展示会のあとのフォロー|名刺は増えたのに商談が増えないときの、サイト側の設計
展示会のあとのフォローで効いてくるのは、名刺のリストに連絡を回すところではなく、その連絡から戻ってきた人をサイト側で見分けて声をかけるところです。名刺の枚数や商談の件数は会期中に残っても、そのあとサイトに来たかどうかまでは、手元に残らないままになりがちです。お礼のメールを開いた人が最初にするのは、返信ではなく、会社名を調べ直すことかもしれません。
名刺は増えたのに、そのあとが動かない
三日間の展示会が終わって、机の上に名刺の束が残ります。帰社した翌日に、リストを作って、お礼のメールを一斉に送る。ここまではだいたいどの会社もやっています。
問題はその先です。返信は数通。あとは静かなまま、次の月が来る。営業会議で「名刺は何枚集まりましたか」と聞かれれば答えられるのに、「そこから何がどうなりましたか」には答えようがない。展示会の担当をした方なら、この気まずさに覚えがあるのではないでしょうか。
ここで「メールの文面が悪かったのかもしれない」と考えて、次回はもっと丁寧に書こうとする。それも一つの手ではあるのですが、相手が動いたあとに何が待っているかを先に見直したほうが、手応えは出やすいと思います。
公的なガイドが数えている項目に、サイトへの来訪は入っていない
展示会後のフォローについては、公的機関が期間まで書いた資料があります。ジェトロ(日本貿易振興機構)の出展ガイド『初めての海外見本市のために ~出展のポイント~』(2023年12月)は、礼状と追加資料の送付を「帰国後1週間以内に」、商談した企業へのフォロー全体を「帰国後すぐ~1ヵ月以内」と、スケジュール表の中に一つの業務として置いています。海外見本市を想定した記述ですが、国内の展示会でも目安として使える書き方です。
同じガイドは、出展効果を評価する項目として次の6つを挙げています。来場者とのコンタクト数、商談件数、製品別の成約と成約見込み、来場者分析、アンケートの集計・分析結果、主催者発表のデータ。
並べてみると、あることに気づきます。「そのあと自社サイトに来たかどうか」は、はじめから評価の視野に入っていません。ガイドが悪いという話ではなく、そこは測る手立てが用意されてこなかった区間だ、ということです。

中小企業基盤整備機構が運営する J-Net21 にも、会期後について踏み込んだ記述があります。「一斉にありきたりなThanks Mailを送るのではなく、展示会時のバイヤーとの会話に基づき具体的な情報提供や提案を行う事が重要」という一文です。ブースでの会話に合わせて出し分けよ、という趣旨だと読めます。
相手が最初にやるのは、返信ではなく「調べる」ことかもしれない
接点をつくったあとに相手が何をするかについては、参考になる調査があります。日本ダイレクトメール協会の「DMメディアの現状」(2024年9月25日・総務省の会議配布資料として公開)に載っている行動喚起率の表です。
本人宛のダイレクトメールを受け取って何らかの行動をした人は、2023年12月調査(n=1,076)で19.7%。そのうち最も多い行動が「ネットで調べた」で10.0%でした。「問合せた」は3.5%、「資料請求した」は1.1%です。
紙のDMを対象にした調査なので、展示会のお礼メールにそのまま当てはめることはできません。それでも問い合わせより先に、まず調べる人のほうが多いという傾向は、名刺交換のあとにも似た形で起きていそうです。ブースで話を聞いて、席に戻って社名で検索して、サイトを開く。その人が最初に見る画面が、ブースの会話とまったく関係のない会社案内だとしたら、続きは始まりません。
会期後のサイトに、三つの条件で相手をしぼる
やることは難しくありません。お礼メールから来た人にだけ、会期後の一定期間だけ、二度目に来た人に声をかける。この三つを重ねると、対象はかなり絞られます。

1. お礼メールに載せるURLを、展示会ごとに分ける
お礼メールに自社サイトのURLを載せるとき、末尾に印を付けておきます。たとえば「?src=expo0813」のような形です。8月13日開催の展示会から来た人、という意味の目印にすぎませんが、これがあるかないかで後の話が変わります。
複数の展示会に出ている会社ほど効きます。同じ月に二つの展示会に出て、両方にお礼メールを送ったとき、印を分けておけば「どちらの配信から来た人か」が分かれます。名前を「expo0813」「seminar0829」のように決めておくと、あとで迷いません。自社で開いたセミナーの参加者に送るときも、やり方は同じです。
この印はSHIRITAI側でも受け取れます。受け取りたいキーを設定でカンマ区切りに登録しておくと、登録したキーだけが利用履歴に残ります(値は200文字まで)。渡し方は、設置ページのURLに付ける方法のほか、埋め込みコードに「data-shiritai-キー名」を書く方法、ページ側で「window.SHIRITAI_PARAMS」に持たせる方法があります。
2. 会期後の一定期間だけ、有効にしておく
展示会のお礼から2ヵ月たっても「先日の展示会では」と声をかけてくるサイトは、ちぐはぐに見えます。先ほどのジェトロのガイドがフォローの範囲を1ヵ月以内としていることを踏まえると、会期の翌日に出しはじめて、1ヵ月ほどで止める。それくらいが自然な長さかと思います。
日付が来たら自動で切り替わる仕組みではないので、そこは運用でやります。トリガーは一覧で管理できるので、止める日をカレンダーに書いておいて、その日に切るだけです。次の展示会が来たら、印の値と文面を差し替えて使い回せます。
3. 二度目に来た人にだけ出す
お礼メールのリンクを踏んだ一度目は、たいてい「どんな会社だったか」を確かめに来ています。ざっと見て閉じる人が多い場面で声をかけても、無視されるだけかもしれません。
面白いのは二度目です。一度見て、それでももう一度来る人には、たいてい理由があります。社内で話題に出た、上司に説明する材料が要る、他社と比べはじめた。SHIRITAIのトリガーには「◯回目以降の訪問」という条件が用意されています。ただしこの回数はページを読み込むたびに1つ増える数え方なので、初めての訪問でも2ページ目を開いた時点で「2回目」になります。日を改めて戻ってきた人だけを狙い撃つことはできないので、「1ページ見ただけで帰る人には出さない」くらいの絞り込みとして使うのが実際のところです。
SHIRITAIでは、どう設定するか
ここからは実際の画面です。詳細設定で「営業AIモード」を選ぶと、サイドバーに「トリガー」が出てきます。トリガーというのは、条件に合う人にだけ小さく声をかける設定のことです。
条件は「どこで・どこから来た人に・いつ・誰に・何回・何を」の順に決める

画面に並んでいるのは別の目的の例ですが、展示会のフォローに使うなら、次のように埋めていきます。
- どこで:お礼メールで案内したページ。「このパスで始まる」を選べば、その配下のページ全部が対象になります
- URLパラメータ:キー「src」、値「expo0813」が付いていたら出す。判定は「いま見ているページ」「最初に開いたページ」「どちらか」から選べるので、サイト内を移動されても追える形にできます
- いつ:15秒とどまったら。読みはじめてすぐ被せないための間です
- 誰に:PC・スマホ両方。移動中に開く人も拾いたい場面です
- 何回:同じ訪問者には一度だけ。次に出すまでの最短時間と、1訪問あたりの上限も決められます
- 何を:本文と選択肢。ここに「ブースでお話しした件」から始まる一文を書きます
選択肢を押したときの動きは、AIに質問する、決まった内容を表示する(AIを使わない)、リンクを開く、チャットを開くだけ、の4つから選びます。条件の違うトリガーがいくつも重なったときは、優先順位の高い1本だけが出ます。展示会用のものを一時的に上に置いておく、といった使い方ができます。
最初の一声にAIを使わない作りなので、待たされる間がありません。全画面をふさぐこともありません。断られたことを覚えさせるかどうかは表示頻度の設定次第で、既定の「条件に合えば毎回」のままだと出し直します。声かけの設計そのものについては、Webサイトで「接客」できていますか?チャットボットで待ちを先回りに変えるもあわせて読んでみてください。
条件を一から組むのが面倒なときは、管理画面のAIアシスタントに「8月13日の展示会のお礼メールから来た人に、二度目の訪問で声をかけて」と書けば、条件と文面の下書きまで作れます。
一問だけ聞いて、答えに合わせて案内する
声かけの中身を「資料はこちらです」で終わらせるのは、もったいない使い方です。アンケート型の声かけを選ぶと、1問ずつ質問を出せます。答え方は、1つ選ぶ・いくつでも選べる・自由に書いてもらう、の3種類。必須を外しておけば「この質問をとばす」も出せます。
展示会後に聞くなら、一問で足ります。「いま、どのあたりですか」と聞いて、情報収集の段階・社内で検討中・見積もりがほしい、の3択にする。相手が今どの段階にいるかさえ分かれば、出す情報は変えられます。
「回答内容をふまえてAIに案内させる」をオンにすると、依頼文の「{answers}」に選ばれた内容が入り、その段階に合わせた案内が返ります。オフにすれば、お礼の一言と、用意しておいた選択肢だけが出ます。訪問者の吹き出しに出るのは選んだ内容だけなので、会話としても不自然になりません。
集まった回答は、アナリティクスの「アンケートの回答」に設問ごと・選択肢ごとに集計されます。会場で配ったアンケート用紙を手で数える手間と比べると、かかり方がかなり変わってきます。
連絡先は、資料と引き換えに受け取る
会話の中で「詳しい資料はありますか」となったときは、そのまま渡してしまわず、資料ダウンロードを使います。資料と引き換えに連絡先をいただく形で、申込があった方には自動でメールが届きます。
受け取った連絡先は、問い合わせと合わせて管理画面の受信内容の管理に集まります。対応状況とメモを残せるので、「この人にはもう電話した」が担当者どうしで見える状態になります。名刺の束と別に管理表を作らなくて済むだけでも、会期後の作業は軽くなるはずです。問い合わせにつなげる導線の作り方は、チャットボットでリード獲得を強化するにまとめてあります。
効いているかどうかを、数字で見る

トリガーごとに、表示回数・反応数・反応率が出ます。画面の例では、表示36回に対して反応9回で25%です。この数字が低ければ文面を書き換える、高ければ次の展示会でも同じ型を使う、という判断ができます。名刺の枚数の次に報告できる数字が一つ増えるわけです。

もう一つ見ておきたいのが利用履歴です。実際に来た質問がそのまま残るので、「会場では聞かれなかったが、サイトでは聞かれたこと」が見えてきます。登録しておいた印(キーと値)で絞り込めるので、その展示会から来た人の会話だけを取り出せますし、CSVに書き出すと「param:キー名」という列で出てきます。次回のブースで配る資料の中身が、ここから決まることもあります。
ログの読み方に慣れていない場合は、会話ログとは?チャットボットの記録から「お客さまの本音」を見つける読み方と活かし方が参考になります。
できないことは、先に書いておきます
この手の話でいちばん誤解が生まれやすいところなので、はっきりさせておきます。

SHIRITAIは、来訪した企業を特定しません。アクセス元から会社名を割り出す機能はありませんし、交換した名刺の相手とサイトに来た人を機械で結びつける機能もありません。「A社の田中様が昨日サイトを見ました」といった通知は出てこない、ということです。
分かるのは、その配信から来た人がどんな会話をしたか、というところまでです。誰かは分からないけれど、何に困っているかは分かる。展示会後のフォローに使う情報としては、それで足りる場面が多いように感じています。会話の中で相手から名乗っていただいたとき、はじめて名前と内容がつながります。
誰が来たかを当てにいくより、来た人に何を出すかを決めるほうが、たいてい早く成果につながります。
実際の声かけと、返ってくる答え
設定した内容が、来訪者の画面でどう出るかの例です。
登録した条件:お礼メールのURL(src=expo0813)から来た人に、2回目以降の訪問で、15秒たったら
先日の展示会では、ブースにお立ち寄りいただきありがとうございました。会場でよくいただいたご質問をまとめています。(導入までの期間/既存システムとの併用/小規模でも使えるか)
導入までの期間
設問:いま、どのあたりですか(1つ選ぶ)/「回答内容をふまえてAIに案内させる」=オン
差し支えなければ、一つだけ教えてください。いまはどのあたりでしょうか。(情報収集の段階/社内で検討中/見積もりがほしい)
社内で検討中
登録した内容:いま使っている仕組みを止めずに、並行して使える。試用は1部署からでも可能
ブースで聞いた話だと、今使ってるやつは止めなくていいんでしたっけ
はい、いまお使いの仕組みを止めていただく必要はありません。並行してお使いいただけますので、まずは1部署だけで試していただく形も可能です。会場でお渡しした資料にも、同じ内容を載せています。
困りごと別|SHIRITAIで解決できること10
左が展示会のあとに起きていること、右がSHIRITAIでどう受けられるかです。
| いま起きていること | SHIRITAIでどう受けるか |
|---|---|
| お礼メールを送ったきり、何も返ってこない | 相手がサイトに来たときに、その配信から来た人にだけ声をかける |
| 名刺の枚数は報告できるが、その先を説明できない | トリガー別の表示回数・反応数・反応率が残る |
| ブースで話した内容と、サイトに出る情報がつながらない | 「ブースでお話しした件」から始まる声かけを、配信ごとに用意する |
| 複数の展示会が混ざって、どれが効いたか分からない | お礼メールのURLを分け、利用履歴でその値だけを絞り込む |
| 会期からだいぶたっても、古い案内が出たままになる | トリガーは一覧で管理し、不要になった日に止める |
| 一度見ただけの人にまで、営業めいた声をかけてしまう | 「◯回目以降の訪問」を条件にして、1ページ見ただけの人には出さない |
| 相手がどの段階にいるのか分からない | アンケート型の声かけで一問だけ聞き、回答に合わせて案内する |
| 会場で配ったアンケート用紙の集計に時間がかかる | 回答が設問ごと・選択肢ごとに自動で集計される |
| 資料を送るたびにメールを書いている | 資料と引き換えに連絡先を受け取り、申込者へ自動でメールが届く |
| 誰がどこまで対応したか、社内で見えなくなる | 問い合わせと資料請求が管理画面に集まり、対応状況とメモが残る |
全部を一度にやる必要はありません。次の展示会が近いなら、印を分けることと、声かけを一本用意することの二つだけで足ります。
よくある質問
展示会で名刺交換した人が、そのあとサイトに来たか分かりますか?
個人としては分かりません。SHIRITAIは来訪した企業の特定をしませんし、名刺の相手とサイトに来た人を機械で結びつける機能もありません。分かるのは「お礼メールに載せたURLから来た人が、どんな会話をしたか」までです。名前が分かるのは、会話の中でご本人が名乗ってくださったときか、資料ダウンロードで連絡先をいただいたときになります。
お礼メールは、いつまでに送ればよいのでしょうか?
ジェトロの出展ガイド(2023年12月)は、礼状と追加資料の送付を「帰国後1週間以内に」、商談した企業へのフォロー全体を「帰国後すぐ~1ヵ月以内」としています。海外見本市を前提とした記述ですが、国内でも目安になります。サイト側の声かけも、この期間に合わせておくと収まりが良くなります。
会期が終わったら、声かけは止めたほうがよいですか?
止めることをおすすめします。日付で自動的に切り替わる仕組みではないので、有効にした日と止める日を、カレンダーに書いておいてください。止め忘れて何ヵ月も「先日の展示会では」と出続けるのが、いちばん印象を損ねます。
声かけがしつこくなって、嫌がられないでしょうか。
出す回数は設定で決められます。同じ訪問者には一度だけ、次に出すまでの最短時間、1訪問あたりの上限、といった具合です。条件の違うトリガーが重なっても、出るのは優先順位の高い1本だけ。全画面をふさぐ出し方はしません。一度断られたことを覚えさせるなら、表示頻度を「1回の訪問につき1度」以上に絞っておきます。文面の作り方に迷ったら、チャットボットのマーケティング活用もご覧ください。
展示会の前から準備しておくことはありますか?
ブースでよく聞かれる質問の答えを、先に登録しておくことをおすすめします。会期中に受けた質問をメモしておいて、会期後すぐに足すのでも間に合います。営業担当が会場で答えていた内容をそのまま登録しておくと、サイトでも同じ答えが返るようになります。この考え方はチャットボットの営業活用で詳しく扱っています。
まとめ
展示会のフォローは、送るところまでは多くの会社がやっています。差が付くのは、送ったあとに来た人を、どう迎えるかのほうです。公的なガイドが評価項目に入れてこなかった区間なので、手を付けている会社もまだ多くありません。
順番としては、①お礼メールのURLに展示会ごとの印を付ける ②会期の翌日から1ヵ月ほど、その印から来た二度目の訪問者に声をかける ③一問だけ聞いて、答えに合わせて案内する、の三つです。次の出展が決まっているなら、ブースの準備と一緒に組んでおくと、名刺の束を前に途方に暮れる時間が減るはずです。
実際の画面で試してみたい場合は、無料トライアルで条件を作って、自分でお礼メールのURLを踏んでみてください。設定の考え方は営業AIモードのページにもまとめています。
SHIRITAI(シリタイ)は、HELATH株式会社が提供するAIチャットボットサービスです。