サイトの多言語対応、現実的な進め方
サイトの多言語対応というと、全ページを翻訳する話に聞こえます。ところが実際に必要なのは、たいていごく一部です。海外や訪日のお客さまが知りたいのは、営業時間・場所・料金・手続きといった限られた項目であることが多いためです。
そして、いちばん忘れられがちなのが「訳したページを見て問い合わせが来たとき、誰が答えるのか」というところです。この記事では、現実的な進め方を整理しました。
3つのやり方

1. 翻訳して別ページを作る
いちばん品質が安定する形です。ただし、続ける手間が言語の数だけ増えます。日本語のページを直したときに、他の言語も直す。この運用が回らないと、日本語だけ最新で、他が去年のままという状態になります。
全ページでやると、たいてい半年で追いつかなくなります。訳すページを絞るのが現実的です。
2. 自動翻訳を差し込む
手間は小さく済みますが、訳の質を制御できません。固有名詞、業界の用語、料金の条件。このあたりが崩れると、かえって混乱を招きます。
使うなら、料金や条件のような間違うと困る箇所だけは手で訳した文を用意しておくのが安全です。
3. 問い合わせだけ多言語にする
ページ本体は日本語のまま、質問に答える窓口だけ多言語にする形です。手間が小さいわりに、知りたいことには答えられます。
意外に思われますが、「ページを読む」より「聞いて確かめる」ほうが早い場面は多いです。特に、営業時間やアクセスのような短い情報はそうでしょう。
先に決める3つ

1. どの言語まで対応するか
アクセス解析で、来訪者のブラウザの言語設定が分かります。想像で決めずに、実際に来ている言語から決めてください。英語だけで足りることもあれば、中国語と韓国語のほうが多いこともあります。
2. 何を訳すか
ここで手間が10倍変わります。全ページか、主要ページだけか、問い合わせの受け答えだけか。まずは聞かれることの多い順に、料金・アクセス・営業時間・手続きの4つから始めるのが無駄になりません。
3. 誰が答えるか
いちばん抜けやすいのがこれです。英語のページを作ったあと、英語で問い合わせが来ます。それを受けるのは、日本語しか話せない担当者かもしれません。
英語のページを作ると、英語で問い合わせが来ます。受ける体制を決めずにページだけ増やすと、答えられない問い合わせが溜まって、かえって印象を悪くします。訳す範囲と、受ける体制は同時に決めてください。
小さく始める順番

②を先にやる理由は、何を訳すべきかが実際の質問から決まるからです。想像で全ページを訳すより、聞かれたものから訳していくほうが、無駄がありません。
費用の見積もり方
| かかるところ | 見積もりの目安 |
|---|---|
| 翻訳そのもの | 文字数×単価。専門用語が多いほど上がる |
| ページを作る作業 | 言語の数×ページ数。ここが見落とされやすい |
| 更新の手間 | 毎回、言語の数だけ増える。年間で見積もる |
| 問い合わせへの対応 | 誰が答えるか。外注するなら、その費用 |
初期の翻訳費用だけを見て判断すると、あとで更新の手間に驚くことになります。年間の運用まで含めて見積もってください。
SHIRITAIだと、②から始められる
ここからは実際の画面です。上で書いたことが、どの画面にあたるかをお見せします。
②から始める:言語ごとに名前と最初の一言だけ
ページを訳す前に、まず窓口を多言語にします。設定はこれだけです。

海外対応の設定。言語ごとに名前と最初のメッセージだけを書きます。(多言語対応)
英語に切り替えたところ。知識は日本語のまま
答えの元を言語の数だけ持つ必要がありません。更新は1か所で済みます。

英語に切り替えたところ。知識は日本語のままです。(多言語対応)
登録した内容から、聞かれた言語で返る
営業時間・場所・支払い方法。よく聞かれる4項目は、この形で足ります。

知識に登録した内容から、文章で答えているところ。(物流・運送)
名前・アイコン・最初のメッセージ
「英語は話せませんが翻訳を使って対応します」も、ここに書いておけます。

