数を答えさせるより商品ページを見てもらう案内にしておくほうが安全です。価格も、セールのたびに直す運用が回るかどうかで判断してください。
問い合わせ件数は減りますか?
チャットを含めた総数は増えることのほうが多いです。フォームを開くほどではないと諦められていた質問が表に出てくるためです。減るのは人が直接対応した件数のほうなので、比べるときはそちらを見てください。フォームとの役割分担は問い合わせフォームとチャットボットの違い|フォームで足りる場合と、足りない場合にまとめています。
受注後の問い合わせ(配送遅延・破損)も任せられますか?
一次受けまでにとどめることをおすすめします。「いつ届くか」「どこに連絡すればよいか」の案内は任せられますが、破損やトラブルの対応そのものは人が受けるべきものです。謝ってから担当者につなぐ、という形にしておくと、こじれにくくなります。
費用はどれくらいですか?
SHIRITAIは月額9,800円から用意しています。プランごとの違いは料金ページをご覧ください。判断の順番としては、費用より先に「どの質問を任せるか」を決めておくと、必要な範囲が見えやすくなります。
まとめ
ECにチャットボットを入れるかどうかは、買う直前の質問がどれだけ来ているかで決まります。訪問者が少ない、商品が数点しかない、受注後の個別対応が中心、という場合は、先に別の手を打ったほうが効きます。
入れると決めたら、置く場所・答えさせる範囲・更新する人の3つを先に決めてください。とくに在庫と価格をどう扱うかは、後から揉めやすいところです。実際の答え方を確かめたい場合は、無料トライアルで自社の送料と返品条件を登録して、返ってくる答えを見てみてください。ECサイトでの利用シーンも用意しています。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。
ECサイトの離脱を防ぐAIチャットボット|サイズ相談・在庫確認・配送FAQを24時間自動化
ECサイトのカゴ落ちと営業時間外の問い合わせをAIチャットボットで解消。商品DB連携でサイズ・在庫・配送・返品をその場で回答し、CVR改善と客単価向上、有人切替まで一気通貫で自動化します。
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