基本設定。名前・アイコン・メインカラー・最初のメッセージを決めます。(サイト調査おまかせ)
やりがちな失敗
全ページを訳してから始める
半年かけて訳し終わったころには、日本語側が変わっています。聞かれるものから訳すほうが確実です。
問い合わせを受ける体制を決めない
ページだけ多言語にすると、答えられない問い合わせが増えます。受ける体制と、訳す範囲は同時に決めてください。
自動翻訳に料金の条件まで任せる
金額と条件が絡む記述は、訳がずれると事故になります。ここだけは手で訳した文を用意しておいてください。
訳す前に、日本語側を整理する
意外に効くのが、訳す前の下ごしらえです。日本語のページが冗長なままだと、訳したページも冗長になり、費用も増えます。
- 1文を短くする。訳しやすくなり、誤訳も減ります
- 主語を省かない。日本語では自然でも、訳すときに誰の話か分からなくなります
- 慣用句や比喩を減らす。「お気軽に」「心を込めて」は、そのまま訳すと意味が伝わりません
- 数字と単位を明示する。「少々お時間をいただきます」ではなく「3営業日いただきます」
4つ目は、多言語対応とは関係なく効きます。日本語のページでも、あいまいな表現が問い合わせを生んでいることは多いです。
よく聞かれる4項目を、先に用意する
海外や訪日のお客さまから来る質問は、業種を問わずだいたい同じところに集まります。まずこの4つを用意してください。
| 項目 | 書いておくこと |
|---|---|
| 営業時間・定休日 | 祝日の扱いも。日本の祝日は伝わりません |
| 場所と行き方 | 最寄り駅からの経路。地図だけでは不足 |
| 支払い方法 | 使えるカード、現金のみかどうか、QR決済 |
| 言語の対応 | 店頭で英語が通じるか。通じないなら、その旨も |
4つ目を正直に書いておくのは、意外と親切です。「英語は話せませんが、翻訳を使って対応します」と書いてあるほうが、行ってから困るより良い体験になります。
よくある質問
サイトの多言語対応は、全ページを訳す必要がありますか?
ほとんどの場合、必要ありません。海外や訪日のお客さまが知りたいのは、営業時間・場所・料金・手続きといった限られた項目であることが多いためです。全ページを訳すと、更新のたびに言語の数だけ手間が増えて、半年で追いつかなくなります。聞かれるものから訳していくほうが確実です。
自動翻訳を入れるだけではだめですか?
手間は小さく済みますが、訳の質を制御できません。固有名詞、業界の用語、そして料金の条件。このあたりが崩れると、かえって混乱を招きます。使う場合でも、金額や条件が絡む記述だけは手で訳した文を用意しておくほうが安全です。
どの言語に対応すればいいですか?
アクセス解析で、来訪者のブラウザの言語設定を確かめてください。想像で決めると外れます。英語だけで足りることもあれば、中国語と韓国語のほうが多いこともあります。実際に来ている言語から順に対応していくのが、無駄のない進め方です。
多言語対応の費用は、どう見積もればいいですか?
翻訳そのものの費用(文字数×単価)だけでなく、ページを作る作業、更新の手間、そして問い合わせへの対応まで含めて年間で見積もってください。初期の翻訳費用だけを見て判断すると、あとで更新の手間に驚くことになります。特に更新は、言語の数だけ毎回増えます。
英語で問い合わせが来たら、誰が答えるのですか?
ここを決めずにページだけ多言語にすると、答えられない問い合わせが溜まります。社内に対応できる人がいないなら、質問に答える窓口のほうを多言語にして、込み入った相談だけを翻訳して受ける形が現実的です。訳す範囲と受ける体制は、同時に決めてください。
まとめ:全部訳す前に、聞かれるものから
サイトの多言語対応は、翻訳して別ページを作る・自動翻訳を差し込む・問い合わせだけ多言語にする、の3つから選べます。先に決めるのは、どの言語か・何を訳すか・誰が答えるかの3つです。
順番としては、解析で言語を確かめて、問い合わせの受け答えから始めて、聞かれたものを訳していく。この形なら、費用も手間も小さく始められます。SHIRITAIは、日本語で登録した内容を他の言語で返せるAIチャットボットです。無料トライアルで試してみてください。インバウンドの受け方はインバウンドのチャット対応にまとめています。
